(闘病日記3)これ、なんの時間?
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入院してから2週間がたった。
いまだに検査結果は出ない。検査もせず、治療もせず、ただ病室で過ごす日々にはなんの価値も感じられなくなってきた。
これなら家で待機できるんじゃないだろうか?しかし、コロナ対策で一時帰宅は滅多な例を除き、認められていない。
同じくコロナ対策で、関係者の面談も叶わない。私は、この狭いカーテンの中でうずくまり、たまにコンビニに歩いて行くだけの役割のないロボットになっている。
そうなると流石に心も疲れてくる。これからどのくらい入院が必要なのだろうか。これからどんな辛い治療があるのだろうか。私はいつか社会復帰できるのだろうか。もう友達と同じようにサラリーマンとして働いてゆるい幸せを感じながら過ごすことはできないのか。
思考に体が沈む。汚れたガラス越しの晴れた外の景色がすごく痛い。
こんな思いをするくらいなら、いっそ治療せず、最後を楽しもうか。そんな思いも出てくる。
同室のお爺さんたちは1〜3日で入退院し、人が入れ替わる。今日も私はこの部屋の隅に固定されている。この部屋で一番若い、私だけが。
早くこの時間に意味を持たせて欲しい。待つとは、行為ではなく状態だ。何かしらの行為をしたい。早く結果を教えてくれ。治療を始めるなら、私はまだ頑張れる。
もう待つのは嫌だ。
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