AJCCかくよ~(古馬編)

概要

AJCCの出走馬を見ていく。
今回は古馬をみていくよ~
買いたいのから書いていくけど、買いたくないのまで書くかは微妙だよ~

サンアップルトン

概要
明け5歳になる牡馬。
主な勝ち鞍は20'サンシャインS(3勝クラス)。
まだ3勝クラスまでしか勝っていないが、去年アルゼンチン共和国杯(G2)で9番人気ながら3着に入った。3歳の夏まで黛騎手が主戦だったが、秋から柴田善臣先生に乗り替わってからは3,1,1,2と好成績を残している。
血統
 父:ゼンノロブロイ
 母:シナル
 母父:キングカメハメハ
 母母父:トニービン
 注目したいのはトニービン。Robertoもそうだがこのレース欧州の血が活きる。トニービンに関しては持続力にたけており、ジャングルポケットやルーラーシップ(自身もAJCCを勝っている)などの産駒が活躍しており、その血は父に限らず母馬に入っても生きている。また、トニービンの血は古馬になってから炸裂する成長力を持っている。これはナスルーラに起因する柔らかさが馬体の完成を遅くすることにもある。その為、前走のアルゼンチン共和国杯での3着がフロックでない(≒成長によるもの)可能性は十二分にある。
 父ゼンノロブロイの産駒は2度馬券に絡んでいるが、そこまで協調材料ではない。だが、過去10年の成績を見ると父サンデー系は17頭が馬券に絡んでおり、ディープインパクトが多いが、ゼンノロブロイを初め、マンハッタンカフェ、ステイゴールド、ステイゴールド、トーセンホマレボシ、マーベラスサンデーなどバラエティーに富んでおり、比較的サンデー系種牡馬であること自体が大事だったりする。(Tサンデー)
 
戦歴
 キャリアにおいて新馬以外は2000m以上を使われており、根幹非根幹問わずの印象。スタミナが問われる中山の2200は未勝利、3歳時の水仙賞、オールカマーと経験がある。特に苦手としている様子はない。
 ただゼンノロブロイ産駒には重馬場が苦手、不良馬場が得意というデータもあり、雨の中山が合うかは微妙なライン。だた母父キンカメは重馬場でも押し要素になりうる。キンカメがトニービンを引き出すのであればなおさらである。
 脚質は追い込み、差しといった感じであるが、理想とすると日経賞のような早めに動く競馬か。ただ枠順が2番になったのはいかがなものか。柴田善臣先生の手腕に期待。

ベストアプローチ

概要
明け7歳になる騙馬。
主な勝ち鞍は18'メトロポリタンS(OP)
メトロポリタンSから次の巴賞まで約2年の間が空いている。その間に転厩、去勢などを経ている。AJCCは騙馬になってから4走目になる。
血統
 父:New Approach
 母:Sant Elena
 母父:Efisio
 母母父:Silver Hawk
 父New ApproachはGalileoの産駒でSadler's Wells系である。母母父Sliver Hawkがおり、ここでSadler's WellsとRobertoというAJCCに重要な血を持っていることとなる。
 ぶっちゃけそれだけ。
戦績
 戦績というより前走のアルゼンチン共和国杯なのだが、直線入ってから追い出して2度前の馬が壁になったシーンがあった。それでいて上がり3F3位の脚を使えており、あれがなければ3着のサンアップルトンとは2馬身ほどで、スムーズであれば肉薄できたと考えられる。
 また、前走は発汗も目立ち、仕上げ的にもいい状態だったとは言い切れない。
 アルゼンチン共和国杯は4か月の休み明けであり、Sadler's Wells系ということもあり叩き2走目となる今回パフォーマンスを上げる可能性が大いにある。

タガノディアマンテ

概要
明け5歳となる牡馬。
主な勝ち鞍は20'万葉S(OP)
3歳時は王道路線を歩んでいたが、古馬になってからは3000mを超えるレースを使ってきた。
血統
 父:オルフェーヴル
 母:タガノレヴェントン
 母父:キングカメハメハ
 母母父:トニービン
 父オルフェーヴルはクラシック三冠馬で古馬になってからも中長距離で活躍し、国内外の重賞を勝った名馬。産駒も中長距離を得意とし、道悪を苦にしないという特徴を受け継いでいることが多い。実は中山の2200mの成績悪かったりする。
 母父キンカメや母母父トニービンは別馬でも扱った通り雨の中山に適性を見せると思われるが、より重要なのは母母母父がNureyevであり、キンカメが持つNureyevと5×4のクロスができているということである。Nureyevはパワーと持続力を持ち、中山の外回りで活きると思われる。
 元来長距離が得意なオルフェーヴルに持続力的なトニービンとNureyev、スピードに欠ける血統な気がするが、雨が降って馬場が渋り上がりがいつも以上にかかる馬場であれば是非狙いたい血統である。
 ただ一気の距離短縮は微妙なライン。
戦績
 ここ4戦は3000m以上を使っており、中距離は約1年4か月振りである。問題はスピードへの対応になるのだが、今回ありがたいことに雨が降って馬場が荒れてきている中山でのレースとなるため、瞬発力はそこまで求められないと思われる。
 前走こそ逃げたが基本ゆったりした流れを後方追走から差してくる競馬を中距離でもやっている。その為、同じようなレース運びになると思われる。菊花賞や万葉Sのようにある程度早めに動く必要が出てくると思うが、今回の条件なら2200でもできる可能性はあると思う。

ラストドラフト

概要
明け5歳となる牡馬。
主な勝ち鞍は19'京成杯(G3)
去年のAJCC3着馬。冬馬っぽいって言われるくらい冬に馬券になってるのは面白い。
血統
 父:ノヴェリスト
 母:マルセリーナ
 母父:ディープインパクト
 母母父:Marju
 ノヴェリスト×サンデー系は今のところ日本ではノヴェリストの成功パターン。海外ではND系との相性がいいらしい。産駒は中央競馬の競馬場ではもっとも中山が勝率がいい。牡馬に関しては距離もそこそこ万能だし、そこは母馬次第なのだと思う。
 重馬場は実はそこまで得意ではなく、稍重までならといった感じ。雨降ったらちょっと危ういかもしれない。
 母マルセリーナは桜花賞を勝った馬。ただ活躍は4歳春までだったりする。マイル前後で活躍していて、差し競馬をしていたし瞬発力的な部分も多少ここから補えたりするかもしれない。
戦績
 概要にも書いたが冬の時期に強い。
 去年のAJCCも3着だが、最後のコーナーあたりで故障した馬が下がってきた影響をモロに受け、大きく外を回っていたのをさらに外に回るロスがあったが伸びてきている。2着は前に行ったステイフーリッシュ、勝ったのは故障馬の影響をさほど受けなかったブラストワンピースで、その2頭が直線内側で叩き合っていたのに対し、ロスが響いて外側を通ったにもかかわらず3馬身ほどで済んだこの馬は素直に能力を評価していいはず。
 馬券になっているときはルメール、マーフィ、戸崎とトップ級のジョッキーが乗っているので、今回の三浦への乗り替りは少し気になる。

その他ピンポイント考察

■ノーブルマーズ
 トニービンにSilver Hawk持ちと血統的には押せる。実は3勝クラスではあるが、年始の中山2200で勝ったこともあるので適性もありそう。8歳だが悩んでいい馬。
■モズベッロ
 去年の宝塚記念3着馬。前走の有馬記念は大きく出遅れたのが響いたのと、田辺騎手がめちゃくちゃ内に進路どりをして且つ直線ほぼ追わなかったというのもあり、ほとんど競馬してないようなもの。脚質と馬場もマッチしそうだし、騎手も乗り替り一変も可能性としては捨てきれない。ただ、血統的なあれはない。
■ステイフーリッシュ
 去年の2着馬。適正的にも実績的にも軸にしたい1頭であるが、3カ月半の休養は骨折明けのものでここから行くのは怖さがある。
 またラストドラフトの項でも書いたように、前目で運んでの2着で、3着とのラストドラフトとは3馬身差あるが、それはラストドラフトが故障馬のあおりをうけ大きなロスが生じたためで、もしかすると逆転もあった可能性はある。
 とはいってもこの舞台で一番結果を残している馬でもあり、抑えたい1頭ではある。

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