そもそも人工知能はどうやって作るの?

ふたつの人工知能の作り方

人工知能構築の方法論に、知能の在り方の何をモデルとするかで、記号主義とコネクショニズムというふたつの流れがあります。記号主義が「知能」の本質を「推論」行為に求めるのに対して、コネクショニズムは「知覚」(ないし「知覚」を基礎とした「認知」)にみる点でそれぞれ異なります。

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「記号」と「学ぶ」

記号主義のAIは最初から「プログラム」という完成形の「知能」を実装しようとするのに対し、コネクショニズムの「知能」は未熟な状態から知覚、認知行動の積み重ねによって、すなわち経験を通じて「学ぶ」ことで徐々に完成態へ成長してゆくことを想定しています。

記号主義は「推論」をモデルとするがゆえに「記号」という媒介物をAIと世界の間に立てざるを得えません。それに対してコネクショニズムでは「対象」に対する「知覚」というかたちでダイレクトに世界とAIが関係を結んでいきます。

17世紀と20世紀

記号主義は元をたどると17世紀の哲学者ライプニッツの普遍記号論プロジェクト(推論プロセスを体系的に記号表記可能な理想的人工言語を開発することによって思考の自動化を図る)に端を発するアプローチです(人工知能は哲学者が作った https://society-zero.com/chienotane/archives/8267#6 )。

これに対しコネクショニズムは「つながり(コネクション)」を作ることによって自らを組織化していく脳神経系のはたらきをモデルに,人間の知的振舞いを理解しようと20世紀に生まれた考え方です。心理学、神経・脳科学、計算機科学、数学、言語学などの融合の中から生まれてきました。生物の脳の神経細胞(ニューロン)や神経回路網(ニューラルネットワーク)の情報処理様式に学んで、脳の高度な情報処理機能の人工的実現を目指します。

近時脚光を浴びているディープラーニング(深層学習)が、コネクショニズムのアプローチによる成果物のひとつです。ゲームキャラクター製作において、身体を持つ人工知能の要請から、身体知つまり生物固有の身体に根差した知能という課題が射程に入り、アフォーダンスという学問成果が活用されています。

記号主義とコネクショニズム、さらにアフォーダンスについて、参考文献(書籍)を紹介しましょう。下記URLをクリックしてください。
https://society-zero.com/icard/4139


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