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【人怖】隣のペド(疑惑)野郎

【人怖】なんて書いて茶化しているように見えるのも何だか嫌な気持ちになるくらいの話なんですが。


私には本業が少し暇になるやいなや怪談蒐集を始める習性がある。最近ちょっとだけ時間ができたので、Facebookの外国人コミュニティーに『怪談持ってる人、ぜひ聞かせてください』と投稿した。
すると面白がってくれた人たちからたくさんメッセージが来た。中には「怪談はないけど日本の怪談が聞きたい。友達になってほしい」などという連絡もあった。もちろん、この国で怪談を広めるのも私の大事な任務だと勝手に思っているのでそういう連絡には真摯に対応する。

ところが中には明らかに下心をもって連絡してくる人もいる。体感的に、欧米人に多い。ペド(疑惑)野郎も、そのうちの一人だ。

もう「ペド野郎」と書いてしまったのでネタバレもいいとこなのだが、そう、彼はペドなのだ。ペド=ペドフィリア、である。全ての人間は人として尊重されるべきだと考えているが、ペドだけは人ではないと私は思う。ヒトモドキと呼びたい。

そのヒトモドキのことを本名の頭文字をとってとりあえずKとしよう。彼は私に絵文字がたくさん入ったメッセージを送ってきた。内容としてはこんな感じ↓

ハロー!僕はK。
今は事情があって本国(東欧のとある国)に帰ってるんだけど、4月にまたそっちに戻ることになってるんだ。早く君に会いたいな!

大抵こういった類のメッセージの送り主には怪談がないことが多いのだが、東欧の怪談はとても欲しい。最悪、彼から直接ではなくても彼を通して他の人とつながれたらいいかと思い返信した。「そうなんですね~では戻ってきたらまたご連絡ください」と。

すると彼は私が求めてもいないのに仕事の話を始め、挙句の果てに写真まで送りつけてきた。といってもお〇ん〇んの写真ではない。仕事中の写真だ。お〇ん〇んの写真ではないだけましなのだが、聞いてもない仕事のことを長々と送り付けてきた上に頼んでもいない写真だったので、引いた。知らん人の写真なんかもらっても嬉しくないだろ。

で、ちらっと見た写真には彼と、幼い女の子が写っていた。

書き忘れたが、彼は子供に英語を教える仕事をしている。写真には「I love you, I love you, I love you, I love you K」とノートに書かされている女の子。

もうこの時点で不審度MAXである。I love youって、書かせる必要ある?それ教える必要ある?しかも自分の名前まで書かせて、何それ?しかも子供の顔が悲壮感に満ちていた。
I love youの意味を理解した上で、自ら進んでそれを書きたい時のそれではない。課題が終わるまで帰れないよ、と言われた時にそんな顔をするんじゃあないだろうか。

その次の写真にはI love youと書いていた女の子よりも小さい子が写っていた。その子がKの膝の上に乗せられていた。

まぁ、子供が膝に乗ってくることもあるだろうがわざわざそれを写真に撮るだろうか。そしてそれを会ったことも無い他人に送り付けるだろうか。
不審度が限界突破したので、不審度を隠さない返信をした。

子供、お好きなんですね

と。

すると20行くらいはあろうかというなが~い返信が来た。作文かよ。
内容は「子供には愛を持って兄のように接して云々」といった感じ。ちなみにKは40代。4-5歳の子供の兄になるには無理がありすぎる年齢だ。
他にも不快なメッセージがあったため、それには返事をせずにおいた。

その僅か2日後のことである。

寝起きで朝のSNSチェックをしている時に思わず「うわっ」と声が出てしまった。
私が今住んでいる地域の外国人コミュニティに投稿された文章。

Please protect your kids carefully

その下にとある人物のプロフィールページの画像が添付されていて、その人物が、そう、Kだったのだ。
名前は少し違っていたが、Kの写真だった。

はっきり「この男はペドフィリアだ!」と書いていた訳では無いが、子供に危害を加える奴だという注意喚起なのは理解できた。
思わず声が出たというのは彼が危険人物とされていることに驚いたからではなく、自分の勘が当たっていたことに驚いたからだ。そして、やっぱりそうだったのかと納得もした。

その投稿は数日後消された。理由は分からない。Kはそのことには触れずに私の投稿にいいねを押したり日本の観光地の写真ばかりシェアしたりしていた。こちらも理由は分からない。
不快ではあったが100%の確証もないため、とりあえずこの画像だけをアップロードした。

Kからは反応がなかった。この画像をアップロードしてからは私の投稿に一切反応しなくなった。

まぁ、何かあってここを追われた人間なら戻ってくることもないだろうと思い、その出来事のあとはすっかり忘れてしまっていた。

ところが今日、メッセージが来た。

Hi, I'm back. if you want to grab a coffee

犯罪者じゃなかったのか。それとも警察沙汰になっていないだけなのか。とにかくKは戻ってきた。

気になったのは絵文字が1つもないことだ。最後に送ってきたメッセージまでは絵文字が満載だったのに今回は1つも絵文字がない。もしかして私がアップロードした画像が刺さったのか。図星だったから怒っているのか。怒っているのならなぜお茶に誘うのか。

これは…人怖の匂い……!

正直2人だけで会うつもりは全くないがKがどんな末路を辿るのか気になるので返事はした。"OK."と一言。私だっていいムードではないですよ、とアピールのためにわざわざピリオドも打った。普通は打たない。気分が悪い時だけである。

するとすぐに

Ok. Today

とクソな返事が来た。何がTodayじゃ。誰がToday言うたんや。こいつぺドがただの疑惑だったとしてもそれ以前にクソである。
初めてのメッセージの次に送って来たメッセージからしてもうすでに不具合があるんだなとは思っていた。名前をつけるならモラハラといったところか。
モラハラ野郎って、人の話聞かないよね。
あと何で当然会う前提で話を進めるのだろう。あのメッセージを読んだ相手にどう思われているのかとか、客観視できないのだろうか。ドン引きですよ。きしょみち。

とはいえKからはとんでもない人怖話が採取できそうなので離れたところから観察はしたい。ここで思い切って踏み込めないところが、私が怪談収集家として大成しない所以なのだ。

時々、私がドウェイン・ジョンソンのような屈強な男性だったらもっと際どい怪談が集められたのだろうなぁと悔しく思うことがある。まさに今。悔しいなぁ。

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