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あなたも私も能力者

以前、不倫している女が臭いと書いた。

どうして臭いのか、結論から言うと私がスーパースメラーだから。

一種の能力らしい。世の中には色々なスーパースメラーがいる。
私の能力は不倫している女が分かるという何の役にも立たないものだが、怪談和尚で知られる三木大雲上人は病気の臭いが分かるそうだ。

ということを都市ボーイズのお2人が教えてくれました。詳しくは↓の動画をご覧ください。


これにて一件落着……というのも寂しいので、私の周りのスーパースメラーエピソードも併せてどうぞ。


怪談仲間の某M氏。
彼のアルバイト先には大変可愛らしい女の子がいた。彼女はモテてモテて仕方がない。男性は皆彼女と同じ日にシフトを入れたがるし、率先して彼女を手伝いたがる。
昼休みなんかは彼女の隣の席の争奪戦である。椅子取りゲームさながら、皆が彼女の隣に座りたがった。

M氏以外は。

ある時、そんな男性陣にうんざりしたのか、彼女自ら遠いところに座るM氏の元へお弁当片手にやってきた。
「隣、いいですか?」と。

男性なら舞い上がるだろうこのシチュエーション、ところがM氏は断った。理由は『臭いから』。
M氏は彼女の臭いに耐えられなかったのだ。だからいつも彼女から離れていた。むせ返るようなどぎつい花の臭いだったと言っていた。花といっても香水によくあるフローラルの香り、なんてものではなく濃厚すぎるユリとでも言えば分かるだろうか。鼻につく臭い。

「何で他の奴は平気なんだろう。あんなに臭いのに」

……それは、あなたがスーパースメラーだから。 

――完――


私なりの解釈だが、こういった類のスーパースメラーは一種の霊感だと思う。思い当たることといえば、友人とドライブがてら心霊スポットへ行ってから、車の助手席のあたりがひどく臭くなったということがある。甘ったるいバナナが腐ったような臭いだった。車に誰か乗せる度に「臭くない?」と聞いたが、皆においには気づいていないようだった。

助手席の臭いは数ヵ月くらいしてふっと消えた。当時はよく分からなかったが、きっとあれは何かよくない霊だったんだと思う。霊の姿が視える人もいれば、そのにおいだけが分かる人もいるのだろう。

じゃあどうして不倫女だけが臭かったのかというと、きっと彼らの背負った業みたいなものの臭いだったんじゃないかと思う。うしろめたい気持ちや、相手の配偶者からの怨念といったものではないだろうか。

だからこれからは「霊感?ないですよ~」ではなく、「霊感?視えないけど嗅げますね」と言うべきなのだ。あなたも私も能力者なのだから。今後はスーパースメラー紫蘇と名乗っていく所存。

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