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空気階段の踊り場「じゃない人川柳」を振り返る

毎週楽しみにしているラジオ「空気階段の踊り場」の最新回(8/22)は「サラリーマンじゃない人川柳」メイン回だった。アフタートークをひっくるめて最高傑作回だったので、あらゆる人にぜひ聴いてほしい。

そもそも本家のサラリーマン川柳では、働き人の想いを時流に絡めて五・七・五で表すのに対し、通称・じゃない人川柳はサラリーマンではない人(その日暮らしに近い人)が詠む、もしくは詠みそうな作品が取り上げられる。

この「じゃない人川柳」が、私は好きだ。
サラリーマン川柳とは別ベクトルでの、なんともいえない味わい深さ、悲哀を感じさせない底抜けの明るさが「じゃない人川柳」にはある。

8/22の放送回で「じゃない人川柳」は3回目を迎え、1200もの作品が寄せられたというから驚きだ。ここでは最新回をより楽しむために「じゃない人川柳」の名作たちを勝手に振り返りたい。

#90 【本編】クズ新年会2019(一次会)

2019/1/4の #90が記念すべき 「第1回・じゃない人川柳」放送回だった。
「じゃない人川柳」では詠み手として、もぐらさんと強力なタッグを組む岡野陽一さんの存在が欠かせない。

じゃない人の気持ちを的確に表現している句は褒めちぎり、反対に「これ、サラリーマンが詠んでるだろ?」と疑いがある句はバサバサと切り捨てる。このハッキリとした講評が聞いていて、とても気持ちがいい。

少し時を巻き戻し、2019年の年始に詠まれた秀逸な「じゃない人川柳」をいくつかご紹介したい。

「カメラより 水道だけは 止めないで」
RN 匿名希望さんの作品

「炊き出しを もぐもぐタイムと 呼んでます」

RN 匿名希望さんの作品

「当たり出た? 隣の台を ひょっこりはん」

RN 論より証拠の大ライスさんの作品

(※RNの表記、誤りがありましたら申し訳ありません。)

この3つの句を見るだけでも、2018年の流行やできごとが思い出せる。と同時に「じゃない人」の生活情景も目に浮かぶ。

放送内で「<カメラより 水道だけは 止めないで>って詠んでいるけど、詠んでいるこの人自体は『カメラを止めるな!』の映画をきっと見てないよね。」っていう話で盛り上がっていたのが印象的だった。

そして、ここからは岡野さん・もぐらさんのメスが入る審議作品のご紹介。

「イチパチは ヨンパチよりも あげみざわ」
RN 論より証拠の大ライスさんの作品

一円パチンコはテンションが上がらない、普通は逆であると強く主張する岡野さん。「こいつは、サラリーマンだ!サラリーマンが混ざり込んでる!!!」といったサラリーマン投稿者に対する断罪名言もここから生まれた。

「競馬後に カモンベイビー アコムさん」
RN みどりペンギン丼さんの作品

この川柳を受け「アコムさんに行くのは、競馬前だから!」と述べる、もぐらさん。一般人が「じゃない人」になりすまして川柳を詠んでも岡野&もぐらコンビにかかれば、すぐさま見破られてしまうのだ。

#90 【アフタートーク】クズ新年会2019(二次会)

アフタートークで、さらに「じゃない人川柳」は加速する。
「まるで脳が動いておらず、口だけが動いて出来上がったような句」と爆笑と共に評された川柳たちを見ていきたい。

「金欲しい そだねーそだねー マジそだねー」
RN 東北自動車道さんの作品

「なんだてめー! なんだてめー!とは なんだてめー!」
RN 性犯罪者予備軍さんの作品

個人的に世相も流行も取り入れていないけど、「なんだてめー!」の句が好きだ。この句を聞いただけで、歯がなくてワンカップのニオイがプンプンするおじさん2人のやり取りが想像できてしまう。
場所はどこだろう…赤羽あたりだろうか。

#141 【本編】大踊り場内の「じゃない人川柳」

かたまりさんのプロポーズが行われた番組イベント「空気階段の大踊り場」の中でも「じゃない人川柳」は取り上げられていた。第2回も良作がズラリ。
放送の中から、好きな作品をピックアップさせて頂いた。

「サニブラウン オレの歯の色 ややブラウン」
RN はる さんの作品

「こんばんは 僕はお金が ないみょんです」
RN ライヘンバッハの竜さんの作品

「米津くん ちゃんとご飯 食べてるかい?」
RN バスターエンドランさんの作品

※RNの表記、誤りがありましたら申し訳ありません。

「17文字しかないのに、こんばんはで始めているのが…!」と、かたまりさんも笑いながら評していた、ないみょん川柳に私も一票投じれるもんなら投じたい。
そして細い体を自在に操り踊る、米津さんを心配している作品もグッとくる。

この第2回でも第1回と同様、審議作品タイムがあり最終的には、高円寺伝説の男・エザキさんから繰り出された「六・四・四・四」という型破りな川柳が発表されて幕を閉じた。

とりあえず「エザキさんって誰?」って人は、#13を聞いて頂きたい。

#174 【本編】サラリーマンじゃない人川柳

ついにやってきました、最新回。
1200作品の中から選ばれた珠玉の川柳たちは、ぜひ岡野さん・もぐらさんの素敵な詠みと共に堪能して頂きたい。

コロナを意識した作品、あの芸人さんのフレーズが散りばめられた作品…。
本当に控えめに言っても最高の作品ばかりです。

#174 【アフタートーク】お金を貸してくれそうな有名人

アフタートークでも「じゃない人川柳」と岡野さんの勢いは止まらない。

中でも、この一句はもぐらさんが言っていたように「過去、どこかで聞いたことがある言葉」だったので、不意に笑みがこぼれてしまった。

「あんなもの 氷削った だけだろう!」
RN ウニ丼はおやつさんの作品

主語を言わずに「あんなもの」で、かき氷を表現しきってしまうあたり素晴らしいなと思った。

そして私の中で、ひとつの仮説が生まれる。
「じゃない人川柳」の真理に近づけば近づくほど、流行や時流を表すワードを使用しなくなるのでは…?と。

今後の「じゃない人川柳」の作品では、こうした点もしっかり注目していきたい。

この他に#174のアフタートークでは岡野さんによる、じゃない人川柳の講評、お金を貸してくれそうな有名人、子ども時代のお話と盛りだくさんだった。

中でも岡野さんの小学校時代の話は、教養バラエティ番組としての真骨頂トークで笑いすぎて涙出た。
深いっ!!!!

岡野さんも、空気階段のお二人も最高すぎますよ。
来週の放送も楽しみ。

ってな感じで、今回はこのへんで。
ニンニン、ドロン!

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