証券アナリスト科目Ⅱ -財務分析-
1. はじめに
どうもしし丸です!
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証券アナリスト試験の内容は一見難しいですが、理屈を押さえてしっかり納得しながら進めていけば、必ず合格できます!
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そんなあなたの合格への道、しし丸が少しでもサポートできたら嬉しいです♪
内容
1. はじめに... 1
2. 総論... 4
① 企業会計と会計制度... 4
② 貸借対照表・損益計算書... 9
③ キャッシュフロー計算書... 11
3. 資産会計... 14
④ 債権の評価... 14
⑤ 有価証券(1)... 15
⑥ 有価証券(2)... 20
⑦ ヘッジ会計... 23
⑧ 棚卸資産... 25
⑨ 固定資産と減価償却... 28
⑩ リース会計... 32
⑪ 減損会計... 34
⑫ 繰延資産... 38
⑬ 経過勘定... 40
4. 負債会計... 43
⑭ 引当金... 43
⑮ 退職給付会計... 45
⑯ 社債の評価... 49
5. 純資産会計... 52
⑰ 株主資本... 52
⑱ 新株予約権... 54
⑲ 包括利益... 57
6. 損益会計... 59
⑳ 費用と収益... 59
21 税効果会計... 62
22 削除... 69
23 合併... 69
7. さいごに... 72
2. 総論
① 企業会計と会計制度
今回は、企業会計と会計制度について解説していきます。財務分析は企業の資金の状態を分析するものであり、その資金の状態は会計というルールに従って表されます。本書の第一回目では、まず会計とは何か、そしてこのルールの基盤となる会計制度について学びます。基盤をしっかり固めて、これからの勉強に良いスタートを切りましょう。それでは始めましょう。
## 企業会計とは
会計の話に入る前に、そもそも企業が何をしているのかを考えてみましょう。企業には様々な種類がありますが、どの企業も共通して行っている活動があります。それは、資金を集め、活動を通じて付加価値を生み出し、利益を上げ、税金を納めるということです。企業会計とは、こうした企業の事業活動を定量的に表したものです。
### 企業会計の目的
企業会計の目的は大きく分けて三つあります。
1. 財務会計
企業の経営状態を外部の利害関係者(投資家や金融機関、取引先など)に対して詳らかに開示することです。経営状態は財務諸表という形で作成され、開示されます。この目的のための企業会計を「財務会計」といいます。
2. 管理会計
活動を定量的に表すことで、企業の経営状況の把握や今後の経営方針の決定に役立てることです。この目的のための企業会計を「管理会計」といいます。
3. 税務会計
税金の計算根拠となる課税所得(利益と類似しますが若干異なります)を計算することです。企業は税金を納めなければならず、適切な税金を計算するための企業会計を「税務会計」といいます。
証券アナリスト試験の財務分析では、1つ目の財務会計を基礎とした学習が必要とされます。試験では以下のことが問われます:
- 会計の制度を理解できているか
- 財務諸表・各計算書の意味を理解しているか
- 資産・負債・純資産・損益などを評価できるか
- 与えられた情報を元に財務分析を行い計算できるか
一見難しそうに思えるかもしれませんが、会計や財務分析は一貫したロジックを押さえれば、どのような角度からの問題にも対応できますので、着実に学んでいきましょう。
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