「ロロの旅」のあとしまつ(公演振り返り雑記)その1 出会いと発足

はじめまして、大比賀(おおひが)しりょうと申します。
私が主宰を務める演劇ユニットRecord'Sの発足公演「ロロの旅」が、先日無事に幕を閉じました。
上演台本公開のためにnoteを立ち上げましたが、アンケートで頂いた疑問にお答えする為、また今後の活動の為にnoteの投稿をさせて頂きます。
よろしくお願い致します。

Record'Sについて

地元金沢で演劇活動に携わるために立ち上げた演劇ユニットになります。
演技・舞台という点に関わらず自由にエンタテイメントを体現していきたいと言う意味も込めて、敢えて音楽用語である"レコード"を用いました。

金沢という雪国を拠点とすること、劇空間を通じての"体験"に重きを置くことからNorth Record Experience(ノース・レコーズ・エクスペリエンス 略称NRE )と名付けるつもりだったのですが、紆余曲折もなくシンプルにRecord'Sとなりました。
基本は大比賀の個人ユニットと考えているのですが、今後他の劇団の方とコラボレーションする際に
"○○○(コラボ先の名前) × Record'S"
といった風に接尾語を気取ることもできるという点で気に入っています。

「ロロの旅」が立ち上がるまで

2020年秋に金沢へ戻ってきて以来大きな企画ではなくとも演劇に携わる機会がないかと、伺っていました。
2021年秋、様々な公演を観るようになりましたが自分の作品の異質さ・特異さを改めて知り。そして考えました。「もしかして通用するのではなかろうか」と。
2022年秋、金沢ナイトミュージアムでsub-documentさんが企画する「Re:ving record」を鑑賞しました

金沢市中心市街地に現存する昭和初期に建てられた洋館を舞台に行う、演劇的ライブインスタレーション。歴史ある洋館を1階・2階に跨いで配置してある様々なツールを通じて、生活の様子・営みの間隙を想起させる唯一無二の内容で、可能性の大きさに心が震え自然と涙を流していたことを今でも覚えています。
(意識していたわけではないですがRecord'Sのユニット名も、知らず知らずのうちにこちらの企画の影響を受けて名付けた部分もあるかもしれません。)
そして企画を振り返り考えました。もし、自分なら、あの洋館という空間を如何に使うか。
そして思いついたのが「眠れない少女のために、客席全体を揺らしておばけを退治する」話です。

越智さん・Theater I-Oさんとの出会い

ちょうどその折別口で企画していた自作台本の本読み会に、とある若手演劇団体の皆さんがこぞって参加してくれる機会がありました。
それがTheater I-Oさんです。

2021年末に二十歳前後の若者5人で結成され、5月末に旗揚げ公演を、11月には第2回公演というハイペースで創作を続ける若者5人。
団体外活動も多忙を極める中自分の本読み会にも参加して頂きましたが、その貪欲さにただただ刺激を受けました。
何度かのコンタクトを重ね、5人のメンバーの中でも比較的関わる機会が多かった越智さんから春先にスケジュールが開いていること、何か面白い事にチャレンジしてみたいという話を受け、前項で挙げた少女の話を形作る決意をしました。
2022年、11月末のことです。 

「ロロの歌」

sub-documentさんを観て得た刺激と、越智さんの存在を研ぎ澄ませていきます。

・眠れない少女のために、客席全体を揺らしておばけを退治するストーリーライン
・「呪い」を「祝福」に換える短編演劇
・モデルとしての活動も行う越智さんの、ポートレート替わりともなる公演

この3つのコンセプトを軸として制作が始まりました。仮タイトルは「ロロの歌」
タイトルは替わり、40分予定の作品が75分になり、ホーム・アローン的に夜を明かす話が旅物語へと変貌しましたが、コンセプトとしては代わり無いです。


−−−−−−−−振り返りその2に続きます


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