漢詩の本、YouTube

少し前になりますが、漢詩に興味を持つようになりました。そのきっかけとなったのは、沢野ひとしさんの『北京食堂の夕暮れ』で紹介されていた、唐の詩人の張継の「楓橋夜泊」です。高校生だった沢野さんとこの漢詩との不思議な出会いが本のプロローグとなっていますが、10ページほどの短い文章の中に情景や時代の雰囲気が詰まっており、今でも繰り返し読んでいます。 今回は、漢詩だけ抜粋したいと思います。

楓橋夜泊     張継

月落烏啼霜満天

江楓漁火対愁眠

姑蘇城外寒山寺

夜半鐘声到客船

※「啼」は「鳴」の意味となります。

平凡社さんの『漢詩を読む』シリーズは対話形式で書かれていて読みやすく、初心者でも入ることができました。価格もそこまで高くないのが有難かったです。「楓橋夜泊」は第3巻で紹介されています。

また、漢詩は見て読むだけでなく、声に出しても読みますが、「楓橋夜泊」が書かれた中国の唐の時代は、今から1000年以上も前で、当時の発音は現代の中国語の発音とも色々違っていたようです。

そういった研究をされた大島正二さんという学者の方がおられ、ご著書の付録として、「楓橋夜泊」などいくつかの漢詩の現代発音バージョンと唐の時代の発音(推定)バージョンの動画がYouTubeで公開されており、言葉の変遷が面白かったり、唐の時代の発音の中に今の日本語の発音に近いものがあったりして、面白いなと思いました。