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ある日のオフィスで

電気もつけず 窓際の隔離された場所について
仕事を始める。
16時までは 全然暗さを感じることもなかったのだが
どんどん暗くなってきていた
曇っていることもあるのだろ
たまに顔を上げると飛行機が飛んでいるのが見える
伊丹空港に向かう飛行機だ
風も強いのだろうベランダ部分に植っている木が
大きく揺れている。

ゾーンに入るとよくいうが そうなれば 集中力が高くなるらしい
私は集中力がある方ではない
だからこそ 隔離されたこのスペースにいても
飛行機や目の前の木の様子は気になるのである
しかし こんなふうに周りが見えている環境の方が
仕事では良かったりする

今日は わたしとかかわるひとは 誰もいないけれど・・・。

そう思っていたら 違う部門の人から声がかかった
「ピボットテーブル 得意?」
いや得意ではないが わかるかもしれないからと
教えにいく
。。。。わからん。
ちょっとだけ時間くださいと 席を外し すぐ検索して
対応方法を なんとなく確認する
なんとなくなので 実際やってみた時少し違っていた。
だったらこっちかなと 今違ったものと にた項目を
触ってみた。
できましたね。
やり方を説明して 席に戻った

席に座る前に気がついた あ・・・あれは命の塔だ
花博の時に建てられた塔の頭が見えていた      
花博の時のエピソードを思い出す。
迷子の少年を救ったこと やしのみジュースを飲んだいこと
そういえば 命の塔には登ったことはなかったな
何があったのだろう 窓に向かって蝉が飛んきて
窓に何度もぶつかった。
花博の少し前から 昆虫がいなくなったという話を
聞いたことを思い出した。
会場の工事が始まって ぴたりと昆虫を見なくなったんだと 社会人になったばかりの頃聞いて
環境の変化が及ぼす生態系について少し考える機会になった
生態系を壊した存在である 命の塔。。。
今を生きている蝉 私は涼しい屋内で両方を見ている。
何か この世界に取り残されたような気分になる

全てが アンバランスで 繋がっていないような感覚。
どんどん夜に近づく外の景色
風はまだ止んでいない。
室内の冷たい空気と 目の前の強い風が 夏であることを否定するように思えた。

帰ろう・・・。
電気もつけずこもっていた私を見つけ
あれ?どこにいたの?と声をかけられる。一つだけ
ブラインドが開けられた 席を指差し
多分明日もあそこにいると思いますと 答えて
私は 帰途に着いた。

翌日 同じ席に同じように座ったが
見える景色も 明るさも 違った
ずーっと誰か近くの席で仕事している音が聞こえる
あの日以来 あのアンバランスさを感じる日はやってきていない・・・。

あれはなんだったのだろう


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