我々に必要なものはボーボボかもしれない
朝井リョウの「正欲」を読んだ。
性欲という、生きていくうえで切っては切り離せない欲求とその歪さを実感した。
3月から実写映画版がNetflixで配信されるらしいのでそちらも楽しみである。
また、ヨルゴス・ランティモス監督の最新作で、エマ・ストーンが主演を務める映画「哀れなるものたち」を視聴した。
美術や衣装など独特な世界観を構築しつつ、フェミニズム的なメッセージや、様々なメタファーが散りばめられており、非常に考え深い映画だった。
この2つの作品は、私に大きな爪痕を残していった。
なぜなら、物語としてのクオリティーも高いことに加えて強いメッセージ性を秘めているからである。
そのせいもあって、今週はあれこれ考えてしまう非常に悶々とした日々を送っていた。
そんな中、1つのニュースが私の目の前に飛び込んできた。
疲れた脳みそに能天気な"ボーボボ"とアホ面の"ドンパッチ"が良く染みる。
このアニメは、家族が一番ホッと一息入れることができる団らんの時間である土曜日の19時半に放映されていたのだ。
そこそこ視聴率がよかったらしい「釣りバカ日誌」のアニメ枠に入り込んできたモンスターだ。
当時、ボーボボの前の19時には、クレヨンしんちゃんが放送されていた。
"子供に見せたくない番組"で上位を突っ走る2つのアニメをゴールデンタイムに放送していたテレビ朝日はハジケリストなのかもしれない。
そしてそんなアニメを夕食時に見せてくれた家族には感謝しかない。
そういえばボーボボのコミックを持っている人ってどのくらいいるのだろうか。
毎週ジャンプで楽しく読んでいたものの改めて読み返したことは殆どない。
しかし、いまだに、いい香りを感じたときは「ぷっぷーぷっぷー 良い匂い! 良い匂い!」と言ってしまう。
なにか欲しいときには、「ヨコセヨ渋谷区大型デパートヨコセヨー」と言ってしまう。
それくらいには記憶にこべりついているのだ。
多くのコンテンツに溢れる中で疲れた心を癒すものは、ボーボボのような作品なのかもしれない。
多くの規制やコンプライアンスなどを気にしながら精神をすり減らす必要も無く、メッセージ性を読み解くために頭を悩ます必要もない。
今の世の中において、この亀社会に生まれた俺たち若者に必要なものは、下品かつ支離滅裂なだけで、誰かを傷つけるわけではないボーボボのような作品が必要なのかもしれない。
最近、シャーマンキングや封神演義など過去の名作ジャンプ作品が再アニメ化という流れが起きいるが、ここでボーボボが再アニメ化されれば
「うれしいでございまーーーーす」
「うれしいでございまーーーーす」
今度こそ おひらき
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