まずいのが好き

 おぜんざいを頼んだときについてくる、塩昆布が好きです。

 お店で頼むと、大抵、お盆にぜんざいのお椀と、小皿が乗ってて、黒くて四角い形だったり、細切れになってたりしてて、あれ舐めるとおいしいんですよね。

 ぜんざいだけだと味に飽きちゃうから、塩昆布を添えてくれる。そういう心遣いが嬉しい。

 あと、そういうお店だとお茶も湯のみに入ってて、あったかいお茶が出てくることが多い気がする。あったかいお茶を飲むと、落ち着く。あれは居心地が良くて、なんか好き。

 居心地の良いお店が好きです。メニュー表を閉じただけで、気を利かせて注文を取りに来てくれるお店が良い。

 何回呼んでも店員さんが来てくれないお店だと、私はなかなか声を掛けられないから、なるべく席に案内されたタイミングで注文するようにしています。

 初めて入ったお店でも、メニューの表に出ているやつを適当に頼んでいる。結果として、さして食べたくない看板メニューのラーメンとかを食べています。

 おいしいんだけど、これが食べたかったわけじゃないんだよな~。いや、私が悪いだけなんで、気にせず店員さんを呼べばいいだけなんですが。

 小心者の私にとっては、店員さんの気遣いがある「お店の居心地の良さ」が「お店のご飯のおいしさ」よりも、大事だ。

 だから、私が友人にオススメのお店を案内すると、めちゃめちゃ味は悪いけど、居心地はめちゃめちゃ良いお店とかに平気で案内してしまう。友人に「普通においしいものが食べたい」って言われたとき、本当に反省しましたね……。

 ただ、これは合理的な選択でもあるんですよ。私は、良いとこどりは出来ないと思っている。

 例えば、味よし、居心地よし、立地よし、値段も安いみたいなお店があったとして、絶対にそんな店、予約もなしに入れないじゃないですか。

 どれかひとつは諦めないといけないのなら、味かなって私は思っている。一番、大事じゃないのが、味じゃんって思うからだ。

 ただ、こういう価値観の人はあまりいないと思うので、人を案内するなら、ちゃんと味のおいしいお店へ連れていくべきだ。反省しています。すみません。

 具体的な店名を上げてしまうと営業妨害なので伏せておきますが、びっくりするくらい味がおいしくないけど、居心地は五つ星のお店が神戸にある。

 最近、インターネットをしていたら、そのお店の料理がおいしいと褒められていて、「私もそのお店好きです」と即レスしそうになって、踏みとどまった。その店の料理はまずいと思っている客、評価が高くても普通に嫌な客だ。

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