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【地方競馬研究】2024年スタートダッシュを決めた種牡馬編


地方競馬研究#1

本noteでは、地方競馬における現段階の新馬状況について概観を確認していきます。

中央競馬ではPOGなどを通して一般の方も新馬状況に馴染みがあると思いますが、地方競馬所属の馬は中央競馬に先んじて4月半ばから新馬戦が始まります。

この時期で既に2か月ほど経過しているわけですね。
そこで新馬の登録状況から出走の状況を血統の面から俯瞰していきたいと思います。

地方競馬における2歳馬の登録状況

競馬場ごとの2歳馬所属割合(2024) 筆者作成

まずは2歳馬の登録状況を確認しましょう。
6月8日現在で地方競馬に登録のある2歳馬はトータル1,171頭となります。

皆さまご存じの方も多いと思いますが、地方競馬における新馬戦の聖地は門別競馬です。
開始時期も4月半ばからのため「日本一早い新馬戦」と呼ばれます。

馬産地ニュースより

門別競馬場は全体の44.5%を占める497頭が所属しています。
なお日本で一番早い新馬戦の勝ち馬はゲクウで、スズカコーズウェイ産駒になります。

ちなみに門別競馬場の所属状況ですが、2歳馬が全体の41.8%を占めており、かなり若い競走馬構成となっております。

門別における馬齢割合(2024) 筆者作成

ちなみに他の競馬は下記のような状況です。

ホッカイドウ競馬:497頭
岩手競馬:53頭
浦和競馬:63頭
大井競馬:117頭
川崎競馬:102頭
船橋競馬:74頭
金沢競馬:36頭
笠松競馬:28頭
名古屋競馬:49頭
兵庫競馬:54頭
高知競馬:34頭
佐賀競馬:64頭

南関東は補助金も充実しており、やはり2歳馬の登録状況が多いようです。

逆に地方競馬の馬主さんなどは勝利を目標とするのであれば、2歳馬の登録の少ない笠松競馬や金沢競馬あたりがねらい目なのかもしれません。

地方競馬所属2歳馬の種牡馬状況

中央競馬であればキズナやロードカナロア、エピファネイアなどが登録頭数の多い人気種牡馬になりますが、地方競馬にも一定の人気が存在します。

地方競馬所属2歳馬の種牡馬事情(2024) 筆者作成

2024年6月8日現在で最も登録の多い種牡馬は16年のフェブラリーステークス馬 モーニンとなっております。
頭数としては45頭。

モーニン産駒は昨年の2021年産駒がデビュー産駒です。
2021年産駒から雲取賞でアマンテビアンコに勝ったブルーサン
名古屋のスプリングCに勝ったスティールアクターなどがいます。

モーニン産駒の詳しい話は別に記事を書こうと思っておりますので、そちらに譲ることにします。

その他の種牡馬メンバーを確認すると
ベストウォーリア:38頭
ゴールドドリーム:37頭
アメリカンペイトリオット:32頭
ホッコータルマエ:32頭
コパノリッキー:30頭
となっています。

アメリカンペイトリオットなどはスプリングS勝ち馬のビーアストニッシドを出すなど、中央芝での活躍馬も出している比較的人気のある種牡馬になります。

また2021年時点の種付け料を確認しても後者3頭は150万円となっており、この時期に地方競馬に登録する種牡馬としては比較的高額な部類となります。

近年の地方競馬における賞金額の上昇や新設重賞などの取り組みが成果につながっていることを感じられますね。

2024年6月8日時点の地方競馬2歳馬リーディング

地方競馬2歳馬リーディング 筆者作成

登録頭数と勝利数は一定程度相関関係がありますが、地方競馬も例外ではありません。

2024年6月8日時点での種牡馬成績としては
1位:モーニン 7勝
2位:ホッコータルマエ:5勝
3位:コパノリッキー:3勝
となっています。

地方競馬連対数リーディング 筆者作成

連対数を確認してもランクに大きな変わりはありません。
1位:モーニン 10連対
2位:ホッコータルマエ 8連対
3位:コパノリッキー 7連対
となっています。

また面白いデータとしてディープブリランテ産駒が5回3着を獲得するブロンズコレクターと化しています。
ディープブリランテはダービー馬ですが、産駒からは芝ダートそれぞれに活躍馬を出しています。

出走回数と獲得賞金

地方競馬の共有馬主や一頭持ちをされている方は出走回数なども重要なファクターとなります。

ここでは出走回数と獲得賞金にもフォーカスを当てましょう。

出走回数と獲得賞金 筆者作成

出走回数を見てみると人気のある種牡馬は当然ながら登場するのですが、何頭か面白い種牡馬も登場してきています。

まずはシュヴァルグランですね。
モーニンの21出走につづく2位の14出走を誇っています。

またサンダースノーアジアエクスプレスストロングリターンなども出走回数の多い種牡馬、つまり早期から動ける産駒を生む種牡馬となっているようです。

ストロングリターンは種牡馬を引退したと聞いていますので、ちょっと残念ですね。

獲得賞金は人気の種牡馬が登場している様子です。
面白いところとしては今年が初年度産駒となるミスターメロディなども賞金を稼いでいるところでしょうか。

ミスターメロディは2021年度の種付け料が10万円だったらしく、174頭の繁殖牝馬を集めました。

ミスターメロディは19年の高松宮記念を勝った短距離馬ですが、JBCスプリントにも出走し、6着とそこまで悪い結果でもありませんでした。
Scat Duddyは米フロリダダービーの勝ち馬ですので、ダートにも一定の適性があるのかもしれません。

平均獲得賞金 筆者作成

平均の獲得賞金を見ていきましょう。

シンプルに獲得賞金総額を出走回数で割ってみました。
1位はニューイヤーズデイで175万円。2位はホッコータルマエの150万円となっています。

ニューイヤーズデイは昨年からデビューしており、代表産駒として兵庫チャンピオンシップ勝ち馬のエートラックスなどを出しており、ダートに強い適性を見せております。
地方競馬でも早い段階から賞金を多く稼いでいるようですね。

またこれまでランキングだとモーニンの後塵を拝していましたが、ホッコータルマエやコパノリッキーなども上位に入っており、人気通りの活躍を見せております。

逆に出走回数の多かったベストウォーリアやシュヴァルグランなどは登場してきておらず、出走回数は多いものの上位入着数の割合としては他の人気種牡馬に劣る結果となっています。

まとめ

まとめ

基本的には人気通りの種牡馬が想定通りの活躍をしているようです。
ただ出走回数による手当などを考慮すると、もしかするとシュヴァルグランなどマイナー種牡馬なども出資の選択肢になってくるかもしれません。


今後も引き続き興味を持った範囲で地方競馬事情をまとめていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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