美容外科業界の知っておきたい裏話

まず美容外科が適正価格や安い値段で施術を提供するためには、安定して患者さんが来てくれる事が大事。でもそれに広告費を莫大に使ってしまっては結局は施術の費用は下げられない。また人件費やその他の固定費を削ってもクオリティの高い施術や接客、感動体験は与えれれない。一番削る事ができるのが、医者の給料と広告費かな?って思います。

でも美容外科は訴訟のリスクも他の診療科より高く、医師損害賠償保険も使えない場合も多いので、リスクの観点からも通常診療科よりも高額な給料を求める医師が多く、それは致し方ない事だと思います。また症例数が多く、技術力も患者満足度も高い医師の給料が高いは当たり前かなと思います。

では削れるのは広告費。今は幸い広告費をかけなくても、無料SNSを最大限活用して集客ができる可能性がある時代。そんな事は美容外科医の多くはわかっているわけで、何年も前からインスタグラムを中心に、最近はTwitterやYouTubeなど、数多くのSNSに美容外科医が参入しています。もちろん私もですね。

さて、広告費を削減するためにSNSで集客しようとする美容外科医も増えてきました。そこで、現在の集客の方法は

①広告(ネット、CMなど)

②SNS

大別して考えましょう(本当の意味での口コミや紹介は本日の話では触れません)。

広告を打つときに、患者様の来客動機を刺激するには

A:低価格

B:記憶にクリニック名を残す

C:特化した分野がある、有名医師がいる

があります。

低価格の施術を打ち出して、莫大な広告費をかけて集客できたとして、本当に利益が出るのでしょうか?答えは、もちろんそのままではダメです。低価格の施術を見てきた患者様を、悪徳医師や悪徳カウンセラーが必死に高い施術の契約へと言葉巧みに(簡単に言えば嘘をついて)誘導します。例えば10人がただ同然の⑤でも10人に1人が100万の施術となれば、単価は10万となり広告費なんて簡単にペイできてしまいます。つまり、推しに弱い人、調べが浅い人をターゲットにした情報弱者ビジネスを展開するしかないのです。

Cに書いたように何かに特化した分野があったり、技術的にも業界的にも有名な医師がいれば、そもそも安くしなくても患者様は来ますので、無理なアップセルは必要ありません。

でもですね、そんな分野特化型クリニックや有名な医師なんて美容外科のクリニックや医師のホンの一握りですよ。僕にしてみれば美容外科医師や美容クリニックは1日にしては成りません。医師の上にも3年以上、少なくともまともな教育を受けながら10年以上はこの業界の第一線で症例をこなしたり、学会参加発表をしながら、功績を認めれたりしないと、そこまでの医師にはなれません。

なので新興美容クリニックが、集客して利益を上げるためには、医師の腕や口コミには頼る事ができないので、売り上げる仕組みが必要なのです。その仕組みは簡単に言うと、

低価格で大量に患者様を呼び

必死なアップセル攻撃で一部の患者様からぼったくる

という最低なビジネスモデルしかないのです。

これって知らないと騙される人もやっぱりいますよね?なので啓蒙活動して定期的にこう言った発信をして皆さんに知ってもらうしかないのです。過去に被害に遭われた方は救えなくても、未来の被害予備患者は救えます。できれば周りの美容整形を考えている人に教えてあげてくださいね。

アップセルが始まったら

『もう結構です』『一度持ち帰ります』

と言って帰るだけです。当日割引は現在は法的にもNGです。カウンセラーや医師が値段に必死になってきたら、こちらは冷静に帰りましょうね。


次はSNSによる集客の話。

僕なんておじさん世代は、何か調べようと思ったらGoogleやYahooで検索するんですが、最近の方はスマホでインスタやTwitterのハッシュタグ検索の方がファーストチョイスとなるわけで。特に美容整形は言ってしまえば映えが大事なのか、インスタグラムとの相性がいいようです。私も2016年夏からインスタグラムの運用を開始し、まもなく5年となります。インスタグラムからの指名の患者様も多く、2018年にはほぼ指名の患者様で一年中満員御礼の状態を達成しました。自分は正直言ってSNS運用の才能はないので、自分に課したルールは、正確な写真の症例写真をほとんど毎日投稿する事だけです。結果としては、2年間くらい毎日投稿した後には、十分な集客ができるようになりました。現在でも殆ど毎日症例写真の投稿を継続しております。これはもう趣味というか、しないと気持ち悪いので(^◇^;)なので、ある程度経験や技術のある医師がコツコツ症例を投稿していけばいずれ集客できるようになり、前述のような無理なアップセルをしなくても適正価格の提供のみでクリニックをまわせるようになります。

しかし僕はホント馬鹿正直であまり悪どい事思いつく商才がないので、びっくりしたのですが、SNSにまで悪徳な美容外科医の魔の手が伸びています。

具体的には症例写真の条件が全然違う、そもそも症例写真が編集されている、有効に事実誤認させるような手法の術前術後の比較写真の掲載が横行しているなど、私が思いもつかなかったような盛り写真的な手法が生まれております。プロがみればわかりますが、むしろ盛りや映えを意識してしまう若い方などは簡単に騙せてしまう症例写真もインスタの世界には山のようにあります。とにかく美容外科医や美容皮膚科医のモラルは一切ないような比較写真によって、上手に集客してしまっているのが現状です。

そしてそれらの医師の多くは前述の低価格で呼び込むクリニックに所属していることも多いのでダブルパンチです。もうなんて言うか、同業者として悲しくなります。本当に。きっと一人一人は悪い医者やカウンセラーではないのでしょうが、組織の中でどうしても売り上げが一番という思想に染まってしまい、抜け出せないんだろうなと同情します。でも、しっかり糾弾します。ただ摘発されないだけで立派な詐欺だと思います。

技術に関してに上手や下手、また各施術への考え方は違いがあっていいと思います。でも、患者様に適切な医療を提供すると言う医療の根源のモラルに考えの違いなんて必要ないです。少なくても患者様はそう言った悪徳医師やクリニックに搾取されるために美容外科を訪れているのでは絶対にない。

悪い奴らはその辺にゴロゴロいます。それが現在の美容外科の惨状です。

でも立派な医師やクリニックもそれ以上にあります。せめてこの文章を読んでくれた人やその知り合いの方が、美容外科選びで失敗しないでくれる事を切に願います。美容外科業界に属する一人の人間として、現在の業界の状況を変えていけない事への無力感しかありません。業界がもっといい方向に向く事を、切に願って今日はこんなところでnote終了。。。

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