化物語のシリーズディレクター・傷物語の監督、尾石達也さんてどんな人?

自筆したnaverまとめの記事を加筆修正したものです



2009年に記録的なヒット・ブームを起こした化物語。
放映から10年以上経っているのにいまだにファンは多い。
シャフトと言えば新房昭之ばかり話題になるが、化物語のシリーズディレクターを務めたのは尾石達也である。
実写画像を使用したりテロップを多用するなどの技法を使い始めたのも尾石さんだ。
今回は彼の経歴を紹介させて欲しい。

演出デビューしたのは2001年のサイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER。
それ以前は原画マンとして活躍していた。
あまり知られていないが、ガイナックスであのスーパーアニメーター吉成曜と同期であった。
シャフトで活躍し出したのは2004年から。
現在50歳。業界歴30年のベテランである。


http://www.youtube.com/watch?v=fKoDOwHzvWs

原画時代は様々な作品に参加していた。
全盛期のガイナックスにいたため目立って有名なわけではなかったが、充分な作画能力があった模様。
ガイナックスで原画マンとして活躍した後、フリーになり演出家へ移行。


http://www.nicovideo.jp/watch/sm17676230

シャフトでは、ぱにぽにあたりからその個性を強く出してくる。
本編は知らなくてもこのOPを知っている人は多いのではないだろうか。
CMやPVのようなカットの割り方、タイミングの取り方、平面構成、思い切った色使いでアニメファンの中で話題になった。


http://www.nicovideo.jp/watch/sm9818261

その後、他にもシャフト作品でたくさんのOPを作成する。
尾石さんと言えばOPという人も多いのではないだろうか。
奇抜なデザイン・不思議な世界観・痛快なアクションで作られた数々のOPは、いまだに人気が高い。

尾石演出は特徴的で人気も上々であったが、担当する話数がスケジュール的な問題でいつもギリギリになることが多く、数々のハプニングを起こしている。
(このスケジュールを守れない性質は傷物語の延期にも見受けられるが、その他のシリーズでも間に合わずに無理矢理作ったような痕跡が見られるため、そもそもシャフトの制作体制が悪いのか詳しくはいまだ不明である)
ひだまりスケッチ一期(2007年)の富士山が一番有名な事例だと思うが、本人がその後もネタにしていたりする。
余談だが、このあたりからシャフトが失態をネタとして消化する芸を推してくるようになる。


https://www.youtube.com/watch?v=pW_iylJq4gk

そして2009年7月、シリーズディレクターを勤めた化物語が放映開始。
日常と思えない不思議な空間、目に残る強烈な色彩、今までにないテロップを使った演出、いきなり入ってくる実写画像、とにかくカット数が多くどんどん変わっていく画面・・・
すべてが実験的なようでしっくりと来る新しい表現によって化物語は記録的な大ヒットを記録した。
物語シリーズは2019年放映の続終物語まで制作され、ディスクの売り上げは常に好調である。


https://www.youtube.com/watch?v=vT0uCAwLnjA

化物語を最終回まで制作後、傷物語の制作に入る。
ニコファーレで発表されたこのpvは相変わらず鮮烈で話題になった。
このpvが作られた時点では傷物語は2012年公開とされていた。
しかし傷物語は2012年には公開されず、その後も情報が公開されないままであった。
他のシャフト作品に演出として尾石さんが参加することもなく、本当に作られているのか、それとも制作中止になって尾石さんはもうシャフトにいないのでは?と、ネットでは3年ほど様々な憶測が流れた。
ただ、傷物語が延期になったおかげで魔法少女まどか☆マギカの劇場版3本の制作にシャフトが集中出来て、結果的には悪くはなかったのではないか?という声もある。

そして2016年1月8日、万を期して傷物語が公開された。
化物語は作画になるべく頼らずリズミカルな画面で見せる作風だったが、傷物語は作画や背景にもリソースを使用し、ダイナミックかつ丁寧な画面を見せる映画であった。この映画について語ろうとすると長くなるので、まだご覧になっていない方は是非見て欲しい。


そして傷物語の制作終了後、ゲームのpvを1本作成したところでシャフトから離れていったようである。

その後の情報が入っていないので詳しいことはまだ不明だが、尾石さんのことなのでどこかでコンテを描き続けていることだろう。

ファンは待っているので、もっとたくさんのアニメを作ってこれからも楽しませて欲しい。