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【旬杯リレー小説】起PJさん→承友音さん→転riraさん、そして。


起ストーリー【B】/PJ 約100文字


承ストーリー「夢と目覚めは各駅停車」 友音さん


転ストーリー「星降るエクスプレスに乗って」 riraさん




結ストーリー 「白鳥がくれた羽根」 しろくまきりん

美夢郷に降りた菜々だったが、どうしてもあの白鳥が気になって夢見駅に戻ることにした。しかし、菜々が乗ってきた列車は最終列車でもどることができない。菜々は仕方なく線路を歩いでいくことにした。

そこは星空が信じられないほどきれいなところだった。

「夏の大三角形か。デネブ、アルタイル、ベガ。あの白鳥はデネブだったのかしら?」菜々はそんなことを考えながら夢見駅を目指してまっすぐ歩いた。

しばらく歩いていると向こうの線路から列車がくるのがみえる。

「あれ?回送かな?最終列車はさっきのだもんね?」

すれ違う列車を見送るため菜々は少し離れて立ち止まった。

列車がだんだん近づいてくる。

そして、列車が菜々の前に差し掛かると、「ポー」っと汽笛を鳴らしゆっくりと止まった。

「えっ?」

列車は1両だった。
暗かった車内に明かりがついて、「プシュー」っとドアが開いた。

菜々は誘われるようにその開いたドアに向かって歩き列車に乗った。


「プシュー」っとドアが閉まる音がして、列車は走り出した。

中には誰も乗っていないかと思われたが一番後ろの席に一人、真っ白いスーツを着た紳士が座っていた。
紳士は杖を突いている。

菜々はゆっくりと近づきそしてゆっくりと隣に座った。

「天の川に連れて行ってくる白鳥さんがいるみたいなんです。ご存じですか?」

紳士は何も言わなかった。

窓に自分とそしてその紳士が座っているのが見える。
外の世界はひしめき合うほどの星でいっぱいだ。

「あ!」

菜々はあの夢見駅でみた白鳥が見えた気がして立ち上がった。
そして窓から空を見上げた。

それは確かに白鳥だった。
美しい尾びれに星が連なり、それはまるで流れ星を作っているように見えた。


「白鳥の羽をお持ちください。それはまた幻想鉄道ドリームラインに乗るためのチケットになります。でもそれはあなたが使うのではありません。
そしてそれが使えるのは300年先のこと。あなたもまた、300年前に受け取ったチケットを使ってこの列車に乗っているのです。このあとこの列車はあの天の川を越えます。素敵な旅を。」


「えっ?」

振り返るとそこには誰もいなかった。

その代わり白くきれいな羽が一枚、あの紳士が座っていた場所に置いてあった。

菜々は座席に座りなおした。
幻想鉄道ドリームラインはゆっくりと天の川を渡った。


300年先、その輪廻で受け継ぐチケットを菜々は次に渡すため大切にカバンにしまった。




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