【観劇】フロアトポロジー「ツノノコ、ハネノコ、ウロコノコ」感想

いつも新作を楽しみにしている劇団「フロアトポロジー」さんの舞台を見てきました。

ので、感想をまとめてつらつらと。

【あらすじ】

今回のSF(少し不思議)は、人より成長が早く進んでしまう「フラクト症」という病。

これが発症した人は細胞の成長速度が異常に早まり、

心の成長速度がついていかず、見た目は大人、心は子供、

という歪さを抱えてしまいます。

この病が奇病として扱われ、政府により特例区に隔離されてしまいます。

その後、大虐殺が行われ、

そして、生き残った子供たちは復讐のために自爆テロを試みるが…。

この時の実行犯たち6人のうち、死ねなかった5人の物語。

【読み解き】

大体この劇団さんは、多くを語らないので思考、考察の余地を残すので、

今回の視聴アンサーから。


■藍と契

藍と契の関係性は二重人格というかイマジナリーフレンドというか、

その中間のような関係性、ですかね?

藍が本体で、そこに契が内在している、と。

途中のしりとりのシーンで、契が参加してないところ、

どうにも気になってたんだけども、結局藍と契だけが双方向というところと、

自爆テロに挑んだのが6人、という描写ながら、

死んだ一人と姉が入れ替わって5人→5人、という当たりに数字の辻褄が合わないあたりで。

あと、この関係性が次の内容に繋がってるかと。


■不老不死

最後に契だけ生き残るシーンがあり、

そして、契が実験の結果を読み上げた中に、

「不老不死の可能性を秘めた細胞が発見されたが普通の人は適合しなかった。その細胞の名はK細胞」(多分アルファベットだよね?)

ここで示唆されたのが、フラクト症とK細胞、というものが、

実は2つ一緒に持っていないといけない、という条件で、

そうする事で、人より早い細胞の成長・分裂と、

それを良い方向に抑制することで不老不死となる、

という感じかなぁ、と。


■最後のシーン

環境の音が大自然を想起させる音であることと、

本が劣化しているような感覚だったので、

きっと文明が滅ぶようなレベルで、数千とか数万年経った後の世界なんじゃないかな、と。


■目貫さんはなぜ子供たちの面倒を見たのか

子供たちを考えなしに撃ち殺す事に疲れた、

のはきっと本当なんだろうと思うものの、

復讐をした時の根源はきっと目貫さんなんだろうな、という印象。

フラクト症の子供たちは、「従う」という属性を与えられているから。

疲れて世界に復讐したくて、平和記念式典を掻き乱して、

何が平和だ!と叫びたかったんだろう。

その時の協力者として、子供たちは都合良すぎたんだろう。


■有紗は何をしていた?

藍/契を隠したかった、と予想。

罪滅ぼし、かどうかは怪しい、かな?


【物語の感想】

色々と、今のネットの空気感への嫌悪とか警鐘とか、

そういうものへの抵抗のようなものを感じた。

知らないものを"空気"で善悪を判定して、みんなが悪と言ってるからお前は悪で、

だからお前は殴られるべきだし、一生殴られなければならない。

そんな空気に流されるものが、特別な子たちを取り巻いて、

彼ら彼女らを不幸にしていく。

それを浮き彫りにしようとしたテーマを感じる。

そして、それを個人が空気に立ち向かうには、それ相応の労力が必要で、

それは死を以て行う必要がある程険しい事で。

この話の伝えたい事は、その是非というよりは、

考える事をしてみる、やめない、という事だと思うので、

考えようね、って事のために提示された話が、切なかった。


【雑多に感想】演者編

やっぱり角畑さん(目貫さんa.k.a.ヒゲ先生)の演技好きだなぁ、と思った。

なんか、妙な説得力があるんですよね。

ねっとり感と、飄々感が良い塩梅。

だからたまに凄んで来る時の圧が良い。


今回も未浜杏梨ちゃんの可愛さよなぁ。透明過ぎる。

だから最後のシーンが特に絵になる。凄い。


川添りなさん、女児度高くてビビった。

めちゃくちゃ器用に女児してて凄い。女児。


小島彩乃さん。オールアップのメイクさんが好き過ぎたんだけども、

今回、ゲストに名前あって凄い嬉しかった!

じんわり泣きながらシャッター切るシーン凄い好き。


あと、ホント、みんなね、顔が良い…。

さすがフロトポ…。


【雑多に感想】その他編

舞台を真ん中で割って両端をつなげるのホント好き。

祥子が有紗を訪ねるところ。これ、舞台でやられると好きになっちゃう。


式典中継の途中で車が突っ込む音が入るの、

アレ、めちゃくちゃゾワゾワした…。

驚きもそうなんだけども、不幸は突然やってくる、というのが、

完全に油断してるタイミングだから怖かった…。

内心、心的ストレス回避のために、黒塗りの高級車を思い出してたくらいに。


壁の絵の説明がエモかった。


火炎瓶作りがエモい。

オープニングの女の子の名前を呼び続けるシーンが、

火炎瓶の名前だと分かった瞬間、しんどい…ってなっちゃった…。


フラクト症の元になってる細胞の名前がフロアトポロジーなの、やっぱり好き。


I, you, my, sheあたりが名前から想起したんだけども、

KとかCo?とかは結びつかなくて、考え過ぎかな?

I, K, U, Cでもあるけども、やっぱり舞と紅は繋がらない感じもある。


場外の話なんだけども「脱いだ時の底が見えている」ってやっぱり名言だと思うの。

今治さんが魅力的である/なしの話は置いといて。

モテるモテないで言うとモテる方だとは思うんですけどね。

顔はめっちゃ可愛いですし、脱いだ時への期待感で恋愛ってしなくない?

と思うんすけどね。


なんか、最後が最悪な話題になっちゃったけど、

取り敢えずこの辺で。次回も楽しみに待ってます!

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