はじめての(オフライン)リアル脱出ゲームレポ

※本記事は某所のアドベントカレンダー企画への参加記事です。2022年12月5日時点の状況を元に作成しているため、既に終了した公演について述べている可能性がございます。何卒ご容赦ください。

今日、ついに閉じ込められに行く。自ら進んで、金を払って。
追い詰められた作家が缶詰にされるような状況ではあるが、昨今においてはそこまで特殊な事柄とは言えないのかもしれない。


そう、リアル脱出ゲームである。


この記事を読んでいる方々には説明不要かと思われるが、リアル脱出ゲームは株式会社SCRAPが主催する謎解きイベントである。用意された部屋や建物、大規模なものでは野球場や学校といった様々な場所から、提示された謎を解き「脱出」することを目的としたこのイベントは、現在多くの人々が参加している(例として、名探偵コナンとコラボしたリアル脱出ゲーム『追憶のハロウィンからの脱出』の参加者は累計8万人を突破している(2022年12月1日時点))。

謎解き初心者から謎ジャンキーまで幅広く参加できるため、友人を誘って気軽に参加することもいいだろう。




さて。
ここまでうだうだと偉そうに書いたが、タイトルの通り筆者はリアル脱出ゲーム初参加である。
厳密にはオンラインでは2回、「封鎖された人狼村からの脱出」(知り合いの人たちと3人で)と「ときどきルールが変わる研究室からの脱出」(謎解きが強い先輩と2人で)に参加したことはある。SCRAPが主催している「謎解き能力検定」も何回か参加した。しかし、オフラインで実際に閉じ込められた経験はない。
なぜ私はオフラインでリアル脱出ゲームに参加しなかったのか?その答えはここまでの文章に隠れている。





謎解き初心者から謎ジャンキーまで幅広く参加できるため、友人を誘って気軽に参加することもいいだろう。


友人を誘って気軽に参加することもいいだろう。


友人を誘って


Q.なぜこれまでオフラインのリアル脱出ゲームに参加しなかったのか?
A.気軽に誘える友人がいなかったため


リアル脱出ゲームにソロで参加することは言うまでもなく可能である。
しかし、大規模なリアル脱出ゲームは基本的に5~6人を1組としたグループで行動することが多い。果たして他の人々と円滑なコミュニケーションを取ることが可能であろうか?
グループを組まないタイプの公演にソロで参加したとしても、自分が詰まった場合に相談できる相手は当然いない。果たして無事脱出することは可能だろうか?
そういった思考がこれまでリアル脱出ゲームの参加から足を遠ざけていた。



しかし秋の謎検が終わった今、自分の中には謎解き欲が渦巻いている。やるなら今ではないか?今ならイベント割で2割引らしいし。ここで一歩を踏み出すべきではないか?


やってやろうじゃないか。オフラインのリアル脱出ゲームを。ソロで。


今回挑戦するのは新宿にある「TOKYO MYSTERY CIRCUS」で行われる公演「摩訶不思議な部屋からの脱出」である。理由としては10分で終わる手軽さ、参加人数1~2人というソロでも十分に挑戦できそうな雰囲気、あとdiscordでおすすめされていたから。


ということで12月2日、下見に来てみた。なぜだかわからないが金券ショップにできている行列に首をかしげながらスマホのマップを頼りに

「MYSTERY」という言葉が煌びやかに表現されている様を初めて見たかもしれない

わかりやす~い。


「ミステリー」と「サーカス」という言葉を同時に使う事って本当に町中で許されるんだろうかと思いながら入店すると、目の前にキャラクターのパネル(鬼滅の誰かだった気がする)。へ~カフェも併設されてるんだ~と右側を見ると、あることに気付く。


カップルが多い。googleで「リアル脱出ゲーム」と検索したらサジェストに「カップル」と出てくるぐらいには多い。

東京在住でない限りリアル脱出ゲームに参加権がないようなサジェスト


大丈夫。自分はソロで行ける。自分を奮い立たせながら、階段とエレベーターで2階、3階と上がる。「この壁にかかってるコナンの謎、手引き無しでも解けそうだな」「売店で美しいナゾトキ売ってんな~どうしよっかな~」「なんか言葉に出すのは憚られるモチーフのやつがところどころあるな」(追記)などと思いながら、下見を終了する。決戦は日曜日。




あれ、平日だとクーポンでクローク無料になるの?じゃ月曜日で。


決戦は月曜日。


ここまでの文章は参加当日(12月5日)の夜3時30分に書かれたものであり、以降の文章は現地で公演直前、あるいは公演後にスマートフォンで書かれたものである。もうコンディションがどうとか言い訳のできない時間帯になってきているが、おやすみなさい。

7時
まさか楽しみすぎて1時間しか寝れないとは思わなかった。遠足前の小学生でも今どきこんなテンプレ行動をやらないだろう。あるいはジョジョ7部の画像を思い出しながらかなり濃く作ったコーヒーが効きすぎたのか?いずれにせよ、13時の公演まで身体が保つことを祈るばかりである。

12時
マックで簡単な昼食を済ませた後東京ミステリーサーカスへ再び。

平日だとアプリのクーポンでクロークが無料&モバイルバッテリーが無料で貸し出されるので存分に使い倒す。ありがたいね。

準備は整った。公演の終了する20分後にまた。



20分後

脱出失敗しました。



マジか〜なんやかんやで自信あったんだけどな〜難易度優しめらしいしまあいけるだろと思ってたんだけどな〜!
今この文章はミステリーサーカス1階のカフェフロアで打ちひしがれながら書いています。かなりショックが大きい。
リアル脱出ゲームの性質上内容について公に語ることは万死に値するため極限までぼやかすと、序盤はスムーズに行けたのに中盤で詰まり、なんか訳わかんないところで止まって最後までたどり着かなかった状態です。現在書いていてかなりつらい。パンフレット見ながら「ここはこういうことだな」とか嘯いていたあの時の自分どこいったんだ?
脱出に失敗するとまず落胆、次に自分への怒り、最後に絶対にSCRAP許さねえという怨恨に変わることがわかりました。敗北を知りたくなかった。
あまりに悔しすぎてその足で別公演のチケットを買いそうになりました。今なっています。かなり中毒性があるなこれ。

結論:
リアル脱出ゲームは1人で行くと解けなかった時だいぶ凹む。
2人以上で行くと(多分)相手に責任を押し付けられるので友達と行こう。



読んでいただきありがとうございました。


追記

脱出失敗から3日経ち、いくばくか冷静になって敗因を振り返ってみることとしました。前述の通り、リアル脱出ゲームにおいて私は完全な素人であるためいくつかの不備・間違いなどが存在しうる点についてご容赦ください。

  • 法則性の一枚謎、手札のリアル脱出ゲーム

思い返せば、これまで私が主に行ってきた謎解きとは、いわゆる一枚謎(画像によって示された謎を解き明かすもの。ギミックとして五十音表や干支などが定番)が主体となっていました。
極めて個人的な考えとして、一枚謎においては「法則性の発見」が重要視されるように思われます。ひらがなや漢字の書き順、トランプのスートやフリック入力といった普段私たちが慣れ親しんでいる事柄を基に、例示や文意に沿う法則を見つけ出すことで一枚謎を解くことが多く行われます。
対してリアル脱出ゲームにおいては、公演にも左右されますが非常に多くの小道具や装置を使用することができます。大きなモニターや宝箱、場合によっては係員そのものを使った謎解きも行うことができるでしょう。
この場合において謎を解く時、先の一枚謎のような常識を利用しなくとも問題を出題することが可能となります。なぜなら、それらの常識の代わりに小道具を用いて謎を解くことが前提となるからです。
一枚謎とリアル脱出ゲームは謎を解くために必要とされるスキルが非常に、あるいは全く異なると言えるかと思われます。前者に必要なスキルは法則性を発見する力であり、後者に必要なスキルとは既に与えられた手札を組み合わせる力です。今回私が脱出に失敗した理由はそういった経験を重ねることができていなかったためであると考えられます。

以上で追記を終了したいと思います。長々とした文章を読んでいただき、誠にありがとうございました。






やっぱり悔しいよ〜


おまけ

少なくともデッサン中ではない高橋世田介(ブルーピリオド)
カイジのブレイブメンロードを思い出した扉


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