仕事迷子の自分にすごく刺さった本。仕事は人生のほんの一部。

森博嗣さんの『「やりがいのある仕事」という幻想』という本が面白くて3回読んだ。

いろいろなところで、「天職をみつけよう」とか「好きなことを仕事に」とか「仕事を楽しまないと」とか聞きすぎて、仕事は楽しくないといけないんだ…みたいな思考に私もハマっていたと思う。

本の中で、仕事が楽しいと言ってる人に限ってすぐ辞めるという記述があって、あー私もそうだったなと思い出した。

現に、過去2社で会社員を経験したけれど、仕事をやめる1,2年前までは、私も友達に「仕事が楽しい」と吹聴していた。

決して嘘をついていたわけではないけれど、仕事のごく一部の楽しいところを過大解釈して、「仕事が楽しい自分」を友人達に演出して、今その仕事を続けていることを納得したかったのかもしれないなと思った。

その後すぐやめてるんだから。実際そこまで楽しくなかったし合わなかったんだと思う。

あと、自分の向き不向きを吟味せずに、周りに自慢できる会社を無意識に選んでいたように思う。大学時代の友人の多くと同じように何も疑うことなく名のしれた大企業に入社した。

それが万人にとって合わないわけじゃないし、世間で言う普通を全部こなそうと思ったら、それなりの収入がないときついから大企業に入るという選択肢も全然あり。

でも私にとって幸せに豊かに暮らすのにそこまでお金が必要ないから、他の人と同じように働かなくても大丈夫だということが最近ようやくわかってきた。

自分の求める理想の生活から逆算して仕事や収入を選べばいいわけで、低燃費で動く車にたっぷりガソリンを注いで一生懸命エンジンふかす必要はない。

私は時間を気にせず自分の興味の赴くままに行動したいし、基本的にはのんびり余裕を持って暮らしたい。その上で余ったリソースで他人の役に立てれば私は満足。

森博嗣さんは達観しているというか、世間を斜め上から見ているような感じで、末端でうろちょろもがいている私にとって新鮮な視点をたくさん与えてくれた。いい感じに力が抜けて何度も読みたくなる本だった。


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