#しらたまの朗読台本2 月夜の黒猫散歩(睡眠導入・誘導用)

前回の朗読台本が思ったよりも好評でしたので、不定期に追加していくことにしました。

今回はフィーリングで書いていて、前回と同じく夜と猫の話になります。

改変・修正を前提に少しずつ手を入れていくつもりなので、誰かが読み上げる頃には少し文章がかわっているかもしれません。

月夜の黒猫散歩

月明かりの下を歩く
あたりに鳴り響くのは虫の声
夏のうだるような暑さは夜もかわらない
闇の中に紛れ込んだ黒猫は
毛皮の厚さを気にすることもなく
すまし顔で道を行く
人間は眠る時間だ
車はなく、日ごろ彼を追い駆けまわす小さな子どももいない
王のような風格で
しかし足音は立てず
目的地に向かう
そして、そこには先客がいた
真夜中の公園にいたのは色とりどりの猫
三毛、キジトラ、白
公園のあちこち、思い思いの場所に佇んでいる
目は合わせない
しかし、尻尾は立てて敵意がないことは示す
これは野良猫の集会だ
お互いのテリトリーを侵さないための
ちょっとした顔合わせだ
喧嘩をしないことを示せれば
他に何もいらないのだ
不要な争いを避けるため
余所者を見分けるために今日も猫は集会を開く
顔役のボスは少し高いベンチの上でふねをこいでいる
目を光らせる必要がないのは平和な証拠だ
黒猫は公園の入り口の鉄柵に
体を擦りつけて自分の匂いを残した
匂いが混じってわからなくなっても
気配を残せばそれで十分だった
自分が休む場所を探して…
尻尾を下げて来た道を引き返す
人の気配がした
挨拶をしたくても、彼は人が苦手だった
人通りの少ない路地を選び、闇に紛れる
ふと、視線を感じると
人間と目があった
なぜこんな時間に人がいるのだろうか?
黒猫が考えていると、人間が四角い箱に丸いガラスがついた何かを向けてきた
黒猫は逃げた
何か良くない予感がした
何がどう良くないかはわからない
それでも本能に従うのが
野良で生きるということだ
今度は王のような風格ではなく
そろりそろりと気配を消すように歩く
人間は追ってこなかった
ほっとして、空を見上げる
月は丸くて
足も届かないのに少しじゃれたくなった

なんとなく、にゃーと鳴いてみる

返ってきたのは、街頭の明かりで眠れないセミの声だった

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