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恥ずかし飯 1 謎炒め・重慶大厦風

メニュー名が確定している料理を作る日もあるけれど、まあいいか、となる日もある。途中まで名前のある料理だったのに、ある時点で材料が欠けてることに気が付き、もうどうでもよくなってなんとなくゴールすると、謎のうまいものができる、ということもある。自分だけのために作る料理はなかなかに恥ずかしい物が多くある。先日、そのとびきりのやつができた。

おされ料理ムックを読んでいて、クミンシードとマスタードシードをオリーブオイルで熱し、そこに野菜をいれて、最後にオイスターソースで味付けする、というそりゃもう異国情緒もあるイケてる一皿を見つけた。スパイスカレーを数回つくって飽きて放置されているスパイスが家にはあるので、クミンシードとマスタードシードなんざ余裕だったので早速作ろうと思った。

作っている途中に、オイスターソースがカスカスになっていることが判明したので、まあグルタミン酸を追加すりゃいいだろうとおもって、最後のオイスターソースは、白だしとオイスターソースが半々くらいになった。あと、チンできる白米が切れていたので、とりあえず油揚げをグリルで焼いて適当に切って、最後に放り込んだ。

できあがったのは、「謎炒め 重慶大厦風」である。ちなみに、重慶大厦は「チョンキンマンション」と読み、香港にある怪しさのオリンピックをしているような建物である。雑貨屋、両替屋、飲食店、オフィス、ゲストハウスが混在し、各国の人々がウロウロとしている。最近はアフリカ系も増えたとか。香港人の友人いわく、用が無いなら日本人は近づかないほうが身のためだし、泊まるなんてもっての外なので、見に行くか? といわれて、案内してもらって納得したことがある。そして、ああいう建物がこの世にあってよかったなと思った。

マンション内の大丈夫なあたり。

あのビルの何かには遠く及ばないのだが、まあとにかくアラブ、インド、中国強めの謎野菜炒めができて、案外おいしかった。