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全自動お茶汲みマシーンマミコと伝統(笑)

マミコの会社に新しく事務員が入った。新入社員のスミちゃんはマミコよりひとつ年下である。

マミコの会社には昭和の残り汁につけたボロ雑巾みたいなクソルーティンがあり、1番年下の事務員が毎日こなすことを義務付け……いや、『期待』されていた。マミコの次に入った後輩は震えながらクソルーティンを拒否したため、入社以来、マミコがその役割を押し付けられてきたのだが、ついにバトンを渡せる日が来たようだ。

スミちゃんが入社して1週間。マミコはクソルーティンの存在を伝えた。スミちゃんはげぇ、という顔をしたが、次の日1時間前に出社してマミコとクソルーティンをこなした。内容は茶葉やコーヒーの補充やゴミ捨て、簡単な掃除やお茶出しなどなので、難しいことは何もない。じゃあ明日からよろしくね、とマミコは当たり前みたいな笑顔をつくった。若い女子社員だけが毎朝1時間も無休の奉仕をさせられていることに一切の疑問を持たない様子で、あっさりと。お茶汲みマシーンはタスクに疑問を抱いたりしない。

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