僕にとって他人の手帖とはマリオにとってのキノコのそれだ



つくばエクスプレスに乗って、日記を預かってきました。2冊、この厚みと風合いを見てください。"How to things” と、興味深い題名がつけられています。中身も、すごい。つい我慢できず、帰りの電車の中で読みふけってしまいました。プロ・スノーボーダーとしての試合記録から、ファッションのコラージュ、生活、思索、マインドマップ、詩、手紙の草案と、多種多様。それにしても、こんなに価値を感じるものの所有者になって良いのだろうか。まだ早いのではないだろうか。金庫を買うべきか検討しなければいけない。一方で、好きな漫画の台詞にこんなものがある。

「パワーアップはできるうちにしておいたほうがいい」

他人の手帖の、エネルギーに満ちあふれていることよ! 当たり前と言えば足り前だ。その人間の半年だとか1年だとかの気持ちや思考が刻印、封入されているのだから。

それから、残念ながらいただけなかった日記帳に触れざるをえない。オリンピックを目指したプロのアスリートの、身体について徹底的に記録と考察がなされた日記の存在。おそらく市販されているほとんどの書籍より、一読の価値がある。ものすごい密度だった。実践そのものだからだ。人間の身体とは何か。身体をどう作り上げているのか。あらゆる角度から検討がなされていた。これほど身体について考えて実践している人がいるのだと。すべての人間に読んでほしい、触れてほしい日記だった。

手帖や日記にはまだまだ驚くべき、知られざる価値がある。共有の時代に、共有しないのは人類の損失だ。と、まで言ってしまえる。押し入れに閉まっておくものではない。

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日記の主はモリマサ公さん。詩人だ。インタビューも敢行してきた(実はこっちがメインだ)。その魅力の一端を僕からも伝えられたらいいなと思う。

https://note.mu/morimasakou/n/nba2c256d44d3

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