見出し画像

4月1日

春はあまり得意でない。
春という季節そのもの,別に天候や気温や日照時間が気に食わないのでなくて,実社会というか人間生活というか,120%そっちの方向で苦手。

それこそ一歩家の外に出た景色だけに関して言うと,春はとても好きで。
テレビ画面の雪だるまはいつの間にか消えていて,飛ばされそうな春風の中にも確かな空気のちがいと暖かみを感じる新しい一年のはじまり。そこで厚い上着をクローゼットに仕舞いだす。桜を見ても悪い気になる人は居ないだろうとも思う。

別にわざわざ文字にして意思を確認する必要性はないと思うのだけれど,これから先,毎春よくわからない不安感に苛まれるよりは良いだろうから,書き記しておこうと思う。

理由と言っても別に大仰なものでなくて,単純に新年度が始まるから。
人間の社会はあてもなく半永久的に続いている時間を暦どおりに四角く区切ってやっとで動くのだから,そのあまりにも大きすぎる枠組みというかシステムはかなり仕方がないことで,それに転嫁し始めたら…という気がしてくる。
4月は当たり前に年度の始まりであって,3月31日に終わって,4月イッピからまた始まる。
制度自体に文句をつけていたらキリがないので,いよいよ不安の原因は自分に向き始める。

自分が変化を嫌う人間であるというのはかなり自覚しているところであって,かなり保守的な思考に走りがちになるのはよくない所だなあと浮かんでくるのは確かで。
机の上を片付けるよりも,片付けたことによって何処に仕舞ったのかがわからなくなる方がこわい,だとかよくそういう考えをしてしまって,たぶん世間一般ではあまりいい顔をされなさそうな感じの側にいる。

特に4月に関して言うと,人間関係がかき乱されてしまうのが苦手で。
一年を通して築きあげた(勝手に築かれたものの上にただ乗りしているだけだと思うけれど),平日日中5日間,同じ部屋で同じ空気を吸いつ吐きつしている周囲の人間との流動の少ない関係。「顔を認識している人」で処理できる何も波風を立てなくてもいい関係。

ところが4月の慈悲のないところは,当たり前すぎるのだけれど,いきなり素性のわからない集団に放り込まれるところ。
自分だけでなくて他の人間も同じ状況だろうと言われればそれまでだけれども,いきなりバッググラウンドとまで行かなくとも中身の見えない人間に接することへの危機感というか,警戒心が頭の片隅に設置される。春の部外者臨時警戒本部。

だけれどもそんなことをして様子を窺っているうちに,「人間関係」はどんどん冷えて固まって「成型」されゆくもので,ガラス細工か,コンクリートか,はたまたチョコレートなのか,何に喩えられるのか考えてみるけれど,結局のところ鉄は熱いうちに,という話で,タイミング勝負なところもあって。
自分だって独りでやっていける訳は絶対にないから,その辺りを見極めながら関係を創ってゆく必要がある。
その厄介さがお悩みポイントだと思う。

そんなことを毎年毎年やってきている実績は確かにあるのだから(事実失敗した経験はほとんどない),そんなに心配する必要はないじゃないの,と語る頭の中の派閥も居るのだけれど,この心配さえも恒例行事というか,同じく毎年考えることではあるので,たぶん心の奥底では実はそんなに心配していないのだろうな。

この4月は自分に関して言うと,高校から大学へと所属先が変わって,身分としても学生とはいえいよいよ社会人に近づきだしたのもあって,今まで経験してきた「4月」ともまた違った,いくらかニュアンスの違う4月になるのだろうなという想像もしていて。

大きな変化の数日前(ちょうど今)というのは何時でもそわそわするもので,あまり建設的でない考えの網を頭に張り巡らせたりしてしまうのだけれど,始まってしまうと意外なその呆気なさに気を取られて,考えていたことさえ忘れてしまう時の方が多いのだと思う。

ここまで自分で文章に書き出してみたけれど,もやもやが簡明に文字になって見えて,結構楽になったかも,と思う。
悩みはノートに書き出そうというのは,note違いと言っても正解かもしれない。
深く考えすぎずに,今月からまた新しい場所で頑張ろうと思う。

HKT48 TeamH 5th Stage「RESET」公演の最初の曲であり表題曲の「RESET」を貼っておく。推しが去年の頭まで出ていた公演。
何回も聴いていたけれど,よく聴くと今にぴったりな歌詞だと思う。

トップ画は3月3日の諫早で見た花。
またこんな感じの文章だけの記事も出るかもしれないけれど,ただの感情の吐露に近い感じなので,読んでいる人は深く受け取る必要はなさそうです。

ではまた〜。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?