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Windows 95に人生狂わされた話

90年代。オレは小学生。
スーファミ、プレステ、アニメ、ボンボン、コロコロコミック。
当時の小学生としては一般的な娯楽で楽しんでいた。

小学校高学年になった頃、父親がパソコンを買ってきた。富士通製のWindows 95である。
パソコンといえば当時学校のコンピュータ室でWindows 3.1のものがあり、授業でお絵かきや”チリチリらんど”という地理のクイズが出題されるソフトを嗜んでいたぐらいだった。

父親にそのパソコンを借り使いだすと、これがまためちゃくちゃハマってしまった。まずプリインストールのゲームから面白い。特に”アリーナ”というシミュレーションRPG?が好きだった。お絵かきソフトは絵を描いた上に音声も入れられたので、自作のアニメを作ったりして友達に観せて楽しんだりした。
あと本体に付属だったか雑誌の付録だったか忘れたが、CD-ROMに入っていた多くの体験版ゲームソフトに虜になった。
”ジャングルパーク”、“大逆鱗”、”フィニッシュホールド2win”、“Big Red Racing”…あとはフリーソフトのゲームを手当たり次第楽しんだ。無料でここまでできるのかと。

そのうち外国製のPCゲーム、いわゆる”洋ゲー”に傾倒するようになった。今まで家庭用ゲームで体験したことのないダークな雰囲気が堪らなかった。
小6にして”Myth II”という英語の戦略シミュレーションゲームの体験版を分からないなりに雰囲気でプレイしていた。流血は当たり前、火炎瓶に当たると肉片が飛び散る…そんなゲームをしていてよく親は何も言わなかったなと思う。ただ「高いゲーム機やな」と嫌味は言われた。

インターネットの導入も我が家は一般的には早い方だったと思う。中学生になる頃にねだってWindows Meだか何だかのやつに買い替えてもらった。ダイアルアップ回線で”Diablo”というネットゲームをしていたため、時には電話代が数万円になり流石に親に叱られる事もあった…。回線がISDN、ADSLになる頃には”Ultima Online”という最初期のMMO RPGも時間を忘れプレイしていた。

2ちゃんねるにも入り浸るようになり、リアル中二病も相まって人とは違う趣味の自分に酔いしれるようになった。2ちゃんねるで知った洋ゲー、洋楽。大衆的なものはダサい。学校の人間とはあまり話は合わなくなった。
高校では部活も馴染めずすぐ辞め、家では2ちゃんねるかネットゲームか音楽。リアルの友人は少なくなった。
大学に入ってからもその生活は大して変わらなかった。ただゲームは流石に飽きてきて音楽の比重が大きくなった。機材を買ってDTMを始めたのもこの頃だ。

あの時のWindows 95がなければ、もっと明るい人生が送れていたのだろうか。
パソコンがなければきっと色々な音楽を聴く事もなかった。多分ギターも弾こうと思わなかった。録音もしなかった。音楽を通じて知り合った大事な人とも出会わなかった。今の仕事もこれまでのパソコンの知識があったからこそ就いた仕事だ。

あの時のWindows 95がなければ、違う何かに影響され違う人生を送っていただろうか。それはそれで明るくはないだろうから、考えるのは怖い。

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