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気づかないうちに死に近づいているという話

仕事帰りの電車から見える風景は、15年ほど前に大学に通っていた時とほとんど同じ、馴染みのある風景だ。
ほとんど同じだけど、少しだけ違う。よく思い返すと、駅は改装されて綺麗になったし、間に新しい駅もできたし、通るたびに匂っていた川の異臭もしなくなったし、同じ大学の男友達とふざけてあそこのホテルいこうぜ〜と笑ってたホテルは無くなった。

昔はどこがどういう感じだったとか、思い返すとまだ割と鮮明に思い出せるけど、それは当たり前だけど映像や写真が無い限り今のこども達には伝わらない訳で。

地元の風景は15年前からあんまり変わらない気がするし、自分の頭の中身も15年前からあんまり変わらない気がするけど、でも少しずつ確実に変わってきている。

この間おばあちゃんのお見舞いに行った。しばらく会ってなかった親戚もおばあちゃんもやっぱり記憶の中にあったイメージとはちょっと変わってて。近くにいると分からないけど、少し離れると変化はよく分かる。当たり前か。

大学生から社会人になった。
よく立ち読みしてた本屋さんが潰れた。
こどもがあの時の自分の年齢になった。
公園の滑り台が無くなった。
あの時の親の年齢に追いついた。
おばあちゃんが亡くなった。

33歳。少しずつ死に近づいている。

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