見出し画像

やっぱりシェアハウスは家族だった

私が管理人を務めるシェアハウス「ひま邸」
もうじき暮らしはじめて1年半が経ちます。
家族になって、ひとりぼっちの管理人になって、また家族になったよ。

◆入居の決め手は「ツバメの雛」

「みんなでワイワイ過ごせるような、賑やかな家に住みたいです」

オーナーの姫野さんにそんな希望を伝えて、紹介されたのは男5人が暮らすシェアハウスだった。
見学のとき、玄関先にはツバメの巣があって、ふわふわのヒナがいっぱい居て。
ヒナ達があんまり可愛いもんだから、「ここにします」と即決したんだっけな。
オーナーの姫野さんは、「入居の頃には、ヒナはもう居ないと思うよ!?」って何度も念押ししてくれてたけど、なんとなく楽しそうだったし、入居の決定打は「ヒナが可愛い」っていうだけで十分だった。

画像1

(姫野さんの言う通り、入居したときにはツバメはもう居なかった。けど、半年後また戻ってきて、ペットとしてめちゃくちゃ可愛がったよ。おむすび、こむすび、おこめーず、元気かなぁ)

◆愉快な家族ができたよ

入居したのは8月の平日、真っ昼間。誰も居なくて、シンとしてた。
「平日の日中に人が居ない」なんて当たり前なんだけど、ずっとフリーランスばかりのシェアハウスに住んでたから、ちょっとさみしかった。
でも夜にはみんな帰ってきて、テレビ見たりBBQしたり賑やかになるから、すぐに慣れた。

はじめは女の子として気を遣ってくれてたシェアメイトたちは、すぐに私を雑に扱うようになって、それがなんか心地よくて。
1週間も経つ頃には、もう家族みたいに、一緒に暮らすことがしっくり馴染んでた。

日本一周中の男の子を、勝手に居候させたり。

画像5

飲みすぎて、気づいたらリビングで雑魚寝してたり。

警察に連行されてめちゃくちゃショックを受けたり。
(悪いことしてないんだよ、誤解だったんだよ)

シェアメイトの恋愛に首突っ込んで、女子高生みたいにキャーキャー騒いだり。

画像6

めっちゃ嫌そう。でもこの距離感は完全に家族。

楽しい日も、落ち込みまくった日も、イベントの日も、普通の日も、毎日みんなで楽しんで。
あんまりにも楽しくて、「私が結婚するまで誰も退去しちゃだめ!!!」っていうのが口癖だった。
住民へのゼクハラがひどい。

◆お別れが嫌でメンヘラ化してたら、管理人になった

だけど冬が終わる頃、ひとりひとり、退去する日が決まっていった。
日本一周に旅立ったり、転勤や就職が決まったり……。
楽しかった家族は、気づいたらみんな居なくなった。

私はずっと見送られる側で、見送る側になるのは初めてで、誰かが居なくなる度にこの世の終わりみたいに泣いた。
こんなに寂しくて辛いなら私も出ていきたいって思った。

でもどこに行っても、どうせ寂しい。またお別れはやってくる。
ならここで新しい家族をつくろう。

春が来て、私はここの管理人になることになった。

◆ひとりぼっちの管理人、また家族ができた

「管理人」は、この家には今までなかった制度。
何したら良いのか、さっぱりわかんなかった。
とりあえず人呼んで鍋して、BBQして、お好み焼きして、たこ焼きして……

画像2

画像3

あれ?パーティーしかしてなくない??

寂しい寂しい言いながらも人呼び続けてたら、他のシェアハウスとの交流が増えて、ちょっとずつ楽しくなってきた。
別の家に住む家族とあそぶのは、親戚の集まりみたい。
自分の家だけでワイワイしてた頃には想像もつかなかったシェアハウスの楽しみ方だった。

ひとりになって、また一から家族になって、私のシェアハウスへの価値観は大きく変わった。
万人に好かれるシェアハウスじゃなくて良い。
ここで暮らしたいって思ってくれる住人、ここの良さを分かってくれる人を、受け入れられる場所であればそれで良い。
その人たちみんなで楽しめる場所でありたい。

私は、じぶんの「楽しい」だけじゃなくて、ちょっとずつみんなのことを考えるようになっていった。
新しく入居した人には、何を伝えたらトラブル起きないかな。
どうしたら日本語が喋れないシェアメイトも、楽しく過ごせる?
人は呼びたいけど、それをみんなの負担にはしたくないな。

私がどれだけあれこれ考えても、シェアハウスの暮らしは続いていく。
メンバーは増えたり減ったり、また増えたりしながら、ついに先日5人目を迎えて。
元シェアメイトも富山に帰ってきて、毎日のようにうちに入り浸るようになった。

ひとりぼっちになったときは、毎日この家で泣いてた
気分が落ちまくって、ろくに外にも出れないくらいに。
いまは以前と負けないくらい、楽しい家になりました。

今日もひま邸では、ミラーボール(通称:パリピライト)を点けて住人が踊り狂い、せっかく来てくれたお客さんをちょっとだけびびらせて、でも最後にはみんな仲良く騒いで、ひとり、またひとりと酔いつぶれていった。

あとロシア人の住人と、私の彼氏の幼馴染が、相撲とってた。

画像4

ああ、楽しい。
やっぱり最高だな。ずっとこの家でみんなと暮らしていきたい。

◆私も、ここを出る日がやってくる

けれど春が来たら、私はこの家を離れることになりました。
彼氏が能登に行くことになって、私も一緒についていくことにした。
すごくさみしい。

でもね、この1年半で、楽しいコミュニティーはじぶんで作れるんだと知った。
楽しい場所に飛び込めば、そりゃ楽しい。
でも、楽しくない場所でもじぶんが楽しもうとさえすれば、いずれ楽しくなる。
さみしいけど、私はきっと能登でも楽しくやれる。

そしてひま邸は、私が離れてもきっとまた楽しくなるんだと思う。
楽しい場所であってくれ!

ばいばいひま邸、また会う日まで。ありがとう。

(たぶん月1、いや月2くらいで帰ってくるよ。パーティーしよ!!)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?