「推しとLOVE2」

永遠との正式な契約が交わされて彼の2周年記念グッズのイラストを結衣が担当することになりどういう品物を販売するか打ち合わせが行われた。

永遠はYouTubeのチャンネル登録者数が7万人を超える。YouTube、X、ゲームInstagram等で配信をしている。イラストは3種類あり、アクリルキーホルダー、アクリルスタンド、マグカップ、ファイル、ミラー、ポーチ、コースター、Tシャツ、缶バッジ、ブロマイド3枚セットの10種類。
下絵は1週間程で描き上がり会議が行われた。
「髪の色は赤、ブロンド、茶髪だね?可愛いなぁ」
「缶バッジに限っては5種類描いてみたの」マネージャーの北条さんと永遠がどのグッズのデザインもお気に入りで全てOKとなった

「ゆいめちゃくちゃ可愛いありがとう」「ふふっ気に入ってもらえて嬉しいわ」

「これファンの人絶対気に入るよね」北条さんが目を輝かせて力説する。
「俺も全部買いたい」と永遠が言った。「ゆいちゃんのいろいろ見せてもらったけど、イラストホントに可愛いよね」「ありがとうございます。知り合いの方が雑貨屋さん開くんだけどそこで売る商品のデザインも頼まれてて昨日OKもらったの」「へーゆいって凄いんだね」「そこはね種類がかなりあるから大変だったの」「自分がデザインしたものが商品になって店頭に並ぶのってどんな感じ?」

「うーん自分の子供みたいね。買ってくださった方が喜んで使ってくれたら幸せ」「んーゆいって素敵だね、俺の目に狂いは無かったな」「トワはずっとゆいちゃんのこと言ってたからね。こう見えて一途だし」

「ありがとう嬉しい」

兄の和斗が結衣を見つめて
微笑んでいた。

「トワくんゆいをお願いします」「はい任せてください」「ありがとうお兄ちゃん」「お前の嬉しそうな顔見てると俺も嬉しいよ」

それからひと月程でグッズの見本が出来上がりファンに公開され予約の受付が始まる。そうして永遠の活動2周年記念は8月8日に

とあるホテルにてディナーショーを開催する。これに関しては兄がかなり尽力を尽くしてくれた。ショーのバックで演奏してくれるバンドは兄の友人達がやっているバンドでライブハウスでもやっているバンドだった。永遠のオリジナルの曲に新たに3曲が作られた。歌、生声劇、質問コーナー、握手会等、盛りだくさんの内容で 連日打ち合わせ、リハーサルが行われた。その合間にショーで着る衣装を選びに行くのに、これには結衣も加わった。今や結衣は永遠にとって無くてはならないスタッフの一人となっていた。そして七夕の日永遠の誕生日にはスタッフ、バンドメンバーみんなでお祝いをした。結衣からは永遠にロレックスの腕時計をプレゼントした。

「ゆい、こんな高いもの」

「いい男は一つくらいいいもの持たないとダメ、お兄ちゃんいくつもの会社をやってるし紹介してもらったの。お兄ちゃん人脈もあるし、欲しいものはどうとでもなる。それに結衣だって恋人にこんなプレゼント送れるくらい働いてるし、心配しないで。ねッ?」「ありがとうゆい嬉しいよ、大切にする」「ヤダ泣かないでよトワ」「だって嬉しいんだよ、俺ゆいが傍にいてくれるだけでも幸せなのにさ」「ふふっトワそれはゆいも同じだよ?ゆいは最高に素敵な推しと一緒にいられて、トワを支えられて嬉しいの。いつも優しさと愛情とぬくもりをくれてありがとう、これからもずっと傍にいるからね?トワにはゆいがいるから何かあったら話して欲しいし頼ってほしい。トワのためなら何でもするからね?約束して?」「うん約束する、ずっと俺の傍にいてくれよ?ゆい愛してる」「うん、愛してるわ」そこへ兄が加わる。

「トワ会社の方は大丈夫なのか?」「はい弟がやってくれてるし、みんなが協力してくれてやってるので大丈夫です。お兄さんに紹介してもらった結城さんがよくやってくれてます」

「そうか良かった、出来ることがあったら何でも言えよ?トワのバックアップはうちの会社でやるから運営に関しては心配ないよ。トワはやりたいこと頑張ればあとは俺がやるからね」「はいありがとうございます。よろしくお願いします」「任せろ!」

兄と永遠はすっかり仲良しになりLINEで連絡を取り合い情報交換をしているらしい。

そしてディナーショー当日結衣もちゃんとチケットを申し込んでファンの一人として参加した。

最前列で大好きな永遠を見られて幸せだった。

トークは楽しかったしゲームをしたり質問コーナー、生声劇では感極まり永遠が涙ぐむ場面も、見られた。歌は透き通った美声でファンのハートをガッチリ掴んだ。握手会と記念撮影もあり、盛りだくさんの内容で3時間ファンを夢中にさせた。会場では仲良しのファンの方もたくさんいて、みんなが結衣が永遠のイラストを描いてることを知っていて大絶賛された。

隣にいた兄も「永遠凄い」と言ったくらい大成功のディナーショーだった。

結衣は兄と控室に行き永遠と話した。

「素敵だったよ、永遠大好き」「ゆい泣いてたよね」
「だってかっこよかったし感動しちゃった。はいお花大成功おめでとう」「ありがとうゆい。この何ヶ月かハラハラしてたから終わって安心した、みんなのお陰です、ありがとうございました」「よかったね」
「ゆいがサムネとかイラストやってくれたしファンの人にも好評だったからね。ホントにありがとう。感謝してます」「お役に立てて良かった。」「これからも頑張るから協力してね?」

「はい、喜んで」

ファンを見送り片付けを手伝ってから和斗が予約してくれた料理屋で打ち上げが行われた。

2時間余りしてお開きとなりそれぞれ解散。

兄が結衣に声を掛ける。

「ゆいはどうする?」

「ん…トワ疲れてるよね」「ふふっゆいはどうしたいの?」「あの…一緒にいたい」「俺もだよ、おいで」「うんお兄ちゃんいい?」「いいよ。トワ明日はOFFだからゆい頼むな」

「はい、わかりました。お疲れ様でした」

それから二人はマネージャーの運転する車に乗り込みマンションに帰宅。

ドアを開けて玄関に入ると鍵を締めて永遠は結衣を抱きしめてKissを落とす。

「ゆい来てくれて、見ててくれてありがとう、嬉しかったし頑張れたよ」「トワ…素敵だったよ?かっこよかった。ゆいの王子様はホントに素敵、大好き」「ゆい…可愛すぎる。ねぇお風呂入ろう?それから仲良ししよう?ゆいを感じたい」「うん、お風呂一緒に入るの恥ずかしい」「いいじゃん?もうゆいの全部見てるじゃん?全部俺のもんだし」「うふっ、はい」

それから二人はお風呂に入り互いの身体を洗い合って出てからドライヤーをした

キッチンの冷蔵庫からミネラルウォーターを取ると結衣の手を引いて寝室へ行く。ベッドの上に座ってミネラルウォーター飲みながら話をした。

「ゆいが俺を見つけてくれてトークショーとかのイベント来てくれたり、見かけるようになって俺いつの間にかゆいを探してた。来てるかな?って、シチュボ収録するときはいつもゆいを思いながらしてる。ゆいがホントに好きなんだ。大切なの」「うん、ありがとう。ゆいもだよ?トワにはたくさんのファンの方いるし、悪いかなと思うときもあったの。でも好きが止まらない、トワが好きで会いたくて胸が苦しくなる。ぎゅーってしてほしいっていつも思う。お仕事してる時のトワはファンの方のものだけど、プライベートでこうしてる時はゆいだけのトワだよ?ゆいがトワの辛いことも苦しいことも、あったら全部壊してあげるからね?トワにはいつも笑ってて幸せでいて欲しい」

「ゆい…ありがとう、俺の可愛い天使。愛してるよ一生お前だけだからね」

「トワ…愛してる」

永遠は結衣を寝かせてバスローブを脱がせると身体を重ねてKissの雨を降らせる

「あんっ…トワ…んっ」

「もっと声出して?ゆいの甘い声聴かせて…」「はぁっ蕩けちゃう、そこダメ」

「ふふっ、気持ちいい?」

「んっ…トワ…」結衣の透き通るような白い肌に紅い花がいくつも咲いた。

永遠の愛撫に反応しながら

喘ぐ結衣を愛しげに抱き潰す永遠。結衣の中で溶け合いひとつになって溢れるほどの快感に包まれて二人は果てた。

意識が戻るとまた抱き合い

何度も愛し合って溶けあった。「こんな可愛い天使に出逢えて幸せだよ、ゆい」

結衣の寝顔を見ながら永遠は呟いた。

そして翌日目覚めたのは

結衣が先だった。

永遠の耳たぶを唇に挟んで舐めてみたり遊んでいた。

「んっ…くすぐったい」

永遠が目を覚ましてKissをする。「おはようゆい」

「おはようトワ」「耳舐めちゃだめだよ、感じちゃうから」「だってぇぷにぷにで可愛いんだもん」

「ふふっ、もう可愛い。ほらおいで」永遠に抱き寄せられて深いKissを何度も落とされる。「フー身体大丈夫?」「うん、ちょっと腰ダルいけど」「だよね?ごめんね、激しすぎたよね」

「平気だよ」「じゃもう少し後にしよ」「えっ元気だね」「ゆいの全部はむはむしたいの」「うふっ」

「ゆい相談したいことがあるんだけど」「なぁに?」

「ちょっと起きよう」

身体を起こしてベッドに座り永遠が結衣の手を握りしめて話し始めた。

「あのね、ここで一緒に暮らさない?」「一緒に?同棲するの?」「うん、一緒にいたいんだゆいと。どう?」「ゆいも一緒に暮らしたい。トワの傍にいたい」「ホントに?」「うん、いいの?傍にいても。トワを支えたい」そう言って涙を零す結衣。

「どうして泣くの?」

「だって嬉しいから。トワ大好き」永遠に抱きつく結衣を抱きしめる永遠。

「今はゆいも忙しいから少し先になるかもしれないけど俺と結婚してほしい。これから先もずっとゆいと歩いていきたい。結婚してくれますか?」

「はい、よろしくお願いします」「ありがとうゆい幸せにするからね」「はい嬉しいトワ、ありがとう」

こうして二人は将来の約束をして互いの家族公認の上で同棲を始めた。

活動2周年を迎えた永遠は声優としてシチュエーションボイスだけでなく、ボイスドラマにも参加したりYouTubeでのチャンネル登録者数も一気に増えた。

和斗の友人の雑誌社がイベントを取り上げてくれたことが人気に繋がった。

永遠の会社の方も忙しくなり弟と連携プレーでやっている。

結衣はそのイベントがきっかけで仕事が増えて嬉しい悲鳴を上げている。

二人の同棲生活は順調で

家事は仕事が早く終わった方がやったり一緒に料理をしたり甘い生活を送っている。忙しくなったことで

ウエディングベルを鳴らすのはもう少し先になりそうだが、正式に婚約をして

ファンにも公表して認めてもらえた。

ある雑誌の中で結衣はこう語った。

「日々忙しく生活する中で推しがいることで楽しみだったりストレス解消だったりします。好きな人がいてその人のために何かをしたい、自分にとって推しは生きていくための支えだし道標でもあります。推しとLOVE出来るなんて思ってもなかったけど、出会いはホントにわからないものです。大切な推しと共に素敵な毎日を過ごしてください。あなたが思ってる分推しもあなたを大切に思ってくれますよ。推し活頑張ってくださいね」

永遠と結衣のLOVEはEndlessLove…

終わり✨

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