「推しとLOVE」
✨1✨
けだるい朝…
シャンプーのいい香り
温かいお布団と人肌の
ぬくもりに包まれて
私は目覚めた。
部屋を見渡すと私の部屋じゃない。
何処?
記憶を辿ってみる…
横で眠っているのは誰?
お布団の中を覗いてみると
スッポンポンで、しかも
彼はしっかりと私のお山を
その手で掴んだまま
スヤスヤと眠っている。
「誰?」頭の中で?マークが堂々巡りしてる。
「んっ…眠い…」
目覚めた彼は私の顔を上を向かせて、そっとKissを落とす。2度3度と繰り返すKissが舌を絡める濃厚なKissに変わってゆく。
「ゆい…」そう呼ばれて私は閉じていた瞳を開けた。
「おはようございます…あの此処は何処?あなたはどなた?」「おはようゆい」
目の前にいる国宝級のイケメンはよく見ると何と私の推し、シチュボの永遠だった。
「トワ??」「んっトワだよ、ゆい。やっと君を僕のものに出来たよ」「何で?」彼はお布団に潜り込んでお山を弄っている。「あんっトワ、ダメッ」「これは僕のお山だからね。じっとして」彼が唇と舌を這わせてゆくと薄っすらと昨夜の記憶が蘇ってくる。
何故こんな展開になったのか?それは友人からの合コンの誘いから始まった。
「お願いゆいメンバー足りないの」
人数が足りないから来てほしいとしつこく誘われてOkした。「何やってる人なの?」「YouTubeでシチュエーションボイスって声優やってるの。」
その時は半信半疑だったが会話している声を聞いていると確かに耳障りのいいイケボだ。
その中の1人に私は声をかけられた。その声を聴いてすぐに誰かがわかった。
「嘘でしょ?トワさんだよね?」「うん。そうだよ。僕の事知ってる?」「知ってます、ファンです」「マジで?それ嬉しいな。話しよ?」
私は永遠と話をした。
頭の中の?マークを消すために。
「何で合コンになったの?」「サキちゃんとリクっていとこ同士らしくてさ合コンやろうって話になってたんだよ。それで暇だよね?って誘われたの」「えーでもこんな偶然あるんだ?私イベントにも行きました」「そうだよね毎回来てくれてる?」「わかりますか?」「わかるよ美人は覚えてるからね。顔覚えるの得意なんだ。来てくれるときいつもポニーテールだよね?」「はいそうです」
「ゲーム好きなの?家でやらない?新しいのあるんだ」「でも…」「行こうよねッ?ゆいちゃん」
説得され、何故かすんなり受け入れて私は永遠のマンションに来ていた。何度か対戦を重ねてはしゃいだ二人。「これに勝ったらゆいもらうからね?約束だよ?」「マジで?絶対負けない」結局対戦は永遠の勝ちだった。
「実はね君に会いたくてリクに頼んでたんだ。会わせて欲しいって。ごめんね」「じゃサキもグルだったんだ?」「うん頼んだの」
「恥ずかしい」「イベントで見かけるようになって気になってさ。ゆい好きなんだ」「トワ…」そして耳元で囁く甘い声に身体の芯が熱くなる。「はぁっトワ…あっ」「気持ちいい?」「うんボイスで聴いてるみたい、声だけでイッちゃう」「ふふっ大好きだよゆい」「あんっ…トワ」
私は彼の甘い声に逞しい身体に何度も抱きしめられて甘い蜜の中へ引き込まれていった。彼の唇と舌先が私の身体の隅まで這い尽くして溢れるほどの快感に包まれて私は永遠に抱かれた。で、目覚めたら永遠の腕の中だった。
「ゆい…おはよっおはよっ」「おはようトワ」「身体痛くない?ちょっと激しくしたかな?」「大丈夫、見ないで恥ずかしい」「ゆい可愛いよ」「夢みたい。憧れのトワに抱かれてるなんて」「ありがとう、きっとね今まで頑張ってきたから神様が与えてくださったご褒美かな?」「いつも感じるけど、トワって優しいね」「今日は何するの?」「今日はショートボイス何本かとファンクラブの実写ラブレターかな」「トワおはようのツィートしなきゃ」「そうだね」永遠は裸のままパソコンの前に座ってファンにおはようのツィートをした。「夢なら覚めないでほしい」「夢じゃないよ。俺はずっと最初からゆいを見てきてる。いつも応援してくれてイベントも必ず来てくれるし、ずっと見てた。こうして二人でいたかった」「トワ…ありがとう」「ゆい真剣なんだ俺と付き合ってほしい」「ゆいでいいの?」「ゆいがいいの」「ん、じゃよろしくお願いします」
「マジ?バンザーイありがとう嬉しい」「でも私もだけどトワにはたくさんのファンがいるんだから、ファンの事一番に考えて」「もちろんだよ。ねぇシチュボ聴くようになったきっかけは何?」「サキからシチュボ紹介されて聴くようになってすぐトワにハマった。凄く声が良くて歌も上手だしトワのシチュボ聴いていたら真っ赤になっちゃう」
「ホントに?嬉しいな、ゆい可愛い」「シチュボやってる人結構いるよね?」
「そうだね。でもゆいはその中で俺を選んでくれたんだよね?」「うん大好きだった。顔出し見たらイケメンだし」「ホントに?嬉しいよ」「でも優しいのが一番だよ?ファンの事一番に考えてくれて優しいこと言ってもらえたりすると嬉しいし幸せになれる」「ファンは彼女だと思って接してるけどリアル彼女はゆいだけだからね」「ありがとう嬉しい。トワ大好きだからね。ゆいリアル彼女でもいい?迷惑にならないようにするからね」
「もちろんだよ?俺だってお年頃なんだから彼女いても不思議じゃないでしょ?」「うん離れちゃイヤだよ?」「ふふっ離さないよ、ゆいは俺のものなんだから。そうやって下から見上げられると堪んない。そそられるんだけど?」両手を頭の上で掴まれてKissを落とされる。「んっトワ…ダメッ…ん」永遠にまた攻められてトロトロに蕩けそうになる。
目覚めたあとは顔洗って歯磨きしてから朝食の支度を永遠がしてくれた。
「はい召し上がれ」
テーブルの上に並んだお皿にはオムレツ、サラダ、トマト、ウィンナー、ぶどう
トーストが飾られていてスープとミルクティーがあった。「美味しそう、頂きます」永遠と向かい合って
食事をしながらテレてしまう。「美味しい。トワお料理上手だね」「好きなんだよ、お料理の実写もやってるからいろいろ作ってる」
「うん上手だよ?この前のなすとミンチのチーズ焼きやってみたら美味しかったの」「マジ?良かった。今度一緒に作ろうね」「うん」「あのさ、ゆいイラスト描いてるでしょ?この前のポスターで見たんだよね、ブロンドヘアのサムネ、あれモデルいるの?」
「えっ、あれは…あの…」
「誰かなぁヤキモチ妬いちゃうし誰?」「あれは…ねトワ…だよ」「えっマジ?俺?俺なの?」「うん、そう、めちゃくちゃ素敵でしょ?」「街中で見るたびに似てるよねって言われるんだよ」「ふふっ」「あのさお願いがあるんだけど、俺の新しいキャラクター作りたいんだ、アクリルキーホルダーとかノート。ポーチ、マグカップとかいろいろ。イラストゆいやってくれないかな?ちゃんと契約してから」「ゆいがトワのグッズのイラスト描くの?」「そう実はねあのポスター見てスタッフと描いて欲しいねって話してたんだ」「そうなの?嬉しいんだけど、やりたい」「マジで?やってくれる?」「うん一応事務所通してもらわないといけないけどいい?」「もちろんだよ。嬉しいゆいありがとう」
この愛しいイケメン永遠はYouTubeで声優をしている。本名は如月永遠。永遠は本名。7月7日生まれの23歳。本業はIT関連のプログラミングの仕事をしている。そして私 柊 結衣
3月3日生まれの21歳。
兄が経営する広告代理店の
イラストレーターをしている。
それから数日後永遠がマネージャーの北条さんと共に
我社にやってきて仕事の依頼をした。発売するグッズの種類などの相談もした。
まずはいくつかキャラクターを描いてそれから製品化のための話をすることになった。
続く
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