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「産前産後ケア」という考え方

クラウドファンディングに挑戦中の整形外科医中川将吾先生がカケラジに出演して下さってました(2回目!)

女性は子供を産んで育てるのがあたりまえだったのはいつ頃までなんでしょう。

昔の女性は大変な苦痛を当然のものとして処理されてきたのだろうなぁと思いつつ、まだまだ本当の大変さが理解されていないかも?と思う最たるものが「出産」です。

産前産後で母体にかかる負担

クラファンの応援として書かせて頂いた文書がこちらになります。

産前産後で母体にかかる負担は大きく、呼吸・循環・代謝に与える影響は著しいものです。妊娠後期では赤ちゃんが母親の内臓を圧迫し、肺や心臓も広がりにくくなります。そのため常時息苦しい状態が続き、休憩しようとしても落ち着いて寝ることすら難しいケースが少なくありません。
これらの状態を完全に解消することは医学的に困難ですが、苦しさを和らげるための正しい知識を知る場所があれば多くの夫婦の支えになるのでは、と感じています。また我々男性は出産の喜びばかりに意識が向きがちであり、恥ずかしながら私は妻の産前の苦しみを十分にケアできなかったと反省するところです。母体にかかる負担に関する正しい知識があれば、男性側のケアする気持ちも変えられるのではないかという期待を抱いております。本プロジェクトを応援しております!


母体へどのように負担がかかるかは見る視点によって異なりますが、私は呼吸・内分泌・代謝などを専門とする理学療法士の視点で体の状態や病態を考えいくことが多いです。

その上で出産直前には循環血漿量(血液の量)が1.5倍になるのですが、この影響は無視できません。

血液量が増えることで起こりうる影響には以下のようなものがあります
・動脈が硬化する
・手足が浮腫む
・肺が溺れる

妊娠で起こる動脈硬化

動脈硬化が起こるのは高齢者だけではありません。妊婦でも妊娠後期から出産直後にかけて動脈が硬くなります(通常は産後元に戻ります)。
参考: https://obgyn.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/uog.17565

血液量が増えると、心臓のポンプが縮む直前(風船が膨らんだ状態)の血液も増えることになります。
そうすると一回の拍出でよりたくさんの血液が駆出されます。

慢性的に高い血圧にさらされる血管は「硬くならないと耐えられない」と考える、、かどうかわかりませんが、事実として血管は硬くなる。それほど妊娠とは過酷なものなんです。


妊娠で手足が浮腫む




これはよく聞く話かもしれませんが、手足が浮腫むのにも血液量の増加が関係しています。

増えた血液が血管の中だけに留まっていられるかというと、そう都合良くはいきません。血管の外側にもジンワリとしみ出していきます。

通常より膨れてさらに血流が滞ったりすると、手足がだるく感じるようになります。

ただでさえ的外れなことばかりいう旦那を相手しなきゃならんのに、こうと手足がだるいと普段なら我慢できることでもついイライラしてしまう、、という場面は想像に難くないです笑


妊娠で肺が溺れる

血管のから水分がしみ出して浮腫むのが手足だけだと思ったら大間違いです!

じつは血液量が増えると肺のある「胸腔」の中にもいくらか水分がしみ出していきます。

もちろん病気ではないので病院での治療が必要なケースはほとんどありませんが、息苦しさを感じる原因にはなり得ます。


まとめ

産前産後の奥さんの体の中では、想像以上に大変なことが起こっているよ!というお話でした。

あともし良かったら中川先生の活動について、拡散だけでもご協力いただけると嬉しいです!


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