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新NISA戦略その1

新NISA元年である2024年もそろそろ半年を過ぎようとしています。
テレビやインスタで新NISAの話を見聞きするけど、知識が足りないから始められていない。
口座は開設したけれど、何から手をつけていいのかわからない。

そんな方たちの悩みが少しでもほぐれるよう、戦略を一つ紹介します。
鵜呑みにするのはオススメできませんが、始めの一歩として読んで、想像してみてください。

今回の戦略はすでにある程度、資金がある方向けです。


NISAのあらまし

まずは制度をかるくおさらいです。
NISA口座は投資で得た利益(譲渡所得、配当所得)に対してかかる税金(約20%)が非課税になる口座のことです。
今年から制度が一新され、非課税になる期間が永久になり、総額が1,800万円まで拡張されました。

口座の中には「成長投資枠」と「つみたて投資枠」があります。
成長投資枠には上限があり、最大で1,200万円。つまり、つみたて投資枠に最低でも600万円入れる必要があります。
もちろん、全額(1,800万円)つみたて投資枠に入れても問題ありません。

よって、NISAの戦略の大前提は二つにわかれます。
1.全額つみたて投資枠
2.成長投資枠+つみたて投資枠

また、購入できる商品にも違いがあります。
成長投資枠では、個別株、上場投資信託(FTF)、投資信託、とあります。
しかし、つみたて投資枠では(基本的に)投資信託のみです。

今回は上記の2、かつ、投資信託のお話です。

毎月分配金+S&P500つみたてPF

戦略その1は最初に申し上げた通り、ある程度の資産がある方向けです。
ある程度とは、すぐに投資にまわせる(まわしたい)お金が100〜200万円程度ある。毎月数万円は投資に捻出できる、くらいだとお考えください。

銀行(もしかしたらタンス)に眠っているお金を新NISAにいれて、一年間で3万円ほどの分配金(利子のようなもの)をもらえるよう考えました。
毎月分配金をもらえるようにするため、成長投資枠では三つの商品を組み合わせます。
以下に表で示します。

利回りは概算
決算月に分配金をもらえます

経費率は一年間その商品を持っていたときにかかる費用です。1万円分持っていて、経費率が1%なら100円です。
決算月に分配金をもらえます。
この三つの商品を組み合わせるのですが、配分は細かく考えこむより、わかりやすいバランスにする方が良いと思います。
均等に三分割にするとか、1:1:2にするとか。

つみたて投資枠は正直、なんでも良いです。
ここではS&P500(米国の代表的な500社)としましたが、全米でも先進国でもオール・カントリーでも問題ありません。

*PF(Portfolio:ポートフォリオ):どのような商品をどのように組み合わせるか、という意味です

実際に買ってみる

上記の商品をそれぞれ40万円分ずつ、つみたて投資枠でS&P500連動商品を月々20,000円、購入します。
一年間でもらえる分配金は39,040円、利回りは3.25%となりました。
対して、経費は1,266円、経費率は0.1055%です。
ちなみに、メガバンクの普通預金の金利は0.2%ですね。

一年間の概況です
つみたて投資枠の経費率は選んだ商品によります

買ったあとはあまり気にしないようにし、適度なタイミングでバランスを整えてください(リバランスといいます)。
一年に一回とか、経済界の大きなイベント(日経平均最高値更新、NY株歴史的暴落など)があったときだけで良いと思います。

利益が大きく出ているものを売却したり、値が下がっているものを買い増ししたりしましょう。
おすすめは買い増しリバランスです。
例えば、
日本高配当:45万円
米国増配株式:50万円
米国総合債券:35万円
になっていたとしたら、日本高配当を5万円分、米国総合債券を15万円分購入する、というやり方です。

メリット

  • 毎月、分配金をもらえる

  • 債券を入れることでリスクをおさえる

  • 日本の会社も応援できる

分配金をいただくと「投資してるな」という実感が湧きます。それに、単純に嬉しいですよね。

株式と債券は逆の動きをするといわれています。
米国増配株と米国総合債券の相関係数は「0.071」らしく(SBIアセットマネジメントHPより)、リスク(価格の上下動)を抑えることができます。

*相関係数:1に近くなるほど正の相関関係にあり、0に近いほど二つのデータ間に直線的な関連がないことを示す。

デメリット

  • 分配金を受け取ると、投資効率が落ちる

  • 純資産額がまだまだ小さい

  • 高配当、とはいえないかもしれない

投資信託の分配金は「受取」と「再投資」を選べます。
再投資すると、分配金は元本に組み込まれるので効率が良くなります。「雪だるま式に増える」といわれていますね。

純資産額とは商品の規模を示す一つの指標です。大きいものはよく買われている、と認識されます。
いくらあれば安全(合格)かの基準はありませんが、たとえば、大人気「三菱UFJーeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の純資産額は3兆円を超えています。
他方、SBI・V・米国増配株式インデックス・ファンド(年4回決算型)は14億円。桁が違います。
まだ売り出されたばかりなので、この差は仕方ないところではあります。資産額が伸びていくのを見守りましょう。

投資の世界では(なんとなく)高配当は4%くらいから、と認識されている気がします。
日本たばこ産業(JT)は4.24%ですし、武田薬品工業は4.62%です。
しかし、個別株には「暴落」や「減配」がありますよね。
個別株でしっかり分散させるには、資金と勉強、細やかな管理が必要となりますよ。

さいごに

金融庁の調査によると、投資をしない理由は
1.余裕資金がない
2.投資に関する知識がない
3.元本保証がないから
となっています。

今回は1の心配がない方に、2について初歩的な知識をつけてもらう話でした。3についてはまた今度。
もちろん、これだけでは十分ではありませんが、投資の世界に一歩踏み込む勇気は持てたでしょうか。

あなたが、ここで紹介した商品を買っても、私には一円の特にもなりません。
また、投資は余裕資金でおこないましょう。
そして、他人がすすめる銘柄をなにも調べもせずに購入するのはやめてください(矛盾していますが)。

投資への興味を深めていただけたら、幸いです。

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