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ランチボックスの規格について考察

こんにちはShinya's Studioです。

今日はランチボックスの規格について考察しつつAphex cx-1について解説していこうと思います。

CX-1について

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Aphex cx-1は、Aural exciterなどで有名なAphexが昔出していたモジュラー式のVCA式コンプ、エキスパンダーです。

cx-1との出会いは今から10年以上前?師匠が家に眠っているCX-1があるということでいただいたのがきっかけです。

作りは昔の機材だけあってかなりしっかりしています。

基本的にスルーホール部品なので修理しやすいし、出力がJensenトランスなので高級機です。PotはA/B(Allen Bradley)のモジュール式タイプで高級です。

現行のAPI 500規格ではなさそう

Shinya's Studioは機材メーカーで、ランチボックスも自分で作るスタイルなので気づかなかったのですが、API 500規格とは微妙に違いそうです。

ここが結構落とし穴。

サイズもピン配列などもほぼ同じなのですが、おそらく昔のAPI 500規格なのかもしれないです。Aphexからは4B-1という専用のケース+電源が出ています。

今のランチボックスを使うと問題がいろいろありそうです。。

現行の規格のランチボックスを使うと生じる問題その1

現行のランチボックスを使うと生じる問題。

まず、フロントパネルのネジ穴間が微妙に違う。モジュールとケースを固定する上下のネジです。おそらく1mm程度かと思います。確かAphexの方が広かったと思います。

1mm程度なのですが、これが微妙に問題。どちらかのネジを止めるともう片方が止まりません、、(笑)これは我慢するか少し削ればいいかと思います。

その2

次はちょっと問題。

インプットがアンバラなのです。

大抵レコーディング機材は入出力ともバランスが基本。アンバラがあるとしても出力側がなっていることが多いのですがこれは逆です。

インプットがアンバラで本来のコールド側がグランドに落ちているので、前段が電子バランス出力の場合、ケーブルでコールド側を切っておかないとコールドがグランドとショートした形になりちょっと危険です。

オペアンプICだと大抵保護回路が入っていると思いますが、低インピーダンスが売りのディスクリートだとかなり発熱します。。

その3

3つめがかなり危険です。

15ピンが変更されています。

ランチボックスは15ピンのカードエッジコネクタが採用されています。そこに電源やら入出力やらが配置されています。

APIランチボックスの旧タイプは詳しくまで認識していませんが、現行になって15ピン目が+48Vのファンタム電源になりました。

CX-1の15ピン目は何かと言うとGRメーターのアウトになっています。これは謎仕様ですが1176なんかもGRメーターのアウトがついています。

そして、GRメーター出力のついたCX-1を現行のランチボックスに挿すとどうなるかというと出力と+48Vがショートします。。。

私も基本的に自作のランチボックスでやっていました。CX-1用の時はファンタムなんてつけないので問題なかったですが、最近ファンタムがついた既製品のランチボックスで使った時に電源投入して少し経つと煙が出て焦りました、、、

GRメーター用のICが死んでいました。その時は原因がわかりませんでしたがようやく理解しました。

そういえば昔、APIのコンプで同じ症状の依頼が来て修理した記憶があります。

対策としてはGRメーターアウトは基本使いませんし、現行のランチボックスでは使えませんのでどこかで出力を外しておく必要があります。

昔のランチボックスについて

API純正のランチボックスは4、6、8、10スロットと意外と多く出ていますが、特に4スロットはかなり古くファンタムがついていません。これがいわゆる旧タイプかと思います。

昔は恐らくランチボックスはコンソールで使用を前提に作られた規格だと思います。HAはコンソールについていますし、ランチボックスのモジュールはEQかコンプ前提。

APIの昔からのモジュールといえばEQの550か560、コンプの527くらい?。

マイクプリも312がありますが、ファンタムは外からでもかけられます。ダイナミックか真空管マイクなら必要ありません。ランチボックスにファンタムは必要なかったんだと思います。

以上ランチボックスについて考察してみました。特にビンテージ機器にファンタムをかけて壊すと修理が大変な場合があります。ファンタムは直列で抵抗が入っていますので+48Vがそのままかかるわけではないですが危ないので注意が必要です。


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