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あなたのたった一言が即席チームの崩壊を防ぎパフォーマンスを最大化する

全社横断の改善活動、臨時のトラブル対応チームなど、企業のビジネス活動においては既存組織の枠組みを超えたチームが組成されるケースが多くあり、そのチームでのパフォーマンスに悩ませれます。

普段の仕事内容も違えば、経験も異なります。同じ会社にいても、営業部門と経理部門では、同じ会社組織にいても、まったく違う時間を過ごしています。そんな垣根を超えた即席のチームを救うのは、あなたのたった一言だったりするのです。


知らずに共有されている「暗黙知」が存在する

暗黙知とは、体験や経験から得た知識のことで、言語化できないものを指します。人がなんとなくできてしまう行動や意思決定の裏には、暗黙知が活躍しています。

「あの取引先との信頼関係はこんな感じだ」「このツールはこの操作に気をつけなればならない」「毎日16時に動くバッチがあるから気をつけよう」など、慣れてしまえばあたりまえのことだと思い込んでいるので、共有するほど重要なものではないという認識を持つようになります。

実は、組織の枠組みを超えたチームを成功に導くには、「暗黙知」を明らかにすることが重要になってきます。

「暗黙知」が生む思い込みがメンバー間の不要な対立を生む

暗黙知は、相手への期待にも変わります。即席のチームでは、いつものメンバーであれば行われる当たり前が期待通りにならないため、不満の温床に変わってしまうのです。

わかりやすい例でいえば、チャットの使い方です。「了解」「Thanks!」など短い言葉で効率的なやりとりを尊重するところもあれば、「かしこまりました」「ありがとうございます」など、敬語をキチッと使うところもあります。これくらいわかりやすければ、どちらかが合わせることができますが、最初はイラッと来たりする人もいるでしょう。

チャットのやり取りのようなふとした不満が積み重なり、大きな不満となって爆発して対立する… なんてことが起きてしまえば、即席のチームは崩壊してしまいます。

あなたの一言が問題解決の鍵となる

あなたは開発部門の一員です。開発のメンバーであれば当たり前につかっている、集計データを一瞬で作成するプログラムがあったとします。しかし、あなたや開発部門のメンバーは、他の部門でデータ集計の悩みがあることを知りません。

また一方で、他の部門では集計データが一瞬で作成できるプログラムがあることや、そんなものを作れるなんてことも発想がありません。ある一定の専門知識や、データへの深い理解が必要だからです。

即席のチームでの会議後、5分ほどあまったので雑談が始まりました。すると、営業部門の1人が、「あー、このあと例の集計データを今日中に作らなきゃいけないから残業確定だよ~」といいます。

知識や考えなど、積極的に情報をオープンにすること

あなたならどうするでしょうか?集計データの作成というキーワードに引っ掛かりを覚え、「え?集計データってどれのことですか?」と切り込むことができれば、チームは成功に向かって前進します。

おそらく、開発部秘伝のプログラムは全社に共有され、企業全体の業務効率が改善することでしょう。このような偶然があればよいですが、多くは偶然などなく、暗黙知は各自が抱えたままで終えてしまうケースがあります。

知識や考えなどは、積極的にオープンにしていきましょう。思い返せばよく使うもの、Tips、便利だったこと、躓いたが乗り越えた体験など。

Twitterと同じように、必要であればバズり、不要であれば過去のタイムラインにながれていくからです。

そしてもし、あなたが受け手側であれば、知識の交換をうながしましょう。困っていることや、面倒くさい作業、うまくいかないことや、躓いていることなど。心温かいフォロワーがリアクションをしてくれることを期待しましょう。

"Situated knowledge and learning in dispersed teams" D Sole, A Edmondson - British journal of management, 2002 - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/1467-8551.13.s2.3