宇宙灯3話 脚本 訂正

〜芸術の都ネビル〜
〜第一円団〜
(独特な雰囲気だけど...):碧
ツリーハウスが建っている。人が家に入っていくところや洗濯物が干されている

〜第二円団〜
木造住宅が並んでいる。公園で子どもたちが遊んでいる
「みんな思ったより地球に似ているね」:碧
「そうじゃな。服装も今の地球とほぼ変わらんのう。異世界転生系の漫画じゃと中世の貴族がジュストコールを身にまとっていることが多いんだがな。せな、中央にあるのは何じゃ?」
カネが指す方には先程見た巨大な塔が見える

「あれは、自然と人の相互扶助を象徴する建物’’メゴッド’’。この世界の全書籍が保管されているわ」:せな
「そこに行けば地球に戻る方法がわかるかもね!」
早速、希望が視えて嬉しそうな碧

「だから今からメゴッドに行くのよ。お父さんはそこの館長だから」
気に食わなそうなせな

「冬堂さんのお父さんってすごいんだ」:碧
「...何かいい手がかりでも見つけれたらいいですね」
碧になにか言いたげなせなは、その気持をぐっと堪える

その頃空から怪しげな2つの影がネビルに近づいていた

〜第三円団〜
メゴットの周りは木と花で囲まれており、人や生き物などの多くの彫刻品が飾ってあった

「この魂石に手を当てて」:せな
「普通の石にしか見えないけど」:碧
「いやこれは人工的に作られた石じゃ。中に核を感じる」:カネ

せなに言われるがまま碧とカネはメゴッドの手前にある1m立方体の魂石に手を当てる

「え?」:碧

触った途端にメゴッドの建物の中にいた

(今何が起きたんだ。地球では全く考えられないことだらけだな)
碧は物珍しそうに周りを見渡す

メゴッドの中は、1階から15階まで各階に魂石があり地球と同じような絵画や彫刻品、生物標本などがある。そして15階までびっしりと本が並んでいる

「入って」

そこには緑の液体で張られたゲートがある

「この中に入るの?」
碧は緑の液体を気味悪く思いながら、ゲートの方を指差す

「そうよ」:せな
「俺はもう行くぞ」
カネが碧を急かす

「わ、分かったよ!」
碧は目をつぶりながら勢いよく入る

(ん?コーヒーの匂いがする)
碧はコーヒーの匂いに安堵し目を開ける
目の前には椅子に座りながら外を眺めているメガネを掛けた男がいる。男の机にはコーヒーカップが置いてあり、新聞紙が広げられている。男の隣にはメガネを掛けたスーツ姿の女性(名はアラン)が立っている。

「こ、こんにちは」
碧は慌てふためきながら挨拶をする

男は椅子に座ったままくるりと碧たちの方を向く

「君達がちきゅうというところから来た少年と。...猫ですか」
男は、にこやかな表情で碧たちに話しかける

「はいっ」:碧
「私は冬堂流ノ介と申します。せなの父です。メゴッドの館長をしています」
「僕は音瀬碧といいますっ!」
碧は緊張で足が震え肩に力が入っている

「俺はカネじゃ」:カネ
「話が聞きたいとのことお伺いしました」:流ノ介
「ぼ、僕は地球というところから来たんですけど。そ、その帰り方が分からなくて方法を聞きに来ましたっ!」:碧
「残念ですがそれに関しては一切わからないです。ですので先にちきゅうについて詳しくお聞きしてもよろしいですか」:流ノ介
「は、はい」:碧

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「なるほど。大まかなことは分かりました。ではこの世界についてお話しましょう」
冬堂流ノ介は立ち上がり窓から外を眺めて話し始める

「これからお話するのは、この世の正史’’無神考書ぶしんかんしょ’’に記載されている一説です。ある創造神フォノウという神がいました。創造神フォノウは私達を創りこの世界をエーデと名付けました。エーデは、フォノウ神の創ったピースという欠片の集まりで今も尚守られています」:流ノ介
「ピースは何からこの世界を守っているのじゃ?」:カネ

「それについては私達もよく分かっていないのです。分かるのはフォノウ神だけでしょう」:流ノ介
「難しい話じゃのう」
カネは直立しながら頭を手で洗う

「私達がピースについて分かることは、ピースそのものを破壊することは不可能であり、初めからあったわけではないこと。いつの間にかこの世界を守るように覆っていたのです」:流ノ介
「なるほどにゃ」:カネ
「しかし、そんなある日私達の中からフォノウ神の存在が消えました」:流ノ介

コーヒーカップから湯気が立ち上る

「何故じゃ」:カネ
「一体何があったのか誰も分かりません」
流ノ介は目を細める

「私達は、クレアの力を用いて、神のお戻りになる日までこのエーデを形成し続けているのです」
一段落した所で流ノ介は椅子に座りコーヒーを飲む

「クレアというのはせなさんが使っていたあの力の事ですか?」
緊張の解けた碧は、流ノ介に質問する

流ノ介はメガネを掛け直し碧の質問に答える
「クレアとは大きく分けて三種類あります。神によって創られた自然の力、自然∞ジネン。神の創りを人の知恵で創造した造智○ヒトミ。生まれして神を司った神造彡アマツカミ。せなが使っていた力は自然∞ジネンの水です。主に移動手段や飲料水などに役立ちます。せなは今、将来のために学校で勉強中です」

ドタンッ!
慌ただしく部屋にスーツを来た男性が入ってくる

「館長!大変です!」:男性
「なんだ」:流ノ介
「上空に怪しげな男が2人現れました!それも」
男性は流ノ介の耳元で何かを囁く

「なんだと!急いでネビルに居る人を地下に避難させるんだ!」
流ノ介は血相を変えて男性に命令する

せなが部屋に入ってくる

「お父さん何があったの!」:せな
「今説明している暇はない。碧君とカネ様もせなと一緒に避難するんだ」
「はい!」:碧
碧達は急いでメゴッドに避難する

「緊急避難命令!緊急避難命令!直ちに避難せよ!直ちに避難せよ!」
ネビルの司令塔から警報が鳴る

「何かあったの?」:民A
「分からないわ」:民B
「緊急避難命令なんて今まで出されたことなかったよな」:民C
「そうよね。この世界は安心だもの」:民A
「じゃあ。そんな急がなくても大丈夫なんじゃないのか?」:民C
「そうよね」:民B
「そうだよな」:民D
上空に気づいていない住人たちはのんびりと歩いている

〜上空に浮かぶ怪しげな男二人の様子〜
「おやおや。下が騒がしいですねぇ。もうバレてしまったようです。御主人様」
執事のフロックはにんまりとした表情で下の人の中から何かを探すかのように吟味している

「ああ。だが、あいにく我は自己顕示欲が強くてな。視線を感じるのは大好物なんだ。もっと我を見てくれ!」
御主人様と呼ばれている男、クラスターは玉座に座り肘をついて傲慢な態度を取っている

「それはそれは、お気に召したようで何よりです。ですが御主人様、お目当ての男だけ殺してくださいね?殺り過ぎは注意ですよ」
「あぁ?誰に向かって言っておる。我が為損なうとでも」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「あ、あれを見ろ!」:民C
一人の男が上空に気づく

「あの人、空に浮かんでる!すごいわ!」:民A
避難所に向かっている最中の人々は足が止まる
「どうやっているのかしらね!」:民B
「一体どんなクレアの使い手なんだ!」:民D

「ほら、見てみろフロック。ゴミがギャーギャーギャーギャー騒いでるぞ」
「御主人様のおっしゃるとおりです」
「そろそろ、掃除したいのだが良いかフロック」
「かしこまりました。皆さん!御主人様に注目!今から素晴らしいショーが始まりますよ!」

「ショーが始まるみたいよ!」:民A
「ああ。でも一体どんなショーが始まるんだ?」:民C

「では、征くぞ。紫星バイオレットスター」:御主人様(名はレギア

パチン!
レギアが両手で指パッチンをする。クラスターレギアの上に2つの巨大な紫色の惑星が出てくる

「何だあれは!」:民C
「まさかこっちに向かって来やしないでしょうね」:民A

「汚いゴミ共。散るがいい。」

ヒューン、ドッゴーン。
街中を削り落とす。人々は一瞬で溶けていく

「キャー!ワーー!」
街中に悲鳴が鳴り響く

「御主人様やりすぎです...」:フロック
「ああ。素晴らしい」:レギア
「まあ殺すのは久しぶりでしょうし良いでしょう。んで、あの男は殺せましたか?」:フロック
「わからん!」
レギアは腕を組み、冷酷な眼差しで崩壊したネビルを見下す

「全く」
フロックはうなだれ顔に手を当てる

〜地下の様子〜
碧、カネ、せな、流ノ介、秘書のアランはメゴッドの地下の会議室に避難する

「ドッゴーン!キャー!ワーー!」
地上から大きな物音と悲鳴が聞こえてくる

「お父さん。一体何が起こっているの?!」
監視室で外の様子を見ていたせなが涙をこらえながら会議室に入ってくる

「不可抗力に一部のピースが破壊された」
机に肘を付き顔の前で手を組んでいる流ノ介がひたいに汗を流しながら説明する

「さっきの話ではピースを破壊することは不可能と言っておらんかったか?」
カネは碧の腕に抱かれながら、いつもと変わらぬ調子で尋ねる

「はい。我々では到底無理でしょう。しかし絶対的な力と存在を持った神ならどうでしょう。私の推測ではピースを破壊してこれだけの被害を出せるのは神の仕業としか言えません」:流ノ介

「まさか!」
せなの顔は青ざめている

「フォノウ神がしたのか...」
碧はぼそっと呟く

「この世界を創ったのがフォノウ神ではないのか。人を殺し破壊するなんぞ俺には到底理解できん。」:カネ

「はい。だが今のところその可能性が高いということです」:流ノ介

アランがメガネをグイッとかけ直す

「一体どうして...!」
せなは涙を流しその場にしゃがみ込む

すると地上からフロックの声が聞こえてくる
「碧様!どこに居られますか。今なら間に合いますよ!」

その瞬間皆が一斉に碧を凝視する







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