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デュエプレナーフ・殿堂解除選手権 ランクD


前置き

 こんにちは。アナダムドです。デュエルマスタープレイスは、毎シーズンマスター~レジェタッチするくらいの熱量でプレイしています。Xでも日々デュエプレに関することをつぶやいておりますのでフォローのほうお願いします。また、記事の内容が良い・好きと感じましたら、是非拡散をよろしくお願いいたします。意見感想等あればぜひXにてお寄せください。

 前置きはこれくらいにして、以下本記事の主題に移ります。本記事は、紙のYoutuber flat工房@flat-氏の大人気企画「殿堂解除選手権」のデュエプレ版となります。現在の時点でナーフまたはDP殿堂入りとなった全24枚のカードを、後述する評価基準でS~Eまでの6段階に分け評価し、そのカードが規制に至ったプロセスと、元の能力に戻った場合に環境に与える影響について考察していきます。

ランク表について

評価基準

ランクS 明らかにおかしなことが書いてあるカード。特に、持つ能力が概念的に禁忌である、または高いインフレ耐性を持つカード、またはその両方に属すカード。

ランクA 超強力なカード。解放されるとトップメタに食い込み、環境を歪ませるカード。

ランクB 強力なカード。デッキの主軸となり、そのデッキを環境に押し上げるパワーを持ったカード。

ランクC 現環境的に適正なパワーを持つカード。単体でデッキを組むにはやや出力が劣るが、相性のいいカードやメタゲーム等との嚙み合いによっては大きな活躍をしうるカード。

ランクD ややパワー不足が否めないカード。解放しても環境に大きな影響はないが、主軸としたデッキでマスターは狙えるカード。

ランクE 将来的にも活躍の目がないカード。使用機会があるかはわからないが解放してあげてほしいカード。

 ランクSに関しては、デュエプレが紙に比べてカードプールの拡張が早く、「許されないカードパワー」のライン変遷が早いことから、インフレ耐性と効果の特異性に主眼を置いた、他ランクの純粋なカードパワー比較とは若干異なる評価基準となります。呪術廻戦でいうところの特級術師みたいなもん。

ランクDのカード

ランクD ややパワー不足が否めないカード。解放しても環境に大きな影響はないが、主軸としたデッキでマスターは狙えるカード。

ということで、ランクDのカードは、現代基準で評価するとややパワー不足のカードになります。Eに比べると一芸に秀でていたり、特殊な効果を持っていたりするカードが多いです。今回は少なめの計2枚です。それではいきましょう。

ブレイブ・ルピア

緑を持っているのが本当に偉かった

ブレイブ・ルピア R 火/自然文明 (4)(ナーフ前)
クリーチャー:ファイアー・バード 3000+
・バトルゾーンに出た時、自分の山札から名前に《NEX》とあるクリーチャーを探索し、1枚を公開してから手札に加える。その後、山札をシャッフルする。
・自分の、名前に《NEX》とあるクリーチャーがあるなら、「パワーアタッカー+3000」「W・ブレイカー」を得る。

ブレイブ・ルピア R 火/自然文明 (4)(ナーフ後)
クリーチャー:ファイアー・バード 3000+
・バトルゾーンに出た時、自分の山札から名前に《NEX》とあるクリーチャーを探索し、1枚を公開してもよい。その後、山札をシャッフルし、公開したカードを山札の一番上に置く。
・自分の、名前に《NEX》とあるクリーチャーがあるなら、「パワーアタッカー+2000」を得る。

デュエル・マスターズwikiより

 12弾太陽の神歌でリリースされたカードです。cipで〈NEX〉と名の付くクリーチャーを手札に加えられ、自軍に〈NEX〉とあるクリーチャーがいればWブレイカーとなります。
 能力調整により、手札に加える能力が山札の上に固定する能力に変化し、場に〈NEX〉がいる時のボーナスがパワーアタッカー+2000へと弱体化しました。

 このカードは、同じ弾に収録された〈ボルシャック・NEX〉と〈神羅サンライズ・NEX/神羅ライジング・NEX〉をサポートするために設計されたと考えられているデュエプレオリカです。

もうすぐNEXダンテが成立すると気づき感慨深い
対コントロール最強カード
最初は2,3枚の採用だったが最終的に4確に
「ゴッドスレイヤー」持ちなのでHDMを突破できる
ナイトの小型1000ラインを一掃できるのが強力だった

〈ブレイブ・ルピア〉を筆頭とする強力なサポートカードの力もあり、《リースNEX》と呼ばれるデッキはすぐさま環境に登場。その暴力的なまでのデッキパワーで環境を制圧し、《赤青剣誠》と環境を二分、あるいは一強と呼ばれるほど環境を定義しました。

後攻5割氏のnoteより

 《NEX》の動かし方は比較的簡単。序盤はブーストや軽減クリーチャーを設置し、手札に応じて〈ブレイブ・ルピア〉で各種〈NEX〉をサーチします。そして〈ボルシャック・NEX〉をプレイし効果で〈ブレイブ〉をキャスト。〈ブレイブ〉効果で〈ボルシャックNEX〉をサーチすることで後続を確保しつつ4打点を生成できます。こうして好きなだけ打点を生成すると、フィニッシュターンには〈NEX〉から〈マッハ・ルピア〉をキャストし、一斉攻撃をして過剰打点で締めます。

尽きない無限の軍勢
コッコ+NEXだけで5キルが確定

 また、コンセプトとなる初動+各種NEX+各種ファイアーバードのパッケージは30枚前後であったため、残りのスペースに〈霊騎コルテオ〉を筆頭とする強力なS・トリガーの搭載が可能でした。こうして、コントロールをも圧殺する打点・リソースと生半可なビートを全て跳ね返す受けの両方を手にした《NEX》はまさに敵なし。ビートダウンの最先鋒であった《赤青剣誠》でさえ後手をとると速度で負けるほどの速度も兼ね備えたこのデッキは歴代環境屈指の壊れデッキであったといえるでしょう。

 そうして暴れまわった〈ブレイブ・ルピア〉でしたが、《赤青剣誠》の〈モノノフ・ルピア〉と同時に弱体化され、見るも無残な姿へとなってしまいます。〈ボルシャック・ルピア〉によるリペアも試みられましたが、緑の枚数の不足が響き、〈ボルバルザーク・エクス〉登場直後のときくらいしか環境では見かけませんでした。

〈ボルシャック・ホール〉をサーチして〈マスター・ルピア〉を呼び出す動きは強かった

 では、現代に視点を移しましょう。現代においては、ゲームスピードの向上とワンショットの増加により、強みである継戦能力の高さの価値は減少してしまっています。したがって、従来の〈NEX〉二種で粘り強くビートダウンを仕掛けるコンセプトは厳しいでしょう。
 しかし、他方で、現環境においても6コストのクリーチャー1枚から4打点を呼び出し後続まで抱えられるのは唯一無二の魅力です。現代のミッドレンジと融合させ、〈龍覇グレンモルト〉や〈撃英雄ガイゲンスイ〉といった相性のいいカードとあわせると化けるポテンシャルを秘めています。そろそろいい解除時なのではないでしょうか。

赤入りのビートダウンは大体こいつ入れとけばいいみたいな話ある
アンタッチャブルとも相性抜群


無双竜機ボルバルザーク

「殿堂入り」の名に相応しい最高の切り札

無双竜機ボルバルザーク SR 火/自然文明 (7) DP殿堂入り
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン 6000
・召喚によってバトルゾーンに出た時、次の自分のターン開始時まで、自分は「S・トリガー」を使えない。このターンが自分の10ターン目以降なら、このターンの後で自分のターンをもう一度行う。(ただし、それが追加ターンなら発動しない)
・スピードアタッカー
・W・ブレイカー

デュエル・マスターズwikiより

 3弾英雄の時空でリリースされたカードです。赤緑の7コストのSAWブレイカーで、10t以降に召喚するとEXターンを獲得できるカードです。史上初のDP殿堂に指定されたカードでもあります。

 〈無双竜機ボルバルザーク〉は紙のデュエマを代表する禁止カードです。紙版の効果は、大まかにいうと無条件にEXターンを獲得できるようになった代わりに、その追加ターンで決着がつかなかった場合強制敗北してしまうというもの。その強烈なフィニッシュ力もさることながら、「場に出てしまうと相手にターンが返ってくることなくゲームが決着する」という特性が問題視されプレミアム殿堂入り。公式の開発方針として「ボルバルザークは二度とつくらない」と掲げられるほど歴史に深く爪痕を残したカードです。

 そういった背景もあり、3弾リリース前にはボルバルザークが実装されるかどうか、されるならどういった調整がなされるかはユーザーの注目を集めました。かつて実装の有無を巡り激辛ペヤングを賭けて戦った男たちがいたとか。

 無事実装が決まった〈無双竜機ボルバルザーク〉は、デュエプレでは、EXターンという超強力な効果に10t以降の召喚という発動条件が追加されました。また、〈ボルバルザーク〉の持つ赤緑という文明は早期決着を志向し除去やリソースに乏しかったため10t制限と相性が悪いこともあり、強力な効果は認められつつも、色と効果の両面で巧みに壊れるのを防いだ芸術的カードデザインとして高く評価されていました。

 そして満を持して実装された〈ボルバルザーク〉でしたが、彼の目の前には〈ダイヤモンド・ブリザード〉の猛吹雪が吹き荒れていました。

何喰ったらこんなもん作れるか理解ができない

 そんな中、〈ボルバルザーク〉は〈グライス・メジキューラ〉と手を組み、唯一(さすがに盛ったけど数少ない)〈ブリザード〉と渡り合います。

残り1枠はボルバル
小型殲滅の殺意が高すぎる構築

 当然第3弾から紙勢もびっくりの超展開が許されるわけもなく、ブリザードはわずか2週間で史上初のナーフ。まるで春嵐のような大暴れに終止符が打たれ、ようやくゆっくりとした速度の環境が訪れ、〈ボルバルザーク〉にとっての春が訪れるかと思われました。

お前もカードパワーおかしくない?

 しかし、魔改造された〈神滅竜騎ガルザーク〉有するドラゴンが環境を席巻。10tまでゲームを伸ばす必要のあった〈ボルバルザーク〉にとって厳しい環境が続きます。引き続き〈グライス〉等と組んで環境の隅で戦っていた〈ボルバル〉でしたが、ユーザーの開拓によりとある事実が露呈。大きな転機となります。

 それはデュエプレのマナシステム。1度マナに置かれた文明は無制限に使用可能になるため、ユーザーの想定をはるかに下回る色の枚数でもカードはキャストできるのです。たとえそれが〈ボルバル〉4枚のみでも。

残り3枠はボルバル
冗談にしか見えない構築だが見た目に反してしっかり強かった

 〈ボルバルザーク〉が必要とされるのは10t以降。それまでに2枚のボルバルを引き込むことは造作もありませんでした。これが、デュエプレ版〈ボルバル〉の抱えていた最大の特徴であり、問題点となります。すなわち、本来デザインから外れるようなデッキに〈ボルバル〉4枚で出張し、フィニッシャーの多様性を軒並み否定してしまう点です。そして、その問題点を体現する、デュエプレ版〈ボルバル〉の代表作が誕生します。

残り3枠はボルバル
汎用SRだけで組める、比較的安価な非課金勢の星

 《青黒ハンデスボルバル》。ハンデスで相手の手を鈍らせ、除去札で盤面に干渉。〈エクストリーム・クロウラー〉で盤面のカードを使いまわしながら中型ブロッカーを設置し耐久。〈裁き〉で面を流し、10tを迎えると悠々と〈ボルバル〉を投下。過剰打点でフィニッシュします。

 このデッキは、同じく〈ボルバル〉を使った《5c天門》やナーフを乗り越えた《ブリザード》とともに環境の中心に君臨。比較的安価であったこともあり、高いシェアを誇ります。
 そして〈ボルバル〉のシェアが増えるにつれ、新たな問題が顕在化してきます。それは先手後手問題。〈ボルバル〉同型では、どうあがいても先手が先に〈ボルバル〉効果起動権を持ちます。後手側も盤面除去やハンデスである程度ごまかせたものの、この1ターンの違いは命に直結。先撃ち〈裁き〉問題とともに、別角度から先手ゲーを加速させる要因となりました。

先撃ちした方しかカードを引けない

 これらの問題が肥大化していく中、運営は〈ボルバル〉を初のDP殿堂入りに指定。歪な〈ボルバル〉環境に終止符が打たれます。殿堂後は、〈5c天門〉や〈ゲオルグ天門〉、〈青抜き4c超次元〉といったデッキでグッドスタッフとして活躍を見せました。アクアンで落ちて涙をのんだ人間は数知れず。しかし、同時に〈ゴースト・タッチ〉と〈汽車男〉もナーフされたことで別の問題が発生。メタゲームに大きく影を落としたのはまた別の話。

 それでは視点を現代に移しましょう。現代では〈デーモン・ハンド〉に代表される単体除去トリガーよりも〈DNA・スパーク〉や〈終末の時計ザ・クロック〉といった有無を言わさず1ターンを稼ぐトリガーが猛威を振るっています。よって、それら全てを貫通できるEXターンの価値は当時よりも上がっています。〈マクノカ・ヌクノカ〉のような汎用的なマナ回収の存在も追い風ですね。しかし10t制限はやや重い。現代のゲームレンジは6~7ターンであるため、10ターン目までゲームを伸ばすには相手をしっかりとコントロールをするか〈調和と繁栄の罠〉を回し続けるかをしなければなりません。

盤面制限も相まって実質EXターン

 ですので、《5cコントロール》のフィニッシャーとして2枚ほど採用されるのが関の山かなといったところです。まあ効果起動さえできればちゃんと強いので、デッキとタイミングを選べば十分活躍の目があるのではないでしょうか。

次回予告

次回はランクC計6枚です。
「ドリームメイトにサファイア搭載させるのは環境を歪めすぎです。」
「〈母なる大地〉の登場によってそれらの問題がすべて解決されました。」
「BAの頂点に2度立った歴戦の切り札です。」
「こいつが3tに出てきたらもう指くわえてEXウィンを持つしかできないんですよ。」
「欲を言うなら〈吸い込む〉を搭載した完全形が見たかった」
「当時の速度感でこの物量が4tに突っ込んできたら返せるわけないのよ」
お楽しみに!

おわりに

 ということで、ランクD計2枚でした。お読みくださった皆様、ありがとうございました。
 当企画は週1回程度の更新を予定しております。この記事を読んでいいなと思った方はXのフォロー、拡散のほうよろしくお願いいたします。拙文失礼いたしました。

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