あてのない手紙 3


ときどき訪れる あの感覚
鮮明に覚えていた なつかしい
愛おしい 映像記憶が消えてゆく

眺めているのが 好きだった
それは わたしのようで
楽しかったり 手を繋いでいるようで

剥がれおとしたところに あるもの
そこにあるものは きっと
わたしの マトリョーシカ
あけても あけても マトリョーシカ


そこに 手をふれると
なみだが とまらなくなる

ほんとうは してあげられることは
ないのだと 気がついて

いとしいのに してあげられることは
ないのだと わかって
なみだがとまらなくなる

だから 最愛なのかもしれない
そのまんまで いい

元気でいてくださることを
ただ ただ 願う

わたしのこころは マトリョーシカ
愛のつぶで できている









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