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宮本武蔵

今回は宮本武蔵(みやもとむさし:1584 - 1645)の話しをします。

皆さん名前くらいは知っているでしょう?宮本武蔵は江戸時代の初期に活躍した剣術家で、佐々木小次郎との巌流島での決戦が有名ですが、13歳から29歳までの間で60戦余りを戦い、全て勝利したと自ら語っています。

晩年、それまでの修行や戦いから学んで修得した剣術の奥義を「五輪書(ごりんのしょ)」にまとめました。この書は剣術の技術的な側面のみならず、人としての生き方(=道)をしるす書でもあります。地(ち)、水(すい)、火(か)、風(ふう)、空(くう)の巻の5巻編成になっていて、興味のある

方は是非本を手に取って頂きたいのですが、水の巻に次のような一節があります。

目の付やうは、大きに広く付る目也。観見二つの事、観の目つよく、見の目よはく、遠き所を近く見、ちかき所を遠く見る事、兵法の専也。敵の太刀をしり、いささかも敵の太刀を見ずと云事、兵法の大事也。

拙訳:どう見たら良いか(目つき)といえば、大きく広く見る目を養うということだ。観(かん)と見(けん)と二つの目があり、「観の目」を強く、「見の目」を弱く、遠いところを近いように見る、近いところを遠いように見ることが兵法では必要な技術なのだ。敵の太刀がどこにあるのか分かっていても、少しも敵の太刀を見ないことが兵法では大事なのである。

「観の目」というのは、何にも焦点を合わせずに全体を見る・俯瞰する、あるいは心で見る目ということです。「見の目」というのは、普通で言う物を見る目のことです。「見の目」ばかりではダメなんですね。見てしまうとそれに縛られます。縛られると動きが制限されるし、例えば、フェイントにも引っかかりやすくなります。だから全体にくまなく意識を拡げることが大事だということなんです。

勘の鋭い方はわかると思いますが、私の文脈ですと「観の目」というのは「波(動)」に対応し、「見の目」というのは「粒子化」に対応します。目で見るのには意識が伴いますから、意識のフォーカスの仕方による分類という言い方もできると思います。

宮本武蔵は、剣による勝負を物理的な次元から意識の次元に引き上げました。意識は統一化するエネルギーです。だから、彼は血と血の戦いである戦(いくさ)を人の生きる道(みち)にまで昇華することができたのですね。

だから、私たちも「観の目」をみがき、波動を高めていきましょう。


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