「意識障害へのアセスメント」
患者様・利用者様が既にもしくは突然、意識を消失したら冷静な対応は行えますか?
私は正直焦ってしまいます。臨床経験が長い医療従事者でも冷静に対応しているように見えて実は、急変には焦るとの声を多く聞きます。
では、どのようにアセスメントを行えば焦らず冷静に対応できるのでしょうか?
冷静に対応できるようになりたいと思う方は、是非最後までご覧ください。
意識障害とは
そもそも意識とは一般に「起きている状態にあること」または「自分の今ある状態や、周囲の状況などを認識できている状態のこと」を指します。
覚醒し周囲の状況を認識でき、それに適した運動を起こすことができる状態です。
では意識障害とは、上記の逆の状態で自分の名前や年齢が言えなかったり、今いる場所や時間を正確に言えないなどがみられる状態です。
意識障害をきたす原因
原因は主に2つに分けられます。
一次性脳障害:頭蓋内病変
例) 脳血管障害、頭部外傷、頭蓋内感染症、脳腫瘍、てんかん
二次性脳障害:頭蓋外病変、全身の異常
例)循環不全、呼吸障害、糖代謝異常、電解質異常、肝障害、腎障害、内分泌障害、ビタミン欠乏、中毒、体温異常
脳ヘルニア兆候を見逃さない
脳ヘルニア兆候とは、脳腫瘍・脳内の出血・他の腫瘤などにより頭蓋内圧が亢進することで脳の一部が押し出されて、呼吸の異常や筋肉の過剰収縮、精神機能の障害、昏睡などが起きます。
脳ヘルニアを認める場合、、、
すぐにドクターコールまたは救急車を要請してください。
頭蓋内圧の減圧のためにベッドの頭側を15°〜30°ヘッドアップしておきましょう。
血糖異常による意識障害
意識障害の多くは、一次性脳障害よりも二次性脳障害の方が多くみられます。
血糖異常による意識障害も多くみられ、まず簡易血糖測定器を用いて血糖値の測定を行いましょう。もし測定器が手元になければ、ケトン臭や濃いく泡立つ尿により高血糖、動悸・振戦・発汗により低血糖を疑えます。
対応方法
1、緊急性の評価
重度の意識障害(JCS II-30、GCS合計8点以下)の場合は緊急性が極めて高く、直ちにドクターコールか救急車を要請する。
2、呼吸管理
・呼吸停止を認めている場合はBLS(一次救命処置)を行いましょう。
・除呼吸や異常な呼吸パターンを呈することがあるため、普段から呼吸様式の観察を行なっておきましょう。
3、循環管理
・不整脈や血圧異常、頻脈や徐脈を認めることがあり、意識障害に加えて循環異常がある際は医師に相談しましょう。
※頭蓋内圧の亢進で意識障害が起こっている場合、クッシング症候群(高血圧を伴う徐脈)を呈する事がある。
4、体位・体温管理
・嘔吐している場合は吐物による気道閉塞や誤嚥予防のために、側臥位となり顔は横に向けておきましょう。
・高体温は涼しい場所に安静臥床させ服を緩ませ冷却処置を行い、低体温であれば、温かい場所に安静臥床させ濡れた衣服は脱がし保温を行いましょう。
是非、明日から「あれ?いつもと様子が違うぞ」との変化に気づくために、患者様・利用者様の普段の状態を把握しておきましょう。
本記事内容で完璧に対応できる訳では無く、あくまでも対応の参考の一部と捉えて頂ければ幸いです。
以上、リハキムでした!