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秋田旅、女の子と連絡先を交換


 JR東日本の商品に「地・温泉」という、JRが厳選した温泉宿と新幹線がセットになったものがある。

 今回は「地・温泉」で秋田県の乳頭温泉に行ってきた。

13:10 田沢湖駅に到着。

田沢湖駅と田沢湖は離れているらしく、バスで移動。外国人の方が多く、15人ほど乗っていた。

揺られること20分、田沢湖に到着。


後から気付いたが、バスで田沢湖一周するコースがあるらしい。自分はゆっくり周りたかったので、田沢湖で途中下車。

外国の方たちはそのまま湖を一周するらしく、田沢湖のバス停で降りたのは、自分と、同い年くらいの女性の2人だけだった。

田沢湖を見たいが、まずはお腹が空いたので、バス停のすぐそばのレストハウスで稲庭うどんを頂く。

確か700円

腹拵えを済ませ、レンタサイクル屋に向かうと、さっき一緒にバスを降りた女性が先に借りていた。

自分も後に続いて手続きをし、いざ走り出そうとしたが、その女性がどうやら困っていた。

すると

「すみません、ブレーキってここですか?」

とその人に話しかけられた。

「そこで合ってますよ」

と返す。

「すみませんが、ちょっとだけ練習付き合ってくれませんか?」

と言われた。
時間はいくらでもあるので、付き合うことに。

と言っても、ギアとブレーキを教えると一応漕げるようになったので、流れで

「じゃ一緒に周ります?」

と言って、一緒に周ることになった。

一周は20km

気持ちのいい木陰を漕ぎながら、色々と話した。

彼女はマレーシア出身で、日本で働いて1年になるらしい。今は遅めの夏休みで、東北を全部1人で回っているらしかった。

母国で自転車にほぼ乗ったことがなかったため、手こずっていたようだ。

彼女はまだ真っ直ぐ漕ぐのが難しいらしく、車が通る時は止まり、いなくなったら漕ぐというのを繰り返した。

途中わがままを言って、「思い出の潟分校」に寄り道。

誰かと行く旅もいいね

小学校跡を見学できるらしく、マレーシアの学校はどうだった?などと思い出話をしながら、ぶらぶらと学校を探索した。

木造で落ち着いた雰囲気の漂う空間で、木造の学校に通ったことはないが、不思議と懐かしい気持ちになった。

自転車旅を再開。  

彼女とは今まで日本のどこに訪れたか、仕事は何か、大学で何を勉強したかなどを話しながら、木に囲まれた静かな湖畔の道を漕ぐ。

少しすると、有名なたつこ像へ到着。

意外と汚れてる

ここで記念に写真を撮りあった。(彼女は恥ずかしいと言ってカメラマン役に回ったが。)

自転車を返す時間が迫ってきたので、スピードを上げる。

ここで、また話しながら漕いでいると、お互い趣味が登山なことが判明!

自分の趣味も登山なので、山トークで盛り上がる。タメ口で話すようになった。


そろそろ一周終わるというところで、一台の車が自分たちを追い抜いた後、停車した。

どうしたんだろうと見ていると、なんと目の前に子グマが。

車から人が出てきて、

「この先クマがいるので待って下さい!」

と言われる。驚きのあまり何を言っているか一瞬分からなかった。

道路の栗を食べてるらしく、クラクションを鳴らしても、クマ避けスプレーを使っても動かない。

「近くに親熊がいるかもしれないので、いざとなったら私の車に乗って下さい!」

どうやら地元の方らしい。初めての野生のクマを見た僕と彼女は少し動揺する。

5分ほどすると、クマは山の方に帰っていった。動物園のクマとは違い、走って行く姿はまるで着ぐるみを着た人間かのような俊敏さだった。

「ある程度建物がある場所まですぐ後ろから着いて行くので、気を付けて行って下さい」

と親切にも送ってくれた。


無事に建物が立ち並ぶところまで来て、ホッとしながら、でも急ぎつつレンタサイクル屋に向かう。少し遅れたが、到着。


ここで彼女とは宿が違うので、お別れ。

バスの時間まで20分あるので、最後に湖を見納め。そこで、

「せっかくだから連絡先交換しましょう」

彼女がそう言ってくれた。

夕日を見ながらLINEを交換。

一緒に一周しようという誘いが強引だったかなと、少し気にしていたので、
その言葉が嬉しかった。

バスが到着した。自分はバスで宿に向かい、彼女は駅に荷物を取りに行くのでタクシーを呼んだ。

バスから手を振って、お別れ。

このバス停で出会って、別れた

田沢湖は忘れられない場所になった。


・・・


40分ほどで宿に到着。

疲れたしお腹空いたので、お風呂とご飯。

ご飯と
お風呂

「地・温泉」だと、料理に3皿追加されるらしく、日本酒も付いてきた。
しかし量が多過ぎて少し残してしまった。 ごめんなさい。

お風呂は混浴露天風呂と、内湯と、貸切風呂の3種類がある。

どのお風呂に入っても自分1人で非常に快適だった。

新しい出会い、クマとの遭遇、自転車で田沢湖一周など色々イベントがあり疲れていたので、部屋に帰ってすぐ寝た。おやすみなさい。

星が綺麗


2日目

5:30起床。

起きると、風の音と鳥のさえずりしか聞こえないほど、辺りは静寂に包まれていた。

しばらく都会の喧騒を忘れよう。

ドビュッシーの「月の光」を聴きながら
ぼーっとする

6時なら誰もいないだろうと思い、露天風呂に行く。

1時間ほど浸かったあと、7時から朝食。

毎朝食べたい。

名残惜しく思いつつ、送迎バスで送ってもらい、田沢湖駅へ戻る。

お世話になりました。


新たな出会いがあった。

あの時新幹線を降りてすぐバスに乗っていなかったら、先に昼食を済ませてから自転車を借りていなかったら、そもそもこの日に旅行に来てなかったら…

何かがズレていたら会うことは無かったと考えると、奇跡的な巡り合わせだと思った。
(彼女とは、家の最寄駅が隣で、職場は同じ市だった)


1人旅の良さを大いに実感した日だった。

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