おとぎのおはなし ねこまや

 KP : これよりクトゥルフ神話TRPG第6版
く様作「おとぎのおはなし」のセッションを始めます。

導入

 KP : 貴方を、誰かがゆさぶっていた。

 KP : さわさわと草が風にそよぐ音、水のせせらぎが聞こえる。

 KP : 心地のいい微睡みに貴方の頬を、ぺちぺちと小さな手が叩く。暖かい陽が、目蓋の裏を優しく射した。

?? : …てください。おきてください

 KP : 貴方は目を開けた。

 KP : そこに居たのは、どこか見覚えのある──幼い、少女だった。

目覚め

千代延 真耶 : ん……あら……?

黒山寧子 : おはようございます

千代延 真耶 : えっと……貴方は、もしかして……?

千代延 真耶 : CCB<=75 【アイデア】 (1D100<=75) > 48 > 成功

 KP : 「この子はもしかして寧子の幼い頃では?」と思う。

千代延 真耶 : ……ねこちゃん?

黒山寧子 : はい。黒山ねこです

黒山寧子 : はじめまして

千代延 真耶 : 〈!もしかして記憶が無い…?〉

千代延 真耶 : ……初めまして、ねこちゃん。私は千代延真耶。

黒山寧子 : まやさん

黒山寧子 : よろしくおねがいします(ぺこり)

千代延 真耶 : (にこにこ微笑ましそうにしながら)ふふ。こちらこそ宜しくね。

 KP : 【探索可能箇所】

・周辺

・寧子

千代延 真耶 : 〈それにしても、ここは何処かしら…〉(周辺を見渡す)

 KP : どこを見ても緑、緑、緑。硝子越しに射し込む柔らかい陽射しと、あたりに満ちた植物のにおい。レンガの床、整備された花壇や蔦這うアーチ、咲き乱れる花々、水飛沫を散らせる大きな噴水。ガラスドームで出来たここは、どうやら植物園のようだ。勿論貴方には見覚えがない。

千代延 真耶 : 〈初めて来る場所みたいね…お花もたくさんあって、とても綺麗…〉

千代延 真耶 : …ねこちゃん、ここが何処だか分かる?(寧子ちゃんに話しかける)

黒山寧子 : わかんないですね

 KP : 【目星】を振って下さい。

千代延 真耶 : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 84 > 失敗

黒山寧子 : あ、

黒山寧子 : そういえば、これ(カードを渡す)

千代延 真耶 : ?(カードを受け取って見る)

 KP : 『目の前の彼女は紛れもなく君の大事なひと本人だよ。ちょっとばかり厄介な呪いをかけられているから、君の力でなんとかしてあげるといい』と書かれている。

千代延 真耶 : まあ…誰がねこちゃんに呪いなんて…

千代延 真耶 : (カードの裏も見る)

 KP : 裏には

『君たちだけのお伽噺の手助けをしてあげよう。ヒントはそこら辺に散りばめておいたから頑張れ(グッドサインの絵文字)』と書かれている。

千代延 真耶 : 御伽噺……?(首を傾げる)

黒山寧子 : ?なんて書いてますか?

千代延 真耶 : んっと…ここからおうちに帰るための方法って言ったらいいのかしら。

千代延 真耶 : 大丈夫よ。私も一緒に行くわ。

黒山寧子 : やった。ありがとうございます

千代延 真耶 : それにしても、不思議な所ね…(ガラスドームの外を見る)

ガラスドーム

 KP : 貴方はガラスドームの外へ目をやる。そして、その先に広がる光景に呆然とした。

湖面。青い青い、静かに青色をたたえる一面の湖。果てもなく、あてもなく。

 KP : どこまでもどこまでも青いその先、ガラスで隔たれた外の世界には──何も無かった。

 KP : 何も無い。陸も建物も船も生き物も、何ひとつ無い。

 KP : ぽつんと、貴方達のいる庭園がたったひとつ、浮かんでいるだけだった。

 KP : "なにもない外"に衝撃を受けた貴方は0/1のSANcです。

千代延 真耶 : 1d100<=71 【SAN値チェック】 (1D100<=71) > 9 > 成功

千代延 真耶 : 〈この場所だけまるで海に浮かぶ島みたいだわ…どうやって出ればいいのかしら…〉

黒山寧子 : …………なんにも、ないですね

黒山寧子 : …家にかえれなかったらどうしよう

千代延 真耶 : !…大丈夫よ、きっと。

千代延 真耶 : 怖かったら、私と手を繋ぐのはどうかしら。

黒山寧子 : え、いいんですか

千代延 真耶 : ええ。それでねこちゃんの不安が無くなるなら。

黒山寧子 : わーい、じゃあえんりょなく(手を繋ぐ)

千代延 真耶 : ふふ。せっかくだから一緒に色々見て回りましょうか。

黒山寧子 : はい。まやさん

 KP : すると、風が一瞬吹く。吹き止んだかと思うと、寧子の目から涙が流れた。どうやら目にゴミが入ったらしい。

千代延 真耶 : ねこちゃん!?目が痛いの…?

黒山寧子 : ……ちょっと(目をごしごしと拭う)

千代延 真耶 : 擦ったらダメよ、目が傷付いてしまうかもしれないし…少し診てもいい?

黒山寧子 : はい、すみません

千代延 真耶 : (寧子ちゃんの目を覗き)…うん。涙で目のゴミも流れたみたいだわ。よかった。

千代延 真耶 : もう痛くない?(涙を拭う)

黒山寧子 : はい

 KP : するとふわり、暖かい光が寧子を包んだ。

パリンと何かが砕け散る音が響く。

 KP : 音の出所を探れば、寧子の左手の薬指に指輪が嵌っていたことに気が付く。

 KP : 指輪を見てみれば、色とりどりの石が四つ嵌っている。いや、元は五つだったのだろう。先ほどの音はここから出ていたことが分かる。

 KP : それからは美しくも禍々しさを貴方は感じる。それに目を向けた一瞬、ほんの一瞬だけ、冷水を浴びたような悪寒が貴方に襲った。

 KP : 底知れぬ不気味さに0/1のSANcです。

千代延 真耶 : 1d100<=71 【SAN値チェック】 (1D100<=71) > 9 > 成功

千代延 真耶 : あら?ねこちゃん、指輪なんてしてたかしら…

黒山寧子 : んあ、なんだこれ

千代延 真耶 : 〈ねこちゃんも知らないって事は…呪いをかけた人が嵌めたのかしら…〉

千代延 真耶 : ……でも綺麗ね、ガラスが付いててきらきらしてるわ。

黒山寧子 : わたしが着けるよりもまやさんがつけた方がにあってると思いますよ

千代延 真耶 : !もう…褒めるのが上手なのは同じね…

千代延 真耶 : でも私にはサイズが合わなそうだし、ねこちゃんにもよく似合っていると思うわ。だからねこちゃんが着けていて?

黒山寧子 : そうですか…(しょも)

千代延 真耶 : そんな悲しそうな顔しないで?本当の事なんだから。

千代延 真耶 : …ね、あそこに素敵なお花畑があるみたいなの。行ってみない?

黒山寧子 : いきたいです(まやさんといっしょなら)

千代延 真耶 : ふふ。じゃあ、はい。(寧子ちゃんに片手を差し出す)

黒山寧子 : (手を繋ぐ)

千代延 真耶 : (そのまま花畑に向かいます)

花畑

 KP : 広い植物園の一角、丘のようになったところ。白くて小さな丸っこい花とクローバーが咲き乱れている花畑。中に踏み入って歩いても大丈夫そうだ。土に刺さったプレートには『シロツメクサ』と書かれていた。

 KP : 【目星】を振って下さい。

千代延 真耶 : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 47 > 成功

 KP : 花畑に埋もれたカードを見つける。

 KP : 『可愛いあの子には可愛いティアラがつきものだよね。花で編めたら最高だろう?』

千代延 真耶 : (カードを拾い上げ)まあ、ティアラ作りですって。これだけ綺麗に咲いてたら作れそうね。

千代延 真耶 : CCB<=13*5 【DEX × 5】 (1D100<=65) > 6 > スペシャル

黒山寧子 : CCB<=60 (1D100<=60) > 12 > スペシャル

 KP : とても綺麗な花冠を作ることが出来るだろう。

千代延 真耶 : ねこちゃんの作ったティアラ、とっても上手に出来てるわ。

黒山寧子 : ありがとうございます

黒山寧子 : …(まやさんの頭の上に乗せる)

千代延 真耶 : …ありがとう、どうかしら?

黒山寧子 : めちゃくちゃかわいいです(ぐっとサイン)

千代延 真耶 : ふふっ。嬉しい。…じゃあ私が作ったのと、交換ね。

千代延 真耶 : (寧子ちゃんにシロツメクサのティアラを着けてあげる)

千代延 真耶 : ……うん、よく似合ってる。可愛い。

黒山寧子 : ………

黒山寧子 : ありがとう、ございます

 KP : 花かんむりを被せると、寧子が仄かな光に包まれる。

 KP : パリン、何かが割れる音が響き、そして光は霧散する。ぱちぱちと瞬きを繰り返す寧子の指輪の石は、残り三つ。

黒山寧子 : あ、石が

千代延 真耶 : さっきと同じ、割れた音がしたわね…やっぱりこの音だったんだわ…

黒山寧子 : なんでしょうね、これ

千代延 真耶 : うーん…あのカードの言う通りにしたらこうなったんだし、このまま全部割れたら何かが起こるのかもしれないわね。

黒山寧子 : はは~、なるほど

千代延 真耶 : ふふ。これでおうちに帰れたらいいわね。

黒山寧子 : …そうですね

千代延 真耶 : ガラスはあと3つ…他の場所も探してみましょうか。

黒山寧子 : はい

千代延 真耶 : (手を繋いで蕾の花壇に向かいます)

蕾の花壇

 KP : 色とりどりの花が無数に咲いている。が、そのどれもは蕾だ。

 KP : 【目星】を振って下さい。

千代延 真耶 : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 67 > 成功

千代延 真耶 : CCB<=70 【幸運】 (1D100<=70) > 69 > 成功

 KP : 『花にはそれぞれ想いが込められている。言葉を贈るのが難しいなら、花を贈ってあげなさい』と書かれている。

 KP : 貴女は、ここ一帯の花はすべてチューリップであることが分かるだろう。

千代延 真耶 : チューリップ…確か色によって花言葉が違ったっけ…

 KP : 【目星】を振って下さい。

千代延 真耶 : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 57 > 成功

 KP : 美しく満開に咲いたピンクのチューリップを見つけることが出来る。おあつらえ向きに足元には園芸ハサミが落ちている。

千代延 真耶 : あ、ピンク……花言葉は……(思い出している)

千代延 真耶 : ……そうね、これにしましょう。

千代延 真耶 : (チューリップの根元をハサミでカットする)

千代延 真耶 : ────ねこちゃん。これ、どうぞ。(差し出す)

黒山寧子 : !………

黒山寧子 : …うはは、ありがとうございます

千代延 真耶 : どういたしまして。…ピンクのチューリップの花言葉は知ってるかしら?

黒山寧子 : ……わかんないですね~

 KP : ほわり、光が寧子を包む。パリンと音がして、その指に嵌められた指輪の輝きはあと二つになった。

黒山寧子 : …あ

千代延 真耶 : また割れた…さっきの予想通りかしら。

黒山寧子 : ぽいですね

千代延 真耶 : …じゃああと2つ、行ってみましょう。

千代延 真耶 : あ、そうだ。チューリップって送る本数にも意味があるそうよ。

千代延 真耶 : ……帰ったら調べてみて。

黒山寧子 : …あい

千代延 真耶 : (白薔薇の花壇に向かいます)

白薔薇の花壇

 KP : 蕾ばかりの茨の花壇だ。しかしここに咲いているのは真っ白な薔薇だけらしい。

黒山寧子 : お~……きれい

千代延 真耶 : ね。これからもっと綺麗に咲くんでしょうね…

 KP : 【目星】を振って下さい。

千代延 真耶 : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 94 > 失敗

黒山寧子 : CCB<=50 (1D100<=50) > 20 > 成功

 KP : 寧子が茂みの中にカードを見つける。

黒山寧子 : …あ、カード(拾おうとする)

 KP : カードを拾った寧子が何かに触れる。途端、その身体がふらりと傾いだ。

どさ、と音がして。

 KP : 寧子は、そこに倒れ伏していた。

千代延 真耶 : な……ねこちゃん!大丈夫!?(寧子ちゃんを抱き起こす)

千代延 真耶 : そ、そうだカード…今度は何が…(カードを見る)

 KP : 『眠り姫は茨に包まれた城で眠ったらしい。茨の棘は、糸車の針の代わりになってしまうかもしれない。もしそうなった時は、君が目覚めを贈ってあげなさい』と書かれている。

 KP : 刹那、ぶわり、咲き誇る純白が突如真紅に染まる。恐ろしい程に美しいその赤に、貴方は背筋をふるわせる。

 KP : すうすうと微かな寝息。閉じた瞼はどうやっても開かない。寧子は、まるで死んだように眠っていた。

千代延 真耶 : 茨の棘……これを拾った時に触ってしまったのかも…

千代延 真耶 : 目覚めさせるといっても、どうやって…

千代延 真耶 : CCB<=85 【知識】 (1D100<=85) > 31 > 成功

 KP : 貴女は『眠れる森の美女』という童話の中に、王子が王女にキスをし、王女が目を覚ます描写があったことを思い出す。

千代延 真耶 : 眠り姫といえば、確か童話でそんな話が……

千代延 真耶 : ………あわ……まさか……(頬が赤くなる)

千代延 真耶 : 〈そういえばまだキスはした事なかった…でも…〉

千代延 真耶 : ご、ごめんねねこちゃん、こんな形で……許してね……(そっとキスをする)

 KP : キスをするならそのまま目覚める。ぱちぱちと瞬きを繰り返している。

千代延 真耶 : お……おはようねこちゃん……体は大丈夫……?

黒山寧子 : …おはようございます。ぜっこうちょうです

千代延 真耶 : そっそう……ならよかった…(ぷしゅうと音が出そうな程赤くなっている)

黒山寧子 : …〈まやさんの方が顔赤いな…〉

 KP : 寧子の指は光を纏い、パリンとまた砕ける音が響いた。残されたのは、あと一つ。

千代延 真耶 : ぁ、あと1つだわ……もう少しね……

黒山寧子 : そうですね

黒山寧子 : …(手を繋ぐ)行きますか?

千代延 真耶 : !…ええ。

千代延 真耶 : 〈だめだめ、私がしっかりしないと…〉(噴水に向かいます)

噴水

 KP : この植物園の中央にある大きな噴水。やたら冒涜的で精巧に造られた蛸と水瓶から水が噴きでているデザイン。底にはどうやら水晶らしき透明の石が敷き詰められているらしく、透き通った水中で陽射しを反射してきらきらと輝いていた。

 KP : 寧子は無邪気に駆け寄って水面を覗き込んでいる。

千代延 真耶 : あ、ねこちゃん!落ちないようにね…!

黒山寧子 : は~い(噴水をのぞきこむ)

 KP : 【目星】を振って下さい。

千代延 真耶 : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 73 > 成功

 KP : 水面の底にカードが沈んでいるのを発見できる。

千代延 真耶 : よっと……(噴水に腕を浸してカードを取る)

 KP : 『人魚姫は泳げる尾ひれと引き換えに人間の足を手に入れたんだって。もし彼女が人魚姫になっても、君が抱きあげて運んであげられるね』と書かれている。

 KP : 貴方がカードを読み終えた時、ばちゃん!と大きな水しぶきが上がる。慌ててそちらを見ると、びっしょりと濡れて噴水の中に座り込んだ寧子がぷるぷると首を振って水分を飛ばしていた。

黒山寧子 : うべあっっ

千代延 真耶 : きゃっ!もう…だから言ったでしょう?危ないからって…

黒山寧子 : うはは、すいやせー…

 KP : けらけらと笑い飛ばそうとした寧子は、突然表情を驚きに染め、焦ったように貴方を見上げる。

黒山寧子 : ……あ、

黒山寧子 : あし、うごかない、です

千代延 真耶 : え、脚……?(寧子ちゃんの脚を見る)

 KP : 彼女の濡れた足には魚の鱗のようなものが所々に生えている。

千代延 真耶 : う、鱗…!?もしかして人魚姫って…

 KP : 【目星】を振って下さい。

千代延 真耶 : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 98 > 致命的失敗

千代延 真耶 : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 98 > 致命的失敗

千代延 真耶 : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 41 > 成功

 KP : いつのまに用意されたのか、近くのベンチに編みかごにこんもりとバスタオルが盛られている。そこはぽかぽかと陽射しも暖かく、のんびりしていれば濡れた服もすぐに乾きそうだ。

千代延 真耶 : …そうだ、風邪をひいてしまうし取り敢えず拭かないと。

千代延 真耶 : ────ねこちゃん、少しじっとしててね。(寧子ちゃんをお姫様抱っこでベンチへ運ぶ)

黒山寧子 : ……(ぱちくり)

千代延 真耶 : (バスタオルで寧子ちゃんの体を拭きます)

黒山寧子 : …ありがとうございます

千代延 真耶 : いいのよ。…これでよし、と。

 KP : 途端にその身体は仄かな光に包まれ、またパリンと何かが割れる音。その指に嵌められた指輪の石は、全て砕け散った。

千代延 真耶 : あ、ガラスが…!

黒山寧子 : あ、なくなった

黒山寧子 : …あ、そうだ

黒山寧子 : 最後に、行きなさいって言われた所があるんですけど

千代延 真耶 : !それは誰から?

黒山寧子 : …誰だったっけ……

黒山寧子 : なんか…おじさんだったような…そうじゃないような……

黒山寧子 : まぁ、行きましょう(手を繋いで案内する)

千代延 真耶 : わ、分かったわ。お願い。(ついていく)

道すがら

 KP : 寧子はそう言って貴方の手を引く。蕾ばかりの薔薇と茨が伝うアーチをくぐって、寧子は歩き出す。傍には沿うように小川が流れ、水のせせらぎが静かに聞こえる。

 KP : レンガ造りの道がしばらく続き、貴方たち二人だけの足音を鳴らしていた。

千代延 真耶 : ……それにしても、本当に綺麗な所ね。

黒山寧子 : …そうですね

黒山寧子 : …あの…

黒山寧子 : さっきは、すみませんでした

千代延 真耶 : ?さっきって……噴水での事?

黒山寧子 : …まぁ…はい(しょんぼり)

千代延 真耶 : ……ふふ。確かに注意したのに落ちちゃったのは悪い子だけれど…

千代延 真耶 : こうしてちゃんと謝れて偉いわ。(微笑む)

黒山寧子 : ……そう、ですかね

千代延 真耶 : ええ。私はねこちゃんの事、優しい良い子だって知ってる。

千代延 真耶 : ……きっと、素敵な大人になるわよ。

黒山寧子 : …ですかね~…

秘密の薔薇園

 KP : 薔薇と茨のトンネルを抜けた先には、開けた円形の空間があった。ぐるりと空間を囲むように茂る緑には真っ白な薔薇が満開に咲き誇り、甘く心地よい香りにあたりは満ちている。

 KP : 二つの椅子、テーブルクロスの敷かれたテラステーブルの上には二人分のティーセットに皿、良く磨かれたカトラリー。一体いつ用意されたのだろう、湯気を立てるティーポットと見るからに美味しそうなケーキや軽食たちの載ったケーキスタンド、スコーンいっぱいのバケットやチョコレートにマカロンが盛られた器まであった。

黒山寧子 : お茶会すれば、終わりって言われました

千代延 真耶 : お茶会……今までのカードの指示といい、本当に御伽噺みたいね。

千代延 真耶 : せっかく美味しそうなお菓子やお茶もあるし、楽しみましょうか。

黒山寧子 : …そうですね

千代延 真耶 : CCB<=13*5 【DEX × 5】 (1D100<=65) > 41 > 成功

 KP : 紅茶を美味しく淹れることができた。

千代延 真耶 : はい。淹れたてで熱いから気をつけてね。(寧子ちゃんにカップを渡す)

黒山寧子 : ありがとうございます(受け取る)

黒山寧子 : …これってどれから食べたらいいんだろうか…(ケーキスタンドを見つめ)

千代延 真耶 : ふふ、好きなものから摘んでいいわよ。2人きりなんだし。

黒山寧子 : …たしかに…

黒山寧子 : じゃあ、お言葉にあまえて(マカロンを取る)

黒山寧子 : …なんだこれ…

千代延 真耶 : それはマカロンっていうのよ。確かお砂糖や卵白とかを使ってるんじゃなかったかしら。甘くて、さくさくふわふわしてるの。

黒山寧子 : まかろん……

黒山寧子 : いただきます(一口食べる)

千代延 真耶 : 美味しい?

黒山寧子 : ……おいしいです(目を輝かせて)

千代延 真耶 : よかった。紅茶にもよく合いそうね。

黒山寧子 : …〈まやさん、様になってるなぁ…〉

千代延 真耶 : …?どうかした?

黒山寧子 : あ、いやまやさん、お嬢様みたいだなと思っただけなので

千代延 真耶 : ふふっ、お嬢様だなんてそんな優雅な人じゃないわよ。

黒山寧子 : わたしはお上品な人だと思ってますよ

千代延 真耶 : そう?

千代延 真耶 : ……でも私は畏まった場所でお茶をするより、ねこちゃんと一緒にのんびりおやつを食べてる方がずっと好きよ。

黒山寧子 : …そうなんですね

黒山寧子 : …まやさんっておしごとはなにやってるんですか

千代延 真耶 : 学校で保健の先生をしているの。保健室で怪我や病気の手当てをしたりする人。

黒山寧子 : あ、ほけんしつの先生なんですね

千代延 真耶 : そうそう。私が居るのは中学校だから、今のねこちゃんよりもうちょっと上の子達の担当をしているわ。

黒山寧子 : はえ~…なるほど…

黒山寧子 : …はやく中学生になりたいな

千代延 真耶 : ……ふふ。中学生のねこちゃん、今とあまり変わらないと思う。勿論良い意味でね?

黒山寧子 : …?そうですかね…

千代延 真耶 : ええ。可愛い子になるわよ。

黒山寧子 : …かわいい子ですか…

千代延 真耶 : ………今のねこちゃんも可愛いけれど、私は成長したねこちゃんも可愛くて好き。

千代延 真耶 : それだけは、知っておいてほしいの。

黒山寧子 : ??(首を傾げる)

黒山寧子 : わかりました?

 KP : 真耶さんはカップソーサーに文字が書かれていることに気づきます。

 KP : 『ハッピーエンドのお時間だ。お伽噺の最後は勿論、真実の愛のキスで』

千代延 真耶 : ………え、(動揺して持っていたマカロンをテーブルに落とす)

黒山寧子 : …?どうかしましたか?

千代延 真耶 : あ、ぇ…えっと……その……(目を逸らす)

黒山寧子 : (カップを強奪する)

千代延 真耶 : あ!そ、それは……!

黒山寧子 : …ほほう…〈漢字分かんないけどなんとなくわかるぞ…〉

千代延 真耶 : ……見ちゃった?

黒山寧子 : はい

黒山寧子 : (真耶さんの隣まで移動する)

千代延 真耶 : まっ待ってねこちゃん、心の準備が!というかさっきのあれもねこちゃんとの初めてのキスだったのに…!(あたふた)

黒山寧子 : まぁそれはねてたので、のーかんというやつで

千代延 真耶 : なるかしら…!?それにしたって、小さいねこちゃんとするのは流石に私お咎めじゃない…!?

黒山寧子 : わたしからするんで、だいじょうぶですよ

千代延 真耶 : そ、そういう事じゃなくて…!(目をきゅっと瞑る)

黒山寧子 : (口にキスをする)

 KP : 柔らかい唇に触れる。

 KP : 仄かな光は暖かく寧子を包み、指輪はかしゃんと砕け散った。

エンディング

 KP : 甘い時間を過ごした貴方たちを、ふわりと微睡みが包み始める。

 KP : 不思議に心地よい、けれどいつもとは少しだけ違う二人だけの時間。不可思議な夢を見たと笑いあうのか、それとも胸の内に秘めたままにしておくのか。

 KP : 目覚めたあとにどうするのか、それは貴方が決めること。

 KP : さあ、眠ろう。幼げな笑顔とはさようならをして、いつもの君に逢うために。

 KP : そうして、貴女たちは瞼を閉じた。

 KP : ふ、と目を覚ました。

 KP : どうやら机に突っ伏して眠っていたらしい。身体の節々が少しだけ痛む。オレンジ色の夕暮れがカーテン越しに射し込んでいた。

 KP : 隣にはすよすよと同じように眠る寧子がいる。いつも通り、貴方の知る寧子が。

 KP : さあ、一体何から話そうか。

 KP : シナリオクリアです。お疲れ様でした。

ピンクのチューリップの花言葉
・誠実な愛
・愛の芽生え

チューリッププレゼントの意味
一本…「あなたは私の運命の人」


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