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あぶない高齢者

「あぶない高齢者」と書くとなにやら警鐘めいた内容になりそうなのだけれどもそういうことでは全然ないのです。

先日「帰ってきたあぶない刑事」を見に行ってきたという話です。

ゴールデンウィークに横浜に遊びに行っていたんですが、その時に街のあちらこちらで「あぶない刑事」の宣伝を目にして、「なんで今さら?」とちょっと不思議な気がしていたのです。

まさか新しい映画が公開されていたとは夢にも思っていなかったので。

だって...ねぇ。

「あぶない刑事」は一時ハマっていたこともあったのですが映画はCWのドラマ「フラッシュ」のバリー死ぬ死ぬ詐欺みたいに毎度2人がこれで最期みたいな打ち上げ方しつつ、ありえない状態に陥りながら生き延びるという荒唐無稽というか「んなアホな」と何か外した気分にさせられることばかりで、「Doctor Who」にハマって以降はもうそれどころではなくなってしまったし...な。

でもまぁバディものは大好物なので、ヘタをすればこれが2人を一緒にいるところを見られるのはリアルに最後かもしれないと思って本当に久しぶりに劇場に足を運んだのです(ワタシは完全なる配信視聴派)。

子供の頃にハマったものというのはなにやら恐ろしく鮮明に身体に刻まれているものなのかあまりにもなんにも変わっていないノリというか空気感にビックリしたというか、まるで見ていなかった期間などなかったかのように引き戻されまして。

帰ってきてから1番最初の映画を見てみたんですが、フォーマットがまったく変わってないというか不思議な地続き感にビックリというかなんなんだこれはという驚きというか、「へー」って。

ちょっとその感覚の正体を探ってみたくて配信のありがたみでドラマをいま見返しているんですが、なんとまぁ。ロングコート翻して横浜の街を走り回ってる大下勇次はもうなんか10をみているようでしたよ。

ずーっとロングコートを翻して走りたいというテナントさんのこだわりはどこから来てるんだろうと不思議で映画の「マトリクス」かなぁと当てをつけていたのですが、この1980年代のドラマでもすでにロングコート翻してRun for your lifeやってる人がいるよとなんか驚いてしまって。

まぁよもや「あぶない刑事」を見たからっていうわけでは全然ないでしょうが、というかヒーロー/ヒロインにロングコート翻して全力疾走させたいと映画やドラマの作り手たちがロマンを抱くようになった起源はいったいどこにあるんだと。

コートが印象的というイメージでいくなら「刑事コロンボ」なのかもしれないけれどでも別に全力疾走していた覚えは....あまり....(全部見たことないですが)

TV版「あぶない刑事」は世の中がヘビースモーカー過ぎた時代かつ男女雇用均等法が制定される前後?加えて容疑者かどうかもわからない相手を殴る蹴る脅すが常套手段すぎて「きっとこれはアクションファンタジーシットコムなジャンルなんだろう」とでも思わないとダメすぎるシーンの連打なんですが、なんとなく「NCIS」シリーズとか見ている感覚と変わらない感じがあって、他愛なく笑ったりハラハラしたりしつつも見終わったら何も残らないという感じはなるほど海外ドラマにハマる下地づくりを果たしてくれていたんだろうかと思ってみたり。

そういったこと以外でも「帰ってきたあぶない刑事」をみてからドラマを見ていると何やら鷹山刑事と大下刑事を見ているのが余計にオモシロ楽しく。なんだかんだ言ってキミらは70歳過ぎても一緒にいて同じようなことやってるんだよと毎度思って可笑しくなってしまう。

なんでそこにそんなに可笑しさ楽しさを感じてしまうのだろうとこれまた我ながら不思議なのだけれども、まさに「死が2人を分つまで」の領域にきている2人を目撃できたからなのかもしれないなと。

間違いなくかつてのように軽やかに走れるわけでも戦えるわけでも全然ないし「老害」と言われかねないところもあるのかもしれないけれども考えてみればなんで年を経たからって「害」扱いされなあかんねんという、古かろうが時代にあってなかろうが自分らしく生きて何が悪いというところもあって。年若かろうが老いてようがモラルやエシックの矢印がきちんとヒトとしてリスペクトできる方向を向いているのであれば文句言われる筋合いはないんじゃないかとかそんなことも思って。

まぁどっちかといえばそろそろそっち側に近づきつつあるからそう思うのかもしれないけれども。

フィクションのキャラクターとはいえあれほど命を顧みない2人が無事に老いてそれでもまだ相変わらずだったっていうのが、それこそ「Doctor Who」のドクターがどの時代にもいつもいてくれるみたいな何か安心感みたいなものを感じられて。

それにしても1980年代のドラマはこんなにサクサクみることができるのになぜ履修必須科目として攻略しかかっている「バフィー 〜恋する十字架〜」の視聴が苦痛でしょうがないのはなぜなのか...。古いからかなとも思ったけれど、古さでいけば「あぶない刑事」や「Classic Doctor Who」に断然軍配があがるのに不思議だなぁー。

はてさて「バフィー」と「エンジェル」頑張らねばな...(は?)


↓意図せずロケ地巡りになってたのが嬉しくて写真をべたりベタリベタリ。

そりゃこの界隈で予告流れまくってたわけだなーと。
映画みながら納得していたわけでありました。

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