旭丘を改造する

私の母校である愛知県立旭丘高校だが、在校生なり卒業生と話していて思うことがある。

まず、公立中学と相性が悪すぎる。管理教育の風土であり、問題に対してその解決策が決して理性的ではない中学の環境に馴染んだ生徒に、自由のみならず放任まで進めるのはやはり、問題を抱えざるを得ない。次に、県トップの実績に見合わない「進学に向かない」スタイルの指導方針。私自身は一切悪いとは思わないし、むしろこれこそ、最上位の高校たる証だと思うが、高い浪人率と併せてかなりの批判の的になっている。実際、これと似た風土のかつての日比谷高校は、日本一の東大合格実績(ピークの1964年には193人)を持ちつつも、浪人率も高い高校であったように、「3年制高校の限界」という言われ方は否定しづらいところがあり、また、学問に向かう姿勢も、自由な環境で正しく羽目を外す考え方も、管理教育を植え付けられた後にたかだか3年で治せるものでもない。

さまざまな事例を見たうえに、元々そのような「問題」になる情報を一部知りつつ、そして、地元のより近い場所に、そのような問題点への解決のできたいい高校を知りながら、敢えてその選択肢を捨ててリスクを取りに行った経験と合わせ、個人的な見解としては旭丘のやり方が悪いとは全く思わないが、どうしたところで理解され納得されるスタイルではなくなっていると言わざるを得なくなっている。これを続ければ、現役生は疲弊するし、現役生が自らに合うように動けば、卒業生が悲しみ、高校は他校との違いがなくなる。

だからこそ声を大にして言いたい。

旭丘、中高一貫にしようよ。

中学の定員160人で、高校から普通科美術科とも1クラス(40人)だけ募集、それでどうですか?

高校入試での要求される成績が突出している現実もあり、今でもトップ校認定のこの高校だが、その割には実績がいいとも思えない。中学とのギャップに悶えたのは私だけではない。しかし、じゃあ受験指導か?

いや、旭丘が受験指導適当なのは、結局のところ、生徒やその親が意識高すぎて不健全なこととバランスしているものにすぎない。実のところ旭丘の生徒の大半が行くような大学はどこに行ったところでその分野を学ぶ上で物足りない大学ではない。(仮に物足りないのであれば、どの大学でも物足りないだろう。)その意味で、受験指導は不要なのである。

だが、教員に旭丘OBも多く、やはり数字をどこか伸ばしたくもなる、結局そのような病的心理が避けられない。校長がトリプル40などといって、東大京大国公立医学部それぞれ40などと数字目標まで上げる始末。旭丘は進学にこだわらない、は有名無実で、実は数字にこだわる人ばかり。数字を上げたい気持ちと、進学以外への目線を持つ「全人的教育」。相反するように見えるも、外に目を向ければ中高一貫私立が割と普通にやってのけている。旭丘の場合は3年制高校だ。

これまでそれを「浪人」で誤魔化し、「4年制高校」などとしてやってきたが、いよいよ社会の浪人へのネガティブな視線も強まってきている。

ならば。ちゃんと正式に6年制にしてしまいましょうよ。県立一貫校ある都道府県、ずいぶん増えました。愛知にも導入していいんじゃないですか?

んで、複合選抜廃止して、上位校は独自入試を導入するとか、複数タイプの問題を作って学校別で選択するとかしません?そうすれば私立との兼ね合いも取れますし、中高一貫に県立が参入する抵抗も減るでしょ。

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