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街中の

住宅街を進んでゆくと、街中に突然墓地が現れることがある。お寺を伴ってるわけでもなく、住宅街の一角がなぜか墓地。経緯はわからない。元々街外れだった土地に住宅が押し寄せてきて周りを囲んでしまったのか、廃寺となって建物は壊され墓だけが移転のしようもなく残ってしまったのか。一日中生活音の満ちている所、慣れ切った住民がショートカットで横切る所、墓石の冷たさが気持ち良いのか酔っ払いが抱き付いて眠っている所、昼間はゲームの為に小学生が夜中はデートの為に若いカップルが椅子がわりに手ごろな高さの墓石に腰掛けている所等、いろいろある。小さい子供が数人で供えられた花をバラして空いている花立に配って遊んでいるのを見たこともある。やっぱり地代や家賃は安いのかな?などと不謹慎なことを思いながら通り過ぎる。人里離れた山の中腹なんかより、淋しがり屋のお骨には住みやすい所だろうな。

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