見出し画像

星を編む   

私のお気に入りの小説
汝、星の如くの続編の『星を編む』を読み終えました。

主人公の暁海の心情変化と
北原先生や編集者の二階堂さんと植木さん。そして櫂の母親など登場人物のその後をスピンオフのように描かれていて、興味深く読みやすかったです。



凪良ゆうさんの小説は「汝、星の如く」を初めて読んで以降
「浪漫の月」は読了して「すみれ荘ファミリア」はまだ途中
先に「星を編む」を読み進めました。
それほど私にとって「汝、星の如く」が素晴らしく際立った作品で
一番のお気に入り小説です。

星を編む


暁海の気持ち。
私はそこに関心がありました。
最愛の人を亡くす。
日薬という言葉が残酷に聞こえる私は色々考えました。
だって日常のそこかしこに転がっている思い出の跡すら
消せずに佇む日々を想像するだけで重いから。
暁海の日々も静かにそうだったみたい。


北原先生。
いつも先生は『先生』のまま。
勝手に慮って遠慮して、自分の気持ちに気が付かないなんてね。

植木さん。
子供の成長と共に築いた夫婦の歴史の追憶から、夫婦間の微細な周波数の変化の描写がとてもリアルに感じられ、
日常に潜んだ静かに大きな心の切り替わりの方が正しくて、人が作った制度の儚さや心変わりをさらりと生々しく表現しているところが私は好き。


二階堂さんと植木さん。
大人の恋愛でよくある「付き合って」という言葉は無しで交際が始まる男と女の運命的な描写は都合良く見えなくもないけど、「そんなものだよ」と言ってしまえばそこまで。
現実はもっと抗ったり流されたり、状況とタイミングに左右される。


凪良ゆうという人の書く物は、登場人物ひとりひとりの
心のひだを書き切ってくれていて
読みはじめも途中も終わりもずっと切ない余韻に浸らせてくれるから
私にとってに稀有な小説家さん。

また彼女の作品の世界に入れた事がとっても幸せです。

今回もKindleで購入しました。
いつでもどこでも読めるKindleはとっても良いですね。




よかったらサポートをお願い致します。 私の励みと活動資金にいたします。