見出し画像

ライラさんのシンデレラヒストリー 「笑顔と幸せが似合うあなたへ」

(これは、アイドルマスターシンデレラガールズ(モバマス)にて公開されているコミュ、「シンデレラヒストリー」について紹介するコラムです)

ある日の昼下がり、
との書き出しで始まる物語

ライラさんはハトさんたちと、いつものようにお話ししています。
「お元気でしたかー? ライラさんは元気でございます」
「元気ですが・・・ バイトをクビになってしまいましたねー」
と。
どうやら、困っているお客さんに商品をタダで渡してしまったために、オーナーに怒られてしまったようです。
「大丈夫ですよ。ライラさんにお勉強が足りないだけでしたねー」
と反省の弁を素直に語ります。

「でも、日本に来て、ライラさんは幸せでございますよー」
「ここは、自由なところでございます」
そう語るライラさん、故郷ではどんな暮らしをしていたのでしょう。

いままでのことを、故郷のママやメイドさんに手紙を書きたいと言うライラさん。

くるっぽー
ハトさんと語るライラさん
「・・・うしろでございますか?」
振り返ったそこには、プロデューサーの姿がありました。

ここからあとは、「ライラとのメモリアル」コミュで語られることになるでしょう。

同じころ、ライラさんの故郷にて。
お屋敷のメイドのひとりが、ライラお嬢様のことを思い出しています。
数か月前、突然いなくなったお嬢様のことを。

笑顔が印象的なお嬢さま、鳩たちとお話をしていたお嬢様。

「おや、あなたが新しく来たメイドさんなのですねー」
「あなたと会えたので、今日も素敵な日になりました。ありがとうございます。

ぼんやりとしたそぶり、それが少し心配になったものの、ライラお嬢様は、ただただ、のんびりと麗らかな午後を満喫していただけだったのです。
それから、わたしは、たびたびお嬢様とお話ししました。

ある日のこと、ライラお嬢様から美しい髪飾りをプレゼントされたのです。

「それはお嬢様が気に入って手にされたものなのでは。それはまず、お嬢様がつかうべきかと・・・」

「はいー。わたくしは、あなたの髪に似合うと思いこれを買ったのです。
ですから、この髪飾りを、あなたへの贈り物としてつかうのですよー」

そして、お嬢様は、とても楽しそうに笑うのでした。
お嬢様は、どのメイドにも分け隔てなく接してくれる。
そして、なにより、小さな幸せを見つけるのが上手な方でした。

そんなお嬢様に結婚の話が持ち上がったのは、しばらく後のことでした。

「お嬢さまが結婚だなんて・・・まだ早すぎるのでは・・・」
「それが、旦那様が言うには、大きな商談を成立させるためらしいの」
噂好きのメイドは答えます。

私たちは不安になりました。
このことで、お嬢様の素直な笑顔が、曇ってしまうのではないかと考えたのです。

そこで、メイド数人で、ライラお嬢様に、さりげなくお気持ちを伺ったのですが・・・。

「結婚・・・それはつまり、もっとたくさんの人と仲良くなれるということですねー」
お嬢様はまるで、見知らぬ方との結婚は憂いていないように見えました。
「わたくしは、パパとママに大切にそだてていただきました。ですから、これも恩返しだと思うのです・・・」

しかし、彼女の笑顔は、いつもの笑顔とは違い、どこか困っているようにも見えました。

「でも・・・ でも・・・ パパは、いつになったら、わたくしと結婚以外のお話をしてくれるのでしょうかー・・・」

それは、いつも上手に幸せを見つける彼女が、幸せ以外の感情を、初めて見せた瞬間でした。

「あの、お嬢様、差し出がましいようですが、ひとこと申し上げます。お嬢様は優しい方です。そして小さな幸せを見つけるのが上手なお方・・・
「ただ、お嬢様は優しすぎるところがあります。旦那様や奥様、誰かのためではなく、ご自分が幸せと思えるような最善の選択をしていただきたいのです・・・」

その夜、ふと、側仕えのメイドとお嬢様がお話ししているのが聞こえてきました。

「はい、奥様の提案で、私とともに、日本へ行って勉強するのはいかがでしょう・・・
「きっと、お嬢様の好きな美味しいものも、楽しいこともたくさんありますから・・・
「ただ、密かに事を運びますので、今よりは生活が苦しくなってしまいますが・・・」

「日本に行くことが・・・ わたくしが幸せだと思える、最善の選択になりますか・・・?
「そこでは・・・わたくしは、自由になれるのですか・・・?」

朝になると、ライラお嬢様たちの姿はもう見えませんでした。

あれから数か月、お嬢様は、今、元気で暮らしているのでしょうか・・・
日本という地で、新たな幸せと・・・自由を、見つけられたのでしょうか。

数日後

「こちら、お手紙です」
受け取ったのは、一通のエアメール。
消印は JAPAN
差出人は書かれていませんでした。

中には、お嬢様の現況を知らせる手紙が1枚と、お嬢様直筆の手紙が1枚。

「ママとメイドさんたちへ・・・
わたくしはアイドルというものを始めました。
アイドルをすると、お給料でアイスが買えます。
ファンの皆さんが、笑顔でわたくしの名前を呼んでくれます。

アイドルのお友達も、たくさんできました。
わたくしは、日本で、夢のような幸せな日々を送っています」

いてもたってもいられず、そのまま奥様の部屋に走り込みました。
「奥様、お嬢様のことで・・・旦那様には内密のお話があります」

ライラお嬢様の出演なさるLIVEに、奥様とメイドたちから花を贈ることになるのは、それから少しあとのお話です。

~終り~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?