いらないものにも意外な価値が…!?

自然環境リテラシー学・林業回 参加日:11月19日・20日

こんにちは。今回は紀北町にある速水林業さんにお邪魔し、2日間実習を行いました。正直、今回の自然環境リテラシー学が一番ハードなこともなく、いろいろなことを余裕をもって吸収出来た気がします。(わりと普段は疲弊しきって一日が終わるころには余裕がないことが多かったので……)

Day1


1日目は川端俊介さんに商品にするための木を育てている森や、その木を加工し保管する土場、植林のための苗を育てる場所などを案内していただきました。俊介さんは今まで様々なことを教えていただいたガイドの方々と比べて年齢が近く、軽い雑談からビジネスとしての林業、職場のことについてなど様々なことについてお話を聞くことができました。

まず、学んだことについて。森は管理が徹底されていました。干ばつなどを行うことによって太陽光が地表に当たるようになっており、とてもきれいな森になっていました。


また、イノシシがいた痕跡があったり、低地部分には葉がほとんどなく野生動物が食べてしまったと分かる所もあったりと野生動物と隣り合わせの仕事だということもよくわかりました。
次に、土場では依頼に合わせた様々な長さごとに木が並べられ、加工や保管が行われていました。その中でも今までであればバイオマスとして安価で取引されるような木でもほかの地域ではとても質が良い木だと需要があって丸太として取引されることもあると知り、現場と取引先とでまた価値観が違うことが分かりました。丸太用の木はどれも丁寧に節を切ったりとしっかり加工されており、実際に触ってみるととても手触りが良かったです。

加工された木


そして、苗を育てている場所では、生分解性のポットとプラスチックのポット両方を使っているそうです。話によると生分解性のポットは自然に分解するため回収は不要ですがやはり一つ一つの値段がプラスチックより高額らしいです。この辺りはビジネスなのでただやみくもに環境によいものを使用するという風にはいかないんだろうなと感じました。

余談ですが案内していただいた間にいろいろとお話を聞いて、林業をしている人の花粉症についての話題になった際、やはりきついとおっしゃっていました。また、ある一定量になると症状が出なくなるという話も聞いてそんなことがあるのだろうか……と思いました。このような現場の小ネタのような話が個人的に好きなのでとても楽しかったです。
また、道中にハートの苔があって、写真映えするなーと思いました。

ハートの苔。かわいい


このような活動が終わった後は焚火をしてご飯を食べました。今回はシチューとご飯の予定と聞いていたので、どうせならリゾットを作ろう……と思ってチーズとベーコンなどを用意してきたらまさかのパンだったのでそのまま焼きました。普通においしかったです。ベーコンを直火で焼いたので見た目が普段よりおいしそうになりました。味もかなり良かったです。
シチューはというと、ルーなしで作るのが初めてでいろいろとやらかしました……まあおいしかったのでいいです。

すごく美味しそうに撮れたパン

この日はかなり雨が降っていてテント泊が困難だったため、コテージのようなところで一泊しました。テント泊を想定して湯たんぽや暖かめの上着、寝袋を持っていったらまさかのヒーター付きの室内でした。あまりにも雨がひどく、外に出たくなかったので映画を見に戻らず、そのまま友人とラーメンを食べたりマシュマロを焼いたりしてくつろぎました。美味。そして快適。
これらをフル装備でソファーの上で寝たところとても快適でした。いまだかつてないほどぐっすり眠れました。


Day2


2日目は座学でした。座学の部屋に来るまでもかなり強めの雨で大変でした。そして川端俊介さん、川端康樹さん、三重県熊野市の野地木材工業という製材所の岡田真理さんのお話を聞きました。俊介さんのお話によると、使わない部分を加工して棚などにしてメルカリで売ると普通にバイオマスにするときよりも高い価格で売れるそうで、実際木製の小物、小型の家具として売られていたら買う人も多いだろうと感じました。また、節がある木は好まれないそうですが、そのような小物だったらむしろ節があったほうが木っぽい感じがして意外と売れるのでは…?などと考えました。岡田さんからは製材所の仕事について、川端康樹さんからは森林の管理についてや、林業の現状、今後について詳しくお話していただきました。

講義の様子


それぞれのお話を聞いて林業がただ木を切っているだけというイメージから新しいアイデアを出し続けて時代に適応していくビジネスのようなイメージに変わったような気がしました。

この日は雨がひどく、外での活動が行えなかったため昼食を食べて終了でした。普段からパスタはお湯と一緒にレンチンして、ルーなど便利なものは使えるだけ使うスタンスだったので、いざ電子レンジとパスタソースに頼らない料理をしてみたら、作ったカルボナーラは美味しいものの何か違う感が否めなかったです。自然環境リテラシー学を通して自分で食事や寝床の環境を用意してみると本当に文明の利器のありがたみが良くわかりました。



総括

現場に行ってみたらやっぱり商売なのできれいごとだけではどうにもならない部分もあるけれど、丁寧に仕事をしていればどこかに需要があるのではないか、という印象を受けました。
また、林業は木の管理、加工以外にもどのように売るかといったアイデアだ詩的な部分があると分かって面白そうな職業だなと思いました
実際に行ってみるとやはり印象が変わると感じました。


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