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「突然、僕に姉が出来ました。」 Part24

蓮加:美月は私の部屋で寝てよ!

美月:いいじゃん、3人で寝た方が楽しいでしょ?

蓮加:ん〜!そういう問題じゃないの!!

頬膨らませてムスッとした不機嫌な表情で美月を睨み付けて怒っている

美月:ねぇ、〇〇くんもみんなで寝た方がいいと思うよね?

〇〇:え…?いや…まぁ〜…その〜…

蓮加:〇〇は蓮加と2人きりが良いよね!?

〇〇:あの…その〜…(誰か助けてくれ〜!)

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どうも、皆さんこんばんは、〇〇です

何故こういう状況になっているのか、気になりますよね?

僕にとっては今この状況がとても地獄に感じます

それは1週間前に遡ります

ーーーーーーーー1週間前ーーーーーーーー

〇〇:あのさ、ずっと言おうと思ってたんだけど

蓮加:ん?どうしたの?

〇〇:今更かよって思われるけど、僕は当たり前のように乃木坂の控え室とかに居てもいいの?

蓮加:え、今更?

梅澤:私達が良いって言ってるから大丈夫だよ?

祐希:橋本さんも〇〇くんが居ても何も言わないから大丈夫

賀喜:同じ事務所だし、気にしなくて大丈夫だよ

遠藤:私達はこうして〇〇くんと話せて楽しいし

〇〇:そう言ってもらえると助かります、あの美月さん遅くないですか?

蓮加:いつもなら来てる時間だよね

梅澤:寝坊したとか?

祐希:えー、美月はしないと思うけど?

〇〇:(何かあったのかな、いつもこの時間には奈々未さんが来るはずなんだけどな…)

賀喜:橋本さんも来てないよ?

遠藤:んー、美月さんに何かあって橋本さんがそれを対応中ってことかな?

賀喜:その可能性があるかも

すると、ドアが開き橋本と美月が一緒に入って来た

梅澤:美月!遅かったじゃん!どうしたの?

美月:え?あ、いや〜寝坊しちゃってさ

少し焦った表情が一瞬で笑顔に変化したが〇〇は美月を見て恐怖で怯えている感情が分かり周りは気付いていない様子だった

〇〇:(これは美月さんに何かあったな、表情と視線と声のトーンでよく分かる、美月さんが何かに恐怖を感じている、なんだろ…)

橋本:〇〇くん、ちょっと話があるんだけど…来てもらっていい?

〇〇:あ、はい

橋本の後ろを着いて行き部屋を出た

橋本:はぁ…ちょっと人気のない場所で話そっか

〇〇:いいですけど…

橋本:ありがと、じゃあ行こっか

人気のない場所に向かいそこには自販機とベンチが設置されていた

橋本:飲み物はどうする?

〇〇:じゃあ、ミルクティーで

橋本:わかった

自販機にお金を入れて自分の分と〇〇の分を買った

橋本:はい、あげる

〇〇:ありがとうございます、それで話ってなんですか?

橋本:美月の事でね

〇〇:やっぱり…そうですか

橋本:勘づいてたの?

〇〇:はい、美月さんを見た時に恐怖を抱いてる事が分かりましたから

橋本:美月は、最近ストーカーに遭ってるみたいなの

〇〇:ストーカーですか…

橋本:そろそろ周りのメンバーにも被害が起きそうだし

〇〇:難しい話だな…ん〜…

橋本:ストーカーしてる人が情報を撒く可能性もあるから

〇〇:…はぁ、(周りに被害が起きれば…精神的な問題に発展するし…)

橋本:だから、〇〇くんには美月を守って欲しいの

〇〇:…え?ぼ、僕がですか?

橋本:うん、頼めるのは〇〇くんしかいないし

〇〇:いや、僕にも仕事がありますし〜…

橋本:大丈夫だよ、〇〇くんは家で仕事するのが多いでしょ?

〇〇:基本は家で仕事が多いですけど…

橋本:じゃあ、ストーカーの事が解決するまで〇〇くんと蓮加の家に泊まらせてあげてね?

〇〇:…それは〜…僕に被害が来るのでは…?

橋本:ははっ、〇〇くんならどうにか出来るでしょ?

〇〇:え〜…まぁ、仕方ないよな…その件引き受けます

橋本:流石〇〇くん、その答え期待してたよ

〇〇:その代わり、好き勝手にやらせてもらいますから

橋本:いいよ、迷惑をかけない方法なら

〇〇:じゃあ、戻りましょうか

ミルクティーを1口だけ飲み控え室に戻って行った

橋本:美月、ちょっと来て?

美月:あ、はい

橋本:あの件で話があってね?

美月:えっと、〇〇くんも関係してるんですか?

〇〇:美月さんが来た時に何かに怯えてる感じがしたので気になって聞いたんです、すみません

美月:いや〜、上手く隠せてたと思ったのにな〜、メンバー気付いてないのに

橋本:〇〇くんには、美月のボディーガードになってもらったから

美月:え!?それは、〇〇くんに迷惑なんじゃ…

橋本:〇〇くんからいいよって許可が降りてるから

〇〇:ストーカーしてる奴のことは、僕が片付けときますから

美月:ありがとう、〇〇くん…

橋本:それと、美月には〇〇くん達の家に一時住んでもらいます

美月:え!?それは、ど、どうして?

橋本:もし、家がバレなんてしたら危ないでしょ?

美月:それは、蓮加と〇〇くんもですよ

〇〇:大丈夫ですよ、その事は安心して下さい

美月:どうするつもりなの?

〇〇:それは秘密ですよ、言えません

橋本:貴方、なにか言えないような方法を使ったりしないよね?

〇〇:さぁ?どうでしょうか?

橋本:はぁ…なるべく穏便にね

〇〇:はい、分かってますよ

美月:(〇〇くん、意外と怖い一面があったりする…?)

橋本:この件は〇〇くんから蓮加に話してて

〇〇:了解です、話しておきます

美月:〇〇くんごめんね、巻き込んじゃって

〇〇:気にしないで下さい、自分から飛び込んだんで

美月:でも…

〇〇:個人的にストーカーする奴が許せないんですよ、真面目に応援してるのにそいつのせいで自分の推しとかの活動が見れなくなったりするのが嫌なんです

〇〇:推しが元気に活動して、笑ってる姿を見てるのが1番嬉しい瞬間なんですよ、オタクからしたら

美月:じゃあ、私の事今から蓮加に話そ

〇〇:あ、そうですね、蓮加〜

蓮加:はいはい、どうしたの?

〇〇:あのね、美月さんがストーカー被害受けてて、家に泊めることになったんだよ

蓮加:え?それって、他のメンバーは知ってるの?

〇〇:教えてない、だから穏便に片付けようと思ってる

美月:ごめん蓮加、他の皆には黙ってて

蓮加:わかった、色々と影響を受けそうだし黙っておく

〇〇:ありがと蓮加

蓮加:美月が家に居たら、楽しそうだし!

美月:〇〇くんと蓮加の家がどんな感じか気になるな〜

〇〇:普通の家だよ?

蓮加:防音室がある家のどこが普通なの

美月:え!防音室あるの!?

〇〇:それは作業とかする為にありますよ、そこで歌ってみたの歌録してるんですから

美月:すごいね…

蓮加:たまに歌録したアカペラ音源を聴かせてくれるんだよ?

美月:それって、かなりレアじゃん

〇〇:蓮加には特別にですよ

美月:姉弟の特権だね

蓮加:あ、着替えとかどうするの?

〇〇:一旦取りに帰らないとね

美月:そうだ…どうしよ…

〇〇:美月さん今日は私服スボンだからバイク乗れるな

蓮加:ん〜…そうだね(私だけの特等席なのに…でも、今回は仕方ないよね)

〇〇:奈々未さん、美月さんを連れ出してもいいですか?

橋本:ん?別にいいけど、何するの?

〇〇:着替えですよ、美月さんの

橋本:わかった、行ってきな

〇〇:ありがとうございます、美月さん行きますよ

美月:え、あ、うん!

〇〇は美月を連れて控え室を出て行った

蓮加:私の特等席が〜…

橋本:今回だけは許してあげて蓮加

蓮加:はい…分かりました…

ーーーーーーーーーーーーーーーー

〇〇:はい、美月さんヘルメット被って

美月:ありがと、〇〇くんはいつも蓮加を送ってるの?

〇〇:そうですよ、蓮加が毎日送って〜ってお願いしてくるので、僕はバイク乗って見る景色が好きなので全然苦じゃないですし

美月:そっか〜、蓮加がちょっと羨ましいな…

〇〇え?どうしてですか?

美月:守ってくれる人が居るからだよ

〇〇:美月さんを守る人はもういますよ、僕が守りますから

美月:え、あ、ありがと…

照れ隠しするかのようにヘルメットを被り〇〇の思いにお礼の言葉を呟いた

〇〇:いえいえ、じゃあ、美月の家の住所はメールに送ってもらえませんか?

美月:うん、わかった

住所をメールで送ってもらい〇〇はマップに住所を入力し案内開始のボタンを押した

〇〇:じゃあ、行きますよ

美月:うん、お願いします

美月を後ろに乗せて案内通りに進んで行った

〇〇:(そういえば、ストーカーの特徴とか教えてもらってないな、どうしよう…)

美月:…(あの人だ…)

ある人物が見えた瞬間、美月の腕に力が入り〇〇へ身体を密着させた

〇〇:ん?(さっきより、身体を密着させてる…もしかして…さっき通った所に犯人が…それらしき人はいたか?後でヘルメットにつけてるカメラ見るか)

美月:(どうして…帰り道のルートにいるの…)

ーーーーーーーー数分後ーーーーーーーー

〇〇:美月さん、着きましたよ

美月:あ、うん、ありがとう

〇〇:じゃあ、ここで待ってますね?

美月:その…着いて来てくれない?

〇〇:(まだ怖いのかもな…ついて行くか)

〇〇:分かりました、ついて行きます

〇〇は美月の後ろをついて行きマンションの中へ入って行った

美月:じゃあ、入っていいよ

〇〇:おじゃまします〜

美月:ちょっとここで待ってて

〇〇:はい、分かりました

〇〇:(ストーカーは捕まえて、ちょっと痛め付けるか…俺の中にどす黒い感情が渦巻いてるな…)

美月:〇〇くん、着替えリュックに詰めてきた

〇〇:じゃあ、一旦僕の家に行って事務所に戻りましよ

美月:うん、またお願いします

バイクに乗り〇〇の家に行き美月の荷物置き事務所へ戻って行った

ーーーーーーーーーーーーーーーー

〇〇:ただいまでーす

蓮加:〇〇おかえり!

美月:蓮加、今日の夜ゲームでもするの?

蓮加:うん、いつもしてるけど?

美月:じゃあ、私にもゲーム教えてくれる?

蓮加:全然いいよ?

〇〇:(この感じなら上手くいきそうだな…)

〇〇:あの、奈々未さん

橋本:ん?どうしたの?

〇〇:ストーカーらしき人を見ました

橋本:見たってどこで?

〇〇:美月さんの家に向かってる途中に見ました

橋本:どうしてわかったの?

〇〇:そいつが見えた時に美月さんが強く抱き着いてきたんです

橋本:なるほど、それでストーカーをどう捕まえるの?

〇〇:んー、とりあえず、誘き寄せるしかないですよね

橋本:まさか!〇〇くん、美月を使って誘き寄せる気なの!?

〇〇:大丈夫です、美月さんの安全は保証します

橋本:はぁ…わかった、危険な事したら許さないからね!

〇〇:大丈夫ですよ、ははっ

ーーーーーーーー3日後ーーーーーーーー

美月:ねぇねぇ、〇〇くん

〇〇:なんですか、美月さん

美月:私、仕事以外どこにも行けてないんだけど

〇〇:当たり前じゃないですか、貴方は今ストーカー被害に遭ってるんですから

美月:ちぇ〜

〇〇:あと、今仕事してるんですけど

美月:だってだって〜、私お休みで暇なんだもん!

〇〇:はぁ…蓮加は?

美月:蓮加は今日仕事だから居ないよ〜

〇〇:んじゃ、少し外に出ますか?

美月:やったぁー!

〇〇:じゃあ、近くのショッピングモールに行きますか

美月:バイクで連れて行ってくれるのー?

〇〇:今日は電車で行こうと思ってますよ

美月:え…

〇〇:心配しなくても大丈夫ですよ

美月:わかった、信じるよ

〇〇:じゃあ、行きましょう

〇〇達は家を出て電車に乗って揺られながらショッピングモールへ向かって行った

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〇〇:(ずっと着いて来てるな、あの男…昨日見かけた男と同じだな)

美月:着いた〜!

〇〇:勢いで来ちゃったけど、どうしようかな

美月:洋服見てもいい?

〇〇:分かりました、いいですよ

美月:ありがと、早く行こ〜

〇〇:(美月さんが洋服を選んでる隙を狙ってストーカーを捕まえるか)

美月:〇〇くんも一緒に選んでよ

〇〇:すみません、ちょっとおトイレに行きますね?

美月:え、あ、うん…わかった

〇〇:すぐ戻ります

洋服店を出てストーカー男の様子を伺った

男:(あの男が消えたな、やっと美月ちゃんに近づける…)

男は美月を見詰めたままゆっくりと背後に近付いて行く

男:ねぇ、君…山下美月ちゃんだよね?

美月:え…?あ…(この人…私のストーカー…っ)

〇〇:やっぱ、お前だったか、ストーカー男

男:お、お前…っ、どっかに行ったんじゃ…

〇〇:そんな訳ないだろ、お前を誘き寄せる為だ

男:っ…くそっ!

男は〇〇に見つかった事に動揺してしまい慌てながら洋服店を出て全速力で走って逃げて行く

〇〇:美月さんはここにいて、あいつを捕まえてきますから

〇〇は全速力で走り男の後ろを追い掛けて行った

男:はぁ…はぁ…っ(なんであの男にバレたんだ…!)

〇〇:(ショッピングモールを出てたら路地裏に連れ込むか)

男:はぁ…はぁ…っ(あの男まだ追い掛けてくるのかよ!こんなに必死に逃げてるのに!)

〇〇:はい、捕まえた

男の腕を掴み路地裏へ連れ込み肩を掴んで壁に打ち付けた

男:ぐ…っ!

〇〇:お前、これ以上美月さんに近づくな

男:お前の言うことを聞くと思うか…?

〇〇:面倒だな…

男:早く俺を解放しろ

〇〇:(強引な手を使うか…)

拳に力込めて〇〇は男を睨み付けながら鳩尾に勢い良く殴った

男:グハ…ッ!!

殴られた鳩尾を抑えるように痛みに苦しみながら座り込んだ

〇〇:ストーカーを辞めないのなら、お前には美月さんが味わった恐怖の倍を与える

髪の毛を鷲掴みし顔を無理やり上げさせ顔面を思いっきり殴り飛ばした

男:ぐぁ…!

〇〇:ここには監視カメラはない、証拠は集めることは出来ない

〇〇:人はどこにもいない、残念だったな

男:クソ…っ、

〇〇:ストーカーを辞めると言うまでお前には恐怖を植え付ける

男:…っ

〇〇:ははっ、俺はお前みたいな奴が嫌いなんだよ

男の腹を何度も蹴り上げながら〇〇は不敵な笑みを浮かべていた

to be continued……。

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