「突然、僕に姉が出来ました。」 Part22
男:おい、岩本蓮加まだ死ぬんじゃねえぞ?
蓮加:はぁ…はぁ…っ、あ゛…っ、(撃たれたお腹の所が…凄く熱い…血が…結構出てる…)
男:お前は人質だからな、役に立てよ?
男は蓮加の頭に銃を突き付けながら笑みを浮かべていた
蓮加:はぁ…はぁ…っ
蓮加は大量の冷や汗をかきながら少しでも抵抗に男を睨み付けた
男:ふははっ!その目良いな、その目がいつまで出来るかな?
蓮加:(誰か…早く助けて…)
〇〇:お前、蓮加を返せ
男:あ?誰だてめぇ
〇〇:俺が誰だって良いだろ
男:とりあえず、マスクと帽子を外せ
〇〇は男に言われた通りにマスクと帽子を外した
〇〇:これでいい?
男:あ〜、お前か乃木坂と同じ事務所に入って一緒に仕事している歌い手の凛か
〇〇:俺の事知ってるんですね
男:当たり前だろ?俺は乃木坂のファンなんだよ!
〇〇:乃木坂のファンの人がどうしてメンバーである蓮加の事を傷付けたんだ
男:こいつがどうなろうとどうでもいいんだよ!!
〇〇:は?どうして?お前の好きな乃木坂のメンバーだぞ?
男:うるせぇ!お前に何が分かるんだ!こいつは俺を裏切ったんだよ!!
〇〇:裏切る…?いつ蓮加がお前を裏切ったんだよ
男:こいつは…こいつはな!今までどれだけ推しに貢いだと思う!俺はほんとに好きなのに!!
〇〇:…お前、最低な奴だな…
男:黙れ!俺が何回も好きって言ってるのによ!!こいつの目には俺の事が全く写ってないんだよ!!
〇〇:当たり前だろ、そんな自分勝手な事をする奴を誰が好きになると思う…
〇〇は低い声で呟きながら物凄い殺気を放ちその場の空気が一瞬で凍り付いた
〇〇:お前がやってるのは、ただの八つ当たりだ
男:うるせえ!黙れよ!!
〇〇:お前が抱え込む、悩み、不安、苛立ち、それをただ蓮加に向けて発散してるだけの屑だ
男:黙れ!こいつがどうなってもいいのかよ!!
〇〇:自分が弱いから、そうやって人質を囮にして威張るんだよな…だから嫌いなんだよ…人間なんかさ
男:お前に俺の何が分かるんだよ!!
〇〇:お前の気持ちなんざ分かりたくもない、同情もしたくない
〇〇:自分の気持ちをわかって欲しいなら、もっと違うやり方でやれよ
男:あ〜!うるせえ!うるせえうるせえうるせえ〜!!
〇〇:さっさと蓮加を解放しろ、解放しないなら強行突破するからな
男:解放するわけねぇだろ!!こっちは銃を持ってんだぞ!?
〇〇:そうか…これが最後だ、蓮加を解放しろ
〇〇は男を見詰めながら殺意を抑えていた
男:ばーか!お前は俺をイライラさせるのが上手いよな〜!!ふざけてると岩本蓮加は死ぬぞ!!
〇〇:…そっか……じゃあ、もうどうでもいいか…
〇〇の顔からは怒りが一気に消え真顔になり恐怖を覚えるくらいの殺気を出しながら男の方へ近付いて行った
〇〇:(莉奈の時のように守れないなるのは嫌だ…絶対に…絶対に…蓮加を守る…俺の命と引き換えになっても…)
男:これ以上近付くとお前の事を殺すぞ!(こいつの殺気やべぇな…)
男は〇〇に銃を向け狙いを定めて撃とうとしていた
〇〇:(もっと距離を縮める…)
低い体勢になり全力で走り距離を縮めて行く
男:ガキが調子に乗ってんじゃねえぞ!!
男は〇〇に向けて2発撃ったが〇〇は右の方へ大きく避けたが脚に1発だけ当たった
〇〇:っ…!!(少し痛いけど…今止まったら終わる…!アドレナリンが今は出てるからこれくらいで収まってるだけだ!走れ!俺!!)
少し表情を歪ませながらも男との距離を縮めて行く
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橋本:今の会場の状況は!?
スタッフ:お客様と乃木坂メンバーとスタッフ達は全員逃げれてますが、蓮加さんと〇〇さんが男と一緒に残ってます
橋本:わかった、それで警察と救急車は?
スタッフ:警察の方はもう少しで来ると思います
橋本:分かった、後は〇〇くんに任せるしかない…
梅澤:蓮加…大丈夫かな…
久保:心配だよね…どうなってるのか状況も分からないし…
美月:そうだね…蓮加無事に戻って来て…
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男は〇〇に向けて何度も撃っている
〇〇:うおぉぉぁ!!
お構い無しに突っ込んで行きスライディングして脚を蹴ってはもう片方の脚で回し蹴りを入れ男の体勢を崩した
男:クソ…っ!俺の邪魔をすんじゃねぇ!!
〇〇:うるせぇー!!
全力で走っては銃を持っている手首掴み体重を乗せた重いパンチを顎に入れた
男:グハッ…!!
吹っ飛び地面に倒れて男は気絶した
〇〇:っ…はぁ…はぁ…、蓮加…!大丈夫か…?
蓮加:〇…〇…だい…じょうぶ…だよ…
〇〇:(腹部の出血が結構やばいな…弾は…)
洋服を少し捲り撃たれた傷口を確認した
〇〇:(弾は貫通してるみたいだな…撃たれた所が端の方で良かった…)
銃を取りマガジンを抜きポケットに入れ蓮加を抱きかかえて会場を出た
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橋本:〇〇くん!!
〇〇:救急車は…?蓮加、お腹撃たれてるから病院に連れて行ってください…
橋本:〇〇くんは?大丈夫なの?
〇〇:まぁ…なんとか…
橋本:蓮加を人質にした男は?
〇〇:地面に倒れて気絶してますよ、久しぶりにちょっと本気で殴ったので…
警察と救急車が同時に来て蓮加は病院へと運ばれて行った
橋本:ついて行かなくて良かったの?
〇〇:はい…ちょっと、警察の人にこれを渡さないといけないので…
さっきポケットに入れたマガジンを取り出した
橋本:え!それって…
〇〇:銃の弾が入ってます…もし目が覚めた場合の為の対策です…
警察にマガジンを渡しては少しだけ話をし後日また話すことになった
橋本:良かった…生きて戻って来てくれて…
〇〇:そう…ですね…
腹部辺りを強く抑えながら〇〇は地面へ倒れた
橋本:え!?〇〇くん!!
〇〇:…はぁ…っ、ぁ…、(突っ込んで行く時に…やっぱり当たってたか…)
橋本:誰か!救急車呼んで!!〇〇くん!大丈夫だから!!すぐ病院に連れて行くからね!!
〇〇:は…ぃ…(やばい…意識が薄れて行く…目の前が霞んで見えなくなってきた…声も徐々に…聞こえなくなってきた…)
撃たれた箇所からは血が止まらず流れ出て〇〇は意識を手放した
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〇〇:んん…っ、(あれ…知らない天井だ…ここは…病院か…)
〇〇:(身体…だるいな、疲労と怪我のダメージがでかいんだな…)
重い身体をベッドから起こし周りを見た
〇〇:わからん…どれくらいて寝たんだ俺は…って、そうだ、蓮加!蓮加の所に行かないと!
身体に貼られた線や点滴の針を自分で外しベッドから立ち上がり病室を出た
〇〇:いっ゛!やべぇ…思ったよりも傷は深いか…
看護師:え!ちょっと!〇〇さん!!
〇〇:あの、蓮加はどこですか…
看護師:蓮加…?もしかして岩本蓮加さんですか?
〇〇:そうです!どこの病室ですか?
看護師:〇〇さんはまだ安静にしてないといけませんよ!
〇〇:とりあえず、蓮加の病室に行きますから
看護師:305号室ですけど、安静にしてください!
〇〇:嫌です、意地でも行きます
手すりを掴んで撃たれた所を強く抑えながらゆっくり歩いて行く
看護師:はぁ…わかりました、車椅子用意するので待ってて下さい
〇〇:わかりました
〇〇:はぁ…っ、結構痛いな…
その場にある椅子に腰を掛けた
橋本:〇〇くん…!!
〇〇:あ、奈々未さん
橋本:良かった…目が覚めたんだね
〇〇:そういえば…俺はどれくらい寝てましたか!?
橋本:4日間眠ってたよ、時々魘されてたけど
〇〇:4日間…俺寝すぎだろ…
橋本:体調は大丈夫?
〇〇:大丈夫です、撃たれた箇所はめちゃ痛いですけどね
橋本:そっか、良かった
看護師:車椅子持ってきましたよ、〇〇さんこれに座ってください
〇〇:ありがとうございます
橋本:車椅子に乗ってどうするの?
〇〇:蓮加の病室に行きます
看護師:意地でも行くって言われたので、仕方なく車椅子を持ってきました
橋本:ご迷惑をお掛けしてすみません、私が蓮加ちゃんの病室まで連れて行きます
看護師:わかりました、よろしくお願いします
橋本:はい、ありがとうございます
〇〇は車椅子に座り橋本に蓮加の病室まで連れて行ってもらった
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橋本:ここが蓮加ちゃんの病室だよ
ドア開け車椅子を押してもらい病室に入った
〇〇:蓮加!
蓮加:〇〇良かった、無事だったんだね
〇〇:うん、なんとかね
橋本:2人ともが生きてて私は凄く安心したよ
蓮加:すみません…橋本さん…
〇〇:あの男の目的ってなんだったんですか?
橋本:それは2人で話しましょう
〇〇:わかりました
〇〇:あ、そうだ、蓮加はいつ退院出来るの?
蓮加:もう暫くは入院かな?退院はあと1週間くらいだと思う
〇〇:そっか、良かった
蓮加:早く退院して、皆の所に戻らないと!
〇〇:そうだね、入院に色々と乃木坂とのコラボの事とか考えよ
蓮加:また、何かするの?
〇〇:考え中だよ
橋本:〇〇くんも色々と考えてるんだね
〇〇:そりゃ、考えてますよ
〇〇:じゃあ、蓮加、また明日来るからね
蓮加:わかった、またね
〇〇は橋本に車椅子を押してもらい病室を出て行った
〇〇:奈々未さん、男の件教えて下さい
橋本:わかった、あの男は蓮加ちゃんへの不満が爆発して今回の件が起きたの
〇〇:不満か、あいつやばそうだったからな
橋本:どんどん好きって気持ちが大きくなって、相当グッズとか色々と買い込んで借金もあるみたいだよ
〇〇:最初は好きって感情だったものが、依存に変わって自分は蓮加に好かれてる両想いって勘違いになったか
橋本:その通りよ、事情聴取された時に、蓮加ちゃんは裏切った、俺の想いを踏み弄ったって、蓮加ちゃんは絶対に許さない殺すって言ってたってさ
〇〇:そうですか…
橋本:まぁ、もう逮捕されたし、気にする事ないよ
〇〇:そうですね(俺はこういうの慣れてるから良いけど、蓮加はメンタル的に病んでるだろうな)
〇〇:奈々未さん、メンバーの皆に蓮加の事気にかけてって言って下さい、蓮加は今メンタル的に病んでる可能性があると思うので
橋本:そうね、皆にそう言っておくよ
〇〇:ありがとうございます
橋本:〇〇くんは大丈夫なの?
〇〇:はい、俺はこのくらい全然慣れっこなんで
橋本:そっか、
〇〇:奈々未さんここまででいいですよ
橋本:そう?自分で戻れる?
〇〇:はい、大丈夫です
橋本:良かった、じゃまた様子見に来るね
〇〇:はい、ありがとうございます
橋本とはそこで別れ〇〇は自分で車椅子を押し病室に戻った
〇〇:行き過ぎた愛は、狂気でしかないな
〇〇:依存って、判断機能がめちゃくちゃ鈍るんかな
〇〇:それだけ好きだったって事は分かるけど、こんな事をしたら全てが水の泡だよな…
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入院して数日後、突然〇〇の携帯に電話がかかってきた
〇📞:はい、もしもし?
秋📞:〇〇くん、体調は大丈夫かい?
〇📞:秋元さん、今はもう体調とか大丈夫です
秋📞:君にちょっとお願いがあってね
〇📞:お、お、お願い…?(マジかよ、この人)
秋📞:病みやがりで申し訳ないけど、退院したらで良いんだ
〇📞:あ…はい…
秋📞:〇〇くん、君はスタイルとか顔もいいから、乃木坂の皆とモデルやってみないかい?
〇📞:……はい…!?(この人、歌い手の俺にぶっ飛んだ提案してきたぞ!!)
to be continued……
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