「突然、僕に姉が出来ました。」 Part15
〇〇の過去話を聞いてから数日が経った
蓮加:ねぇ、〇〇?
〇〇:ん?どうしたの?
蓮加:そのさ、莉奈さんと〇〇をいじめてた男子達はどうなったの?
〇〇:え?気になるの?
蓮加:うん、気になる
〇〇:しょうがない…話すよ
蓮加:ありがとう
〇〇:まずは、莉奈の事から話すよ
蓮加:うん、わかった
ーーーーーーーーーーーーーーーー
〇〇が屋上から飛び降り自殺未遂となった次の日
莉奈:〇〇…どうして…
〇〇が飛び降りる瞬間を見てしまいショックを受け莉奈は自分の部屋に引きこもってしまった
莉母:ねぇ、〇〇くんが莉奈の下着を盗んだりすると思う?
莉父:いや、〇〇くんはそんなする子じゃないと思うが…〇〇くんの鞄から見つかったって先生から聞いたし…
莉母:でも、やっぱりおかしいわ…警察に電話して相談しましょう
莉父:そうだな、そうしよう
両親は警察に電話をかけ学校で莉奈の下着が盗まれた件と、その犯人と言われた〇〇が自殺未遂をした事を話した
莉父:よし、これで大丈夫だろ
莉母:警察はなんて言ってたの?
莉父:〇〇くんが飛び降りて救急車に運ばれる所を見た人達が警察に通報してたらしい
莉母:じゃあ、警察の人達は動いてるの?
莉父:もう調査が始まってるそうだ
莉母:そう…良かったわ
ーーーーーーーー数日後ーーーーーーーー
〇〇:ん…っ、
〇父:〇〇!目を覚ましたか!?
〇〇:あれ…どうして父さんが…
〇父:お前…どうして言わなかったんだよ!
〇〇:ごめん…言ったら迷惑かけると思ったから…言えなかった…
〇父:ばか!子供なんだからいっぱい迷惑かけて、いっぱい心配かけて良いんだよ!!
〇〇:…ごめん……
〇父:ちょっと待ってて、看護師さんを呼んでくるから!
〇〇:うん、わかった…
〇父は慌てて病室を飛び出て行き看護師を呼びに行った
〇〇:そっか…僕…死ねなかったんだ…
ベッドに寝たまま窓の方に顔を向けて外を眺めながらぽつりと小さく呟いた
すると病室のドアが開き〇父と医者と看護師が入って来た
〇父:〇〇、看護師さんと医者を呼んで来たよ
医者:〇〇くん、大丈夫かい?
〇〇:あ、はい
〇〇は意識が正常か身体に異常がないかその場で出来る軽い検査をしてもらった
医者:うん、意識ははっきりしてるね
〇〇:はい
医者:明日の昼に脳や身体に異常がないか精密検査するからね?
〇〇:わかりました
〇父:ありがとうございます
〇〇:父さん、僕はどれくらい寝てたの?
〇父:5日間寝てたんだぞ
〇〇:5日間もか、結構寝てたな…
〇父:なぁ、莉奈ちゃんの下着を盗んだりしてないよな?
〇〇:してないよ、する訳ないじゃん
〇父:そうか、その言葉を聞けて良かった
〇〇:え?なに?
〇父:後は、父さんに任せない
〇〇:あ、うん、わかった
〇父:〇〇はちゃんと大人しく寝てなさい
〇父はそう言って病室を出て行った
ーーーーーーーー学校ーーーーーーーー
警官:男1くんと男2くんは〇〇くんが莉奈さんの下着を盗む瞬間を見たんだよね?
男2:は、はい、その時男1が体調が少し悪くなって保健室に付き添いで行こうとして女子更衣室のドアがたまたま開いてて〇〇がいるのが見えて
男1:良く見たら、〇〇が莉奈さんの下着を盗む所を見てしまって
警官:なるほど…ありがとう話してくれて
警官は男1と男2に軽く会釈して何処かへと行ってしまった
男2:チッ…まさか警察まで動くとは…
男1:なぁ、これってやばいんじゃないのか?
男2:うっせぇ!俺達が黙ってればバレねぇんだから
男1:そ、そうだよな…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
そしてまた更に数日が経ち、〇父は警察から連絡を貰い警察署へ来ていた
警官:本日は警察署まで来て頂きありがとうございます
〇父:莉奈ちゃんの下着を盗んだ犯人が分かったんですよね?
警官:はい、こちらの部屋に居ます
〇父:…わかりました
ドアノブを掴みドアを開き部屋の中へ入って行く
〇父:君達が莉奈ちゃんの下着を盗んで〇〇の鞄に入れて濡れ衣を着せた犯人か…
男1.男2:はい…
警官:〇〇くんのお父さん、なるべく冷静に話してくれると有難いです
〇父:ふぅ…何故こんなことをした…それと〇〇の身体の傷はお前達がしたのか?
男2:はい…〇〇くんの身体の傷も僕達がしました
〇父:ほぉ…よく仕返しをされなかったな
男1:え?
〇父:〇〇はな、小さい頃から空手をやっているんだ
男2:え…空手…
〇父:全国大会でも何回も優勝した実力を持ってる、〇〇はよく仕返しせず耐えたな
男1:もし…仕返しされてたら…
〇父:半殺しにされて病院送りだろうな、格闘技をしている人達は一般人には手を出したらダメって決まりがあるからな、でも、正当防衛ならやってもいいと思ってる
〇父:話が逸れてしまったな、莉奈ちゃんの下着を〇〇の鞄に入れた理由を聞こうか
男1:嫉妬です…
〇父:嫉妬…ね
男2:勉強も運動も出来て、おまけにイケメンだし…学校には〇〇のファンクラブがあるくらいの人気だし…
〇父:最初から勉強も運動も完璧にできる人間なんている訳ないだろ!!
〇父:勉強も運動もできるようになったのは、〇〇が努力して得たものだぞ!!
〇父:こんなクソみたいな事をする暇があるなら何かを完璧にできるように努力をしろ!!
男2:努力したって…意味ないですよ…
〇父:そうだな、努力をしても絶対に報われる事はない
男1:だから…無理なんですよ…
〇父:努力はずっと続けないと意味がない、生きていると何処かで努力をしないと大きな壁にぶち当たる、だから、少しずつ積み重ねてやり続ける事が大事なんだよ
〇父:勉強も運動も努力すればいい、努力している中で不得意だなって感じたら得意な事を努力してその才能を伸ばせばいい
〇父:君達は今中一だ、これから色々な物に挑戦して、それで得意な事を見つけて、努力して続ければ君達を見てくれる人達がいっぱい現れてくれるよ
男1.男2:本当に…すみませんでした…っ!
男1と男2は下を向き涙を流しながら〇父へ謝った
〇父:いいか?これからは二度とこんな事をするんじゃないぞ?
男1.男2:はい…!
すると男1と男2の両親が部屋へ入って来た
〇父:貴方達が、この子達の御両親ですか?
男1母:そうですけど
〇父:今回の件、警察の方から話は聞いていますよね?
男1父:はい、今回の件本当に申し訳ありませんでした!
〇父:あと少しで、取り返しのつかない事になってたんですよ?
男1母:この子達に恨まれるような事をお宅のお子さんがしたんじゃないんですか?
〇父:…は?お前…今なんて言った?
男2母:そうよ!私の可愛い息子がそんなことするはずがないもの!私の息子に何かしたからやり返されたんでしょ!!
〇父:やり返し…?それで暴行ややってもない罪の濡れ衣を着せていいって言うのか?しかも、やり返しなら人の命も奪っていいのか?
男2父:おい!話をちゃんと聞いただろ!?〇〇くんは何も悪いところはなかったじゃないか!!
男1父:何を馬鹿な事を言ってるんだ!!
〇父:お前らの息子達は俺の息子に嫉妬してここまでやったんだぞ?こんなのおかしいだろ?自分達の子供を信じようとするのはいいが、自分達がしたって認めてるんだぞ?
男2父:まさか…嫉妬で…こんな事を…すみませんでした!
〇父:お前らみたいな馬鹿な親だと、子供が可哀想だわ
男1母:なに!?失礼ね!!
〇父:子供を庇うのはいい事だと思う、でもな子供達が自分がやりましたって自白してんだぞ?
〇父:今回の件は、俺の息子は何も悪くない、お前らの子供に手は一切出してないしな
男1:俺達が悪いんだ…全部…
男2:本当に…すみませんでした…
男1父:治療費は全てお支払いします…
男2父:どうか、被害届だけは出さないください…
〇父:それでもな、貴方達の奥さんが不満そうな顔をしてますし
男1父:わかりました、離婚するので被害届を出すのは辞めてください
男2父:私も離婚するので、お願いします
〇父:それならいいですよ
男1母:ちょっと!離婚ってどういう事よ!!
男1父:お前は周りの人に迷惑かけ過ぎだ!自分の子供を守ろうとするのはいいが、子供が悪い事をしたら叱るのが親だろ!!
男1父:ちょっと暴力的な番組とかアニメを見てる時も、だめって言って途中でチャンネル変えるし、どうしてダメなのかを見せて教えるのが親としての役割だろ!今まで仕事で目を向けなかった俺も悪いが…
男1母:っ…ごめんなさい…
男2父:俺達も離婚するからな
男2母:どうしてよ!!
男2父:当たり前だろ?今までどれだけお前に迷惑かけられたか、もう無理だ俺は耐えれないからな
男2母:嫌よ!離婚なんて!!
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あれから数日が経ち、男1と男2の両親から多額の慰謝料を請求し支払ってもらったらしい
〇父:ついに退院だな
〇〇:そうだね、完璧に治ったし
〇父:普通の人より怪我の治りが早すぎるって医者の人がびっくりしていたぞ?
〇〇:僕がとんでもない化け物みたいじゃん
〇父:3ヶ月経たないと治らない怪我を1ヶ月で治したんだからそう言われるだろ
〇〇:そんな事言われても、治っちゃったし
〇父:まぁいいか、とりあえず帰るぞ
〇〇:そうだね
荷物を持ち病院を出て家に帰って行った
〇〇:久しぶりの家だ…
リビングに行きソファーに座った
〇父:学校はどうする?
〇〇:んまぁ、一応行くよ
〇〇:もう誰とも関わらないようにする
〇〇:また面倒な事に巻き込まれたくないし…
〇父:そうか、〇〇の好きにしなさい
〇〇:うん、ごめん
〇父:学校が全てじゃないからな、色々な方法で学んで人と関わったりする事も出来る
〇〇:うん…
〇父:高校に行きたくないなら行かなくてもいいし、自分が必要だと感じたら行けばいい
ーーーーーーーー2週間後ーーーーーーーー
〇〇:はぁ…憂鬱な気分だな…
〇〇:そういえば…莉奈大丈夫かな…
〇〇:莉奈に会いに行こう
部屋着を脱いで着替え鞄を持ち家を出た
〇〇:僕が入院してからずっと会ってないからな、父さんから莉奈の事全く聞けなかったし…
〇〇:よし、会いに行こ
莉奈の家に向かいインターホンを押した
莉母:はーい、え…〇〇くんもう大丈夫なの!?
〇〇:はい、すみません
莉母:〇〇くんは何も悪くないわ、私達の方が悪いわ、小さい頃から見てきたのに…先生の話を真に受けて…〇〇くんとお父さんを怒鳴ってしまったわ…
〇〇:まぁ…仕方ないですよ、もう大丈夫ですから、あの莉奈はどうしてますか?
莉母:莉奈は…あの日から部屋に引きこもってしまったの…
〇〇:え…?引きこもってるんですか?
莉母:中々部屋から出て来ようとしないの…
〇〇:そうですか…
莉母:〇〇くん、莉奈の事任せてもいいかな?
〇〇:はい、莉奈の部屋に行ってきます
階段を上って2階に行き莉奈の部屋へ向かって行く
〇〇:久しぶりに莉奈の部屋に来たな…
〇〇:莉奈?久しぶり、僕が入院してからずっと会ってなかったから会いに来たんだけど?
莉奈:…え、その声…〇〇なの…?
〇〇:そうだよ?久しぶりに会いたくてさ、莉奈に
するとゆっくりドアが開きドアの隙間から莉奈は顔を少し覗かせた
〇〇:莉奈久しぶり、そんな暗い表情しないで?莉奈には笑顔が似合ってるよ?
莉奈:っ…!〇〇…!!
莉奈の瞳に涙を溜めながら〇〇へ勢い良く抱き着いた
〇〇:おっ…と、ごめんね、心配かけたよね
莉奈の事を抱き締めて頭優しく撫でた
莉奈:〇〇が飛び降りする所を見たから…〇〇が死んだら…私のせいって思って…人に会うのが怖くなって…
〇〇:大丈夫、莉奈のせいじゃないよ
莉奈:でも…私の下着のせいで…
〇〇:莉奈の下着を盗んで、俺の鞄に入れた奴が悪いんだから
莉奈:…うん……
〇〇:僕の件はもう解決したから、大丈夫だよ
莉奈:そうなんだ、良かった…
〇〇:ってか、莉奈痩せすぎだよ
莉奈:〇〇の事がショック過ぎて…ご飯食べれなかった…
〇〇:よし、ご飯作ってもらって食べよ!
莉奈の手を握り部屋から出てリビングへ連れて行く
〇〇:莉奈のお母さん、莉奈連れて来ました
莉母:莉奈!良かった…部屋から出てきてくれたのね…
莉奈:お母さん…ごめんね
莉母:ううん、いいの、〇〇くんありがとう
〇〇:いえ、あの莉奈にご飯作ってあげて下さい
莉母:任せて、〇〇くんも食べて帰る?
〇〇:はい、父さん帰ってくるのが遅いので
莉母:わかった、〇〇くんのお父さんも大変だね
〇〇:まぁ、そうですね
莉奈:〇〇はさ、学校行くの?
〇〇:うん、一応行くよ?莉奈も一緒に行こ
莉奈:〇〇が一緒なら行く
〇〇:わかった、毎日迎えに行くよ
莉奈:ありがとう、〇〇
莉母:ご飯出来たよ、食べて
〇〇:ありがとうございます
ーーーーーーーー現在ーーーーーーーー
〇〇:まぁ、こんな感じかな
蓮加:やっぱり、そうなるよね
〇〇:久しぶりに会った時めっちゃびっくりしたよ
蓮加:気になったんだけどさ
〇〇:ん?どうしたの?
蓮加:このままだと〇〇は引きこもりにはならないよね?
〇〇:ん?あー…そうだね
蓮加:もしかして、まだ話があるの?
〇〇:うん…あるよ…
蓮加:話して欲しい…いいかな…?
〇〇:ふぅ…いいよ
〇〇:僕が引きこもりなったのはいじめに遭ったから訳じゃないんだ
蓮加:やっぱり…そうなんだ
〇〇:これからの話は、さっきよりも重い内容になるよ
蓮加:大丈夫、ちゃんと最後まで聞くよ
〇〇:わかった、じゃあ話すよ
蓮加:ありがとう
〇〇:この後、僕と莉奈が2人でまた学校行くようになってから…何があったのか…
to be continued……。
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