「ヴァンパイア」 第2章 Part7
あの事件から数ヶ月が経ち、平穏な日々を送っていた。
〇〇:んー、なんも起きなくて怪し過ぎるな
アル:確かに、黒幕は一体何を考えてるんだ
〇〇:さぁな、なにか準備してるのかもな
アル:〇〇はなにか準備しなくていいの?
〇〇:まぁ、一応準備はしてるんだけど
アル:動かなくていいの?
〇〇:そうだな、そろそろ行動するかな
アル:じゃあ、僕は影で見守ってるよ
〇〇:わかった、じゃあ、櫻坂達のとこに戻るよ
アル:はーい
アルは影に飛び込んで消えて行った
〇〇:あいつに今日電話しようかな
〇〇はメンバーが居る部屋へ戻って行った
ーーーーー部屋ーーーーー
森田:〇〇くん、どこに行ってたの?
〇〇:すみません、ちょっと他に用があって少し離れてました
森田:〇〇くんが傍に居てくれないと不安になるんだから
〇〇:ほんとにすみません
麗奈:〇〇くん、ひかるとすごく仲良くなったね?
〇〇:はい、仲良くなれて良かったです
麗奈:ひかる、意外と構ってちゃんだから構ってあげてね?
〇〇:え?分かりました
雫:〇〇くん、ちょっといいかな?
〇〇:あ、はい、どうしました?
雫:今度、4枚目シングルのMV撮影があるんだけど
〇〇:あ〜、それがどうしたんですか?
雫:室内じゃなくて外なんだけど、
〇〇:外、大変な撮影になりそうですね
雫:建物が一切ない所での撮影なの
〇〇:なるほど、それでその撮影はいつあるんですか?
雫:1週間後に撮影だよ
〇〇:分かりました、俺に出来る事があれば手伝わせて下さい
雫:ありがと、頼りにしてるね?
〇〇:はい
森田:何話してたの?
〇〇:仕事の話ですよ
森田:そっか、仕事の話…か、
〇〇:どうしました?
森田:あのね、相談があって…
〇〇:相談ですか、じゃあ、帰りにでもいいですか?
森田:うん、帰りに話すね
〇〇:はい、
ーーーーー数時間後ーーーーー
〇〇:ロケ地聞いたけど、ここかな…ここら辺何もないし、木と草だけじゃん
〇〇:まぁ、曲に合うように撮るんだから仕方ないか
森田:〇〇くん、もう終わりだから一緒に帰ろ?
〇〇:はい、いいですよ
〇〇と森田は2人で事務所へ出て近くのカフェに入って行った
〇〇:ここ、すごくオシャレだ
森田:ここの雰囲気好きなんだよね、落ち着くから
〇〇:分かります、良いですねとても
森田:なにか頼む?
〇〇:そうですね、ミルクティーを頼もうかと
森田:そんな白髪で見た目怖いのに、可愛いの頼むんだね
少し口元を隠し悪戯っぽく笑いながら呟いた
〇〇:別にいいじゃないですか、ミルクティー好きなんですよ
森田:くくっ…面白い…っ
〇〇:ちょっと、さっきまで口元隠してたのにめっちゃ豪快にゲラゲラ笑いますね
森田:はぁ…はぁ…ごめんごめん、面白すぎて
〇〇:なんか、変なとこでツボりますね
森田:しょうがないじゃん、私は面白く感じるんだし
〇〇:人それぞれ、十人十色か…で、森田さんは何頼むんですか?
森田:んー、どーしようかな…メロンソーダにしようかな
〇〇:良いですね、バニラアイスが乗ってるやつあるんじゃないんですか?
森田:あった!これにしよ!
〇〇:じゃあ、頼みますね
〇〇は店員を呼びミルクティーとクリームソーダを頼んだ
〇〇:それで、相談ってなんですか?
森田:最近ね、雫さんにストーカーされてるの
〇〇:ストーカー、家まで着いて来るんですか?
森田:家の場所は知られたくないからいつもどうにか逃げ切ってから家に帰ってる
〇〇:んー…、雫さんのストーカーする目的はなんだ…
森田:それが分からなくて怖いの…
〇〇:ちょっと、俺もその事は調べてみます
森田:うん、私どうしたらいいかな?
〇〇:じゃあ、俺が家まで送ります
森田:え、いいの?
〇〇:はい、森田さんいつも電車を使って来てますよね?
森田:うん、そうだけど
〇〇:電車は使わずに帰りましょう
森田:どうやって帰るの?
〇〇:それは簡単、俺の正体は?
森田:え?正体…吸血鬼…?
〇〇:そう、ってことは?
森田:んー…わかんないよ!
すると頼んでいた飲み物が来た
〇〇:飲み物が来ましたね、一旦これを飲みしょう
森田:うん、そうだね
〇〇:ん、ミルクティー美味し
森田:ん〜っ!美味しっ!
〇〇:で、帰り方の話ですけど
森田:どうやって帰るの?
〇〇:飛ぶんですよ
森田:え?ま、まさか…空を?
〇〇:はい、そうです
森田:え!無理無理無理!
〇〇:大丈夫です、他の人には見えないように出来ますから
森田:それなら大丈夫か…
〇〇:どうですかね?
森田:お願いします、落ちたりしないよね?
〇〇:しないですよ
森田:それなら安心
〇〇:じゃあ、ゆっくりして帰りましょうか
森田:そうだね
ーーーーーーーーーー
〇〇:森田さん、もう暗くなってきてるので帰りますよ
森田:うん、わかった
〇〇は伝票を持ちレジに向かい会計を済ませた
森田:え!私が誘ったから払おうと思ったんだけど…
〇〇:いいですよ、じゃあ帰りましょう
森田:うん!
お店を出て〇〇は森田の手を握り路地裏の方へ入って行った
森田:え、ちょっとどうしたの?
〇〇:しー、静かにして
〇〇は森田をお姫様抱っこし建物の壁と壁を蹴って屋上まで行った
森田:うわ!凄い!
〇〇:やっぱりか、
森田:え?どうしたの?
〇〇:俺達のこと尾行してる、雫さん
森田:え、どうしよう、バレてないかな?
〇〇:大丈夫、路地裏に入った瞬間に俺達を見えないようにしたから
森田:良かった…
〇〇:これは…雫さんのことを徹底的に調べた方がいいかもな…
森田:調べるってどうやって?
〇〇:俺の知り合いで情報屋みたいな奴がいるんで大丈夫ですよ
森田:そうなんだ
〇〇:雫さんの件は気にしなくていいですよ
森田:うん、ありがと〇〇くん
〇〇:じゃあ、しっかり掴まって下さいね
森田:うん!
森田は〇〇の首に両腕を廻してぎゅっと強く抱き着いた
〇〇:よし、これなら大丈夫だな
〇〇の瞳は赤く染まり翼が生え森田の家まで飛んで行った
森田:すごい!楽しい〜っ!
〇〇:良かったです、そう言ってくれて
森田:私、今空飛んでるんだよね!
〇〇:そうですよ、森田さんは空を飛んでるんです
森田:こんな景色中々見れないよね
〇〇:そうですね、俺は何度も見てますけど
森田:これから帰るのが楽しみ
〇〇:俺、夜のこの景色好きなんですよね
森田:建物の光に街灯、車やバイクに自転車の光すごく綺麗だね
〇〇:はい、夜のこの空気感とても良いです
森田:何となくわかる気がする
話しているとあっという間に森田の家に着いた
〇〇:ここで合ってますよね?
森田:うん、私の家はここだよ
〇〇:森田さん、最後に1ついいですか?
森田:どうしたの?
〇〇:あの時、渡した指輪付けてますか?
森田:え?うん、つけてるけど
〇〇:良かった、その指輪は寝る時もお風呂入る時も何をする時でも外さないでください
森田:え、でも傷ついたりするんじゃ…
〇〇:俺が作った指輪なので傷ついたり錆びたりしないですよ
森田:え!!
〇〇:だから、絶対外したらダメですから
森田:わかった、絶対に外さないから
〇〇:じゃあ、おやすみなさい
森田:おやすみ、〇〇くん
〇〇は家に入って行く森田を見送った後にある人へ電話をかけた
〇📞:もしもし、俺が言ってた事を実行してくれ「皐月」
皐📞:はいよ、んじゃ、やりますよ
〇📞:よろしく、後は森田さんのことは夜の間監視しといて
皐📞:夜の間ね、おけわかったよ
〇📞:じゃ、よろしく
皐📞:はいはい、早速動きますよ
〇〇:これで大丈夫なはず、後は皐月が上手くやってくれれば上手く行くんだけどな
〇〇:さて、雫さんの事を調べるか
〇〇は翼を出し真夜中の暗い夜空へ飛んで行った
to be continued……。
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